1. HOME
  2. 第9回(10/25) 本は買う?それとも借りる?

第9回(10/25) 本は買う?それとも借りる?

 

 

■参加者数は(男性2名、女性6名)合計8名でした。

初参加の方は5名でした。

 

【本をめぐる大冒険シリーズ1・本は買っていますか?借りていますか?】

 

今回は「本をめぐる大冒険シリーズ」と題して「本は買っていますか?借りていますか?」について皆さんと考えてみました。

これが、予想以上の盛り上がりでした!

本を買う派の散財しないためのちょっとした工夫や(金券ショップで図書カードを割安で購入してから、本屋で買い物をする)借りる派の図書館情報(各図書館カードのイラストを見比べたり、借りられる冊数が公共ごとに違うこと)などなど、皆さんの読書スタイルが感じられ嬉しくもあり、また、驚きの連続で新鮮でもありました。

貴重なご意見を聞くことができて、とても楽しかったです。参加者のみなさま、ありがとうございました!!

 

それでは今回の読書会スタートです。

 

【紹介本】

9回

 

『沼地のある森を抜けて』梨木香歩

沼地のある森を抜けて (新潮文庫)

「ぬかどこ」から始まる物語は日常から外れていく。故郷の島へ辿り着いた沼地で、生命の神秘にふれ、衝撃的なラストを迎える。小説の枠を超え、壮大なミクロの世界へと導いてくれる本書は、読むたびに様々な解釈ができ、味わい深く、何度でも読み返したくなる。

 

『スノードーム』アレックスシアラー

スノードーム

若き科学者のクリストファーが失踪した際に残した原稿。そこには静かで、悲しい物語が綴られていた。天才芸術家エックマンの不器用な愛に焦点をあててはいるが、魅力的な登場人物によって重厚な作品に仕上がっており、忘れられない物語となる。原著のタイトルは『闇の速度』。

 

『ワイルド・ソウル』垣根涼介

ワイルド・ソウル〈上〉 (幻冬舎文庫)

戦後、日本政府がとったブラジルへの移住政策。その棄民政策に巻き込まれた人々の苦悩と復讐を果たすまでのストーリー。地を這うような調査・取材によって、書き上げたに違いない本書はリアリティが高く読み応え十分で、多くの日本人が知らなかった事実に驚愕することとなる。大藪春彦賞、吉川英治文学賞、日本推理作家協会賞をトリプル受賞した大作だ。

 

『愛の国』中山可穂

愛の国 (単行本)

三部作の完結編で8年越しの作品。どの作品も「同性愛」がテーマで、身を切るような王寺ミチルの人生に引き込まれる。筆者の言葉の選び方、表現、文章全体の雰囲気が醸し出す世界感に魅了され、熱狂的なファンも多い。厚めの本ではあるが一気読みできるくらいの驚くべき筆力に脱帽するばかりだ。

 

『店長さん!お客を区別すると儲かりますよ!』劉桂栄

店長さん!お客を「区別」すると儲かりますよ!

「お客様は神様ではありません」と言い切る筆者。店側(店長)から見た、顧客の傾向を探る本ではあるが、消費者である我々も読んで損はない情報が沢山書かれている。そして何といっても顧客識別マーケティングを理解するのには最適の本で、理論ではなく実践型で説得力がある、心強い一冊。

 

『智恵子抄』高村光太郎

智恵子抄 (新潮文庫)

言うまでもなく、名作詩集。高村光太郎の詩の表現に独特の世界感をもたらしたものは、美しく澄んだまなざしで妻・智恵子を見つめ、溶け込んでゆくようなやわらかな陶酔感を我々に味あわせるためであろう。芸術家である父、光雲の存在も忘れてはなるまい。

 

『妻を看取る日』垣添忠生

妻を看取る日―国立がんセンター名誉総長の喪失と再生の記録 (新潮文庫)

国立がんセンターの名誉総長である筆者。夫婦愛に満ちた話、最愛の妻との懸命なガン闘病記、夫として妻を亡くした喪失感と孤独、そして再生、と展開してゆく話である。心から愛する人を亡くした時、人はどうやって立ち直り、生きてゆけばよいのか。奥様との最期の場面は涙なくしては読めない。

 

『Hanns and Rudolf』Thomas Harding

 

日本語訳が発売されていない洋書。「水晶の夜事件」の2年前に独ベルリンから英に脱出したドイツ系ユダヤ人のハンスの家族と、アウシュヴィッツの所長として建設・運営に携わったルドルフ・ヘス家族の物語。一級ノンフィクション!!

 

 

『愚者の涙』川西蘭

愚者の涙(variation)

主人公の昔の恋人・ミヤコ、現在の恋人・鳶江、そして謎の美人セラピスト3人を中心に、主人公と織りなす心理的に繊細さを必要とする大人の恋愛小説。後半から主人公の書いた脚本が織り交ぜられ、場面展開の頻繁さと書き分けの巧みさについつい感心してしまう作品。息の詰まるような心理戦は余韻が半端なく、後を引く。

 

『殺し屋ですのよ』星新一

殺し屋ですのよ (星新一YAセレクション)

タイトルの言葉使いから、殺し屋は女性とわかる。看護師である彼女は病院のカルテやレントゲンを調べて、死が近い人たちを探し出す。さらに、その患者を恨んでいるような人たちと接触して、殺し屋としての任務を遂行するかのごとく患者の死を待ち、報酬金をもらう。人の死を喜ぶ人間が、殺し屋のターゲットとなるのだ。

 

『みんなのためのルールブック』ロン・クラーク

みんなのためのルールブック ―あたりまえだけど、とても大切なこと

ベストセラー『あたりまえだけど、とても大切なこと』の子ども向け普及版。普段の生活の中で大切となる、何気ない優しさや気遣いを、シンプルかつコンパクトにまとめた本だ。「常識」をあえて文章にしてみると大人も気づきがあるもの。小学校低学年でも読めるくらい優しく書かれているので、ぜひ家族で一緒に読んで欲しい。

 

参加者のみなさま、ありがとうございました!

加筆、訂正等受け付けております。お気軽にご連絡を頂けると嬉しく思います。

関連記事