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第8回(9/20) 建造物の価値と未来

■参加者数は(男性2名・女性6名、見学者は男性1名・女性1名)合計10名でした。

初参加の方は3名でした。

 

【KEYWORD歴史的建造物】

 

今回、カフェでは「まちかどの近代建築写真展 in 横浜」が開催されていました。

 

関東大震災を超えて、横浜の絹貿易を支え続けた旧三井物産横浜支店生糸倉庫をはじめ、全国に残る戦前からの倉庫建築写真が展示されており、静謐な佇まいに魅了されました。

しかし、旧三井物産横浜支店生糸倉庫は、現在取り壊しが計画されているそうです。

歴史的価値、技術的価値、建築的価値、警官的価値を考え合わせた場合、取り壊してよいものなのか、これを機会にたくさんの方に考えていただきたいと思います。

 

それでは今回の読書会スタートです。

 

【紹介本】

写真

『100年の難問はなぜ解けたのか』春日真人

100年の難問はなぜ解けたのか―天才数学者の光と影 (新潮文庫)

NHKで放送されたドキュメンタリー番組を文庫化したもの。100年の難問とは「ポアンカレ予測」のこと。難問解読後、ペレルマンはフィールズ賞を辞退し100万ドルの賞金も受け取らず、行方不明となる。崇高な数学者が辿った人生道を描く。

 

『異邦人』アルベール・カミュ

異邦人 (新潮文庫)

ノーベル文学賞受賞者・カミュの代表作。主人公・ムルソーは、ある事件に巻き込まれ殺人を犯し、その裁判で「太陽のせい」と答えるなどして、死刑判決を受ける。有名な冒頭1行目「きょう、ママンが死んだ。」から始まる本書は、人間の不条理を追及した不朽の名作。

 

『きりぎりす』太宰治

きりぎりす (新潮文庫)

画家夫婦の妻の告白文。太宰が得意とする、女性一人称の文体で書かれているため、より深く心情が伝わる。他、『鴎』『善蔵を思う』『水仙』など全14作品の短編集。

 

『グッド・バイ』太宰治

グッド・バイ (新潮文庫)

主人公がお付き合いしていた女性達(10人!)に、様々なかたちでお別れを告げてゆく物語。筆者が執筆中に心中をはかったため、未完の作品となる。他、『冬の花火』『春の枯葉』『饗応夫人』『眉山』など全16作品の短編集。

 

『微生物ハンター、深海を行く』高井研

微生物ハンター、深海を行く

JAMSTEC(独立行政法人海洋開発研究機構)に勤務する筆者の、一大青春叙事詩。科学研究者として熱いハートを持つ筆者は、夢を追い続けることの大切さを教えてくれる。本書からその熱意を、是非読み取って欲しい。

 

『条約で読む日本の近現代史』藤岡信勝

条約で読む日本の近現代史(祥伝社新書)

幕末の開港以来、日本が外国と締結した23の条約・同盟が、その後の歴史にどう影響したのか、深く考察する。教科書で触れていなかった条約が、後世に大きな影響を及ぼした例もあり、新たな発見間違いなしの一冊。

 

『威張ってはいかんよ』常盤新平

早川書房の編集者を経て、翻訳家や小説として名を残した直木賞作家。筆者と切り離せないのが、壽屋(サントリー)宣伝部に所属していた山口瞳であろう。人とのお付き合いや酔いのマナーまで、大人の流儀の本道をゆくエッセイ集。

 

『「過去の自分」に贈る手紙』エリン・スプラギンス

第一線で活躍する41人の女性が、過去の自分に送った手紙を紹介する。本書は、過去の自分に後悔や反省を促すのではなく、優しくアドバイスをし、加えて前向きに応援をしている。本書が良書たる所以だ。

 

『かもめのジョナサン』リチャード・バック

かもめのジョナサン (新潮文庫 ハ 9-1)

1970年にアメリカで出版され、口コミから超ロングセラーとなった寓話的作品。日本では五木寛之が翻訳を手掛ける。ジョナサンの人生を自分自身にシュミレートして読むと、その人の今の心理状態が理解できるという。今年『かもめのジョナサン・完成版』も発売されており、再ブレイクの予感だ。

 

『恋歌』朝井まかて

恋歌

一貫して時代小説を書いてきた筆者の渾身の作で、第150回直木賞受賞作。幕末の動乱期を舞台に、水戸藩藩士に嫁いだ女性の半生を描く。萩をあしらった装丁が印象的で、とても美しい。

 

『進撃の巨人14』諫山創

進撃の巨人(14) (講談社コミックス)

原作コミックが4000万部を超えた『進撃の巨人』。テレビアニメ、映画、小説と展開し、現在30近くの国や地域で放送、配信されており、勢いは止まらない。巨人、恐るべし!!

 

『大村智』馬場錬成

大村智 - 2億人を病魔から守った化学者

イベルメクチンを開発した大村氏は、世界を代表する有機化学者だ。北里研究所名誉理事長を務めるこの控え目な偉人は、中南米・アフリカ地域の2億人を寄生虫感染病から救っている。大人が読む、大人のための伝記だ。

 

『醤油鯛』沢田佳久

醤油鯛

お弁当の中に入っている鯛の形の醤油入れの図鑑。コレクター魂の愛の結晶ともいうべき作品。プラスチック製の容器の図鑑にもかかわらず、意外に奥が深い。農学博士ならではの視点で、考察力も鋭く、最後まで飽きずに読める。

 

『カーボン・アスリート』山中俊治

カーボン・アスリート 美しい義足に描く夢

工業用デザインを手がける筆者。「機能美」にこだわり、義足の製品開発という新しい領域に、学生の研究グループと共に挑戦を進める。義肢装具士の神・臼井二美男氏のエピソードも含む、一級ノンフィクション。

 

『りんごかもしれない』ヨシタケシンスケ

りんごかもしれない

ヨシタケシンスケさんが、絵本業界に参戦。りんごかもしれない絵を「見る」。想像力を最大限に働かせて、もう一度「見直す」。子供も大人も楽しめる一冊だ。書店員一押しの絵本。

 

『壷の中』安野雅一郎

壷の中 (美しい数学 (4))

安野光雄(絵)の安野雅一郎(作)の絵本。同じ生年月日・・・おそらく同一人物?美術、数学、文学と多才の安野氏。美しく青い壷の中に広い海があり、そこから数学の世界が始まる、不思議な絵本。

 

『生命の暗号②』村上和雄

生命の暗号2 (サンマーク文庫)

遺伝子とは、持って生まれた「その人の設計図」のようなものであり、変えることは不可能である。しかし遺伝子の働きをコントロールするのは遺伝子そのものではなく、自分自身の「思い」が影響していると最近の研究成果で明らかになっていると説く。サイエンス本でありながら、勇気がもらえる感動の一冊。

 

『嫌な女』桂望実

嫌な女 (光文社文庫)

あらゆる男性を虜にする魅力の持ち主、詐欺師・夏子。嫌な女だが、詰めも脇も甘いし、憎めないところもある。嫌な女の物語なのに、読後感は爽やかで、なんとも不思議な余韻が味わえる。長編だがさっくり読める。

 

『たまゆらに』山本一力

たまゆらに (文春文庫)

『たまゆらに』、ダントツのタイトルセンスではなかろうか。棒手振りの青菜売りを生業にする娘、朋乃。ある朝、大金が入った巾着を拾ったことから、事件が始まる。愛犬・ごんも登場する、お得感たっぷりの時代小説。

 

『獣の奏者 刹那外伝』上橋菜穂子

獣の奏者 外伝 刹那

文化人類学者が描くファンタジー小説で、本書は刹那編だ。児童小説でありながら、多くの大人が夢中になるくらい、壮大で物悲しい異世界が広がる。孤高の獣と少女エリンの物語。

 

『空の中』有川浩

空の中 (角川文庫)

自衛隊三部作の一つ。航空自衛隊機が謎の爆発事故を起こし、そこから未確認生物と絡みながら物語は進む。SF小説でありながら、人間の内面もしっかり描かれているところが、上手い。さすが人気作家。

 

『クジラの彼』有川浩

クジラの彼 (角川文庫)

自衛隊三部作の一つ。潜水艦員の甘い、いや、若干甘すぎの胸キュン・ベタ甘ラブストーリー。これぞ妄想の極み、小説の大気味と言える一冊。潜水艦員の豆知識も学べるビブリア本でもある

 

『さよならソルシエ』穂積

さよならソルシエ 1 (フラワーコミックスアルファ)

19世紀パリの天才画家ゴッホと弟のテオの物語。画家と画商の浪漫を全2巻で描く。大人のファンタジーとして、十分に楽しめる漫画だ。

 

参加者のみなさま、ありがとうございました!

加筆、訂正等 受け付けております。お気軽にご連絡いただけると嬉しいです。

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