1. HOME
  2. 第18回(7/25)隠れた真実は非常識にしか見えない

第18回(7/25)隠れた真実は非常識にしか見えない

■参加者数8名(男性4名、女性4名)でした。

 

初参加の方は3名でした。

 

シリコンバレーで絶大な影響力を持つ伝説の企業家ピーター・ティール氏。彼がスタンフォード大学で行った講義を基にした著書『ZERO TO ONE』は世界的ベストセラーになりました。日本でもビジネス本大賞を受賞し、発売当初から今なお売れ続けている人気の本です。本書のなかに「賛成する人がほとんどいない自分が思う重要な真実はなんですか?(隠れた真実は非常識にしか見えない)」の問いがあり、今回オープニングで考えていただきました。難しいとの声が多い中、それでも「考え続けた」参加者の皆さん、ありがとうございます。貴重な意見が聞けましたので以下にまとめてみました。

ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるかの詳細を見る

 ・オーガニック、ナチュラルという名前が付く商品について、体に良いとされるがイメージだけのものではなかろうか。

・タバコは体に悪いと言われるが、ストレス解消法のひとつと考えると一概には言えないのでは。

・一日3食が望ましいとされるが、空腹を感じるサイクルは人それぞれであり体調によって変えることが望ましいのではないだろうか。

・男性が働き女性が家庭を守ることが一般的であるが、雇用形態が変化していく世の中で必ずしもそれがすべての夫婦に該当する事ではないのでは。

 

こうしてまとめてみると、情報化社会の中で踊らされる消費者の構図・プロパガンダが垣間見れた気がします。当初はサンタクロースは緑のユニフォームでしたが炭酸飲料メーカーの意向で赤い服になった等の話題も出ました。

 参加者のみなさま、貴重なご意見をありがとうございました。

今回の課題は「文庫本」、読書会スタートです。

【紹介本】

IMG_15971-300x225

 

『ケインとアベル(上・下)』ジェフリー・アーチャー

ケインとアベル (上) (新潮文庫)の詳細を見る

ケインとアベル 下 (新潮文庫 ア 5-4)の詳細を見る

ボストンの名門家に生まれたケインとポーランドの貧困家庭に生まれたアベル。この二人の人生が歴史の渦に巻き込まれた時、壮大な物語が始まる。昔、夢中になってテレビドラマを見ていた人も多いであろう名作。

 

『ロスノフスキ家の娘(上・下)』ジェフリー・アーチャー

ロスノフスキ家の娘 (上) (新潮文庫)の詳細を見る

ロスノフスキ家の娘 (下) (新潮文庫)の詳細を見る

『ケインとアベル』の続編となる本作はケインの娘が主人公。アメリカ史上初の女性大統領を目指すストーリーからは海外の複雑な議員選挙の世界が垣間見れる。上品で静かなユーモアを兼ね備えた作品。

 

『何者』朝井リョウ

何者 (新潮文庫)の詳細を見る

就職活動中の学生5人の物語。SNSを巧みに取り入れた本文に若者たちの本音が覗く。言葉の奥に隠された黒い闇の部分が、読む者の心をも映し出す鏡となり自己顕示欲をあぶり出す。

 

『身ぶりとしての抵抗』鶴見俊輔

身ぶりとしての抵抗 ---鶴見俊輔コレクション2 (河出文庫)の詳細を見る

★河出文庫オリジナル作品

筆者は人が避けて通りたくなる様な社会問題に自然にコミットメントできる希有の哲学者。人として在るためには「自分の身体の届く範囲で生活し思索し続けることである」と説く。

 

『期待と回想』鶴見俊輔

期待と回想 語りおろし伝 (朝日文庫 つ 12-1)の詳細を見る

対話形式による自伝集。日本人としての哲学は、その土地に住む者同士の相互交渉があり、人と人との関係やそれぞれの考えから成る。集合的な期待をはっきりと回想することで過去の歴史が語れるのだ。

 

『淀川長治 映画塾』淀川長治

淀川長治映画塾 (講談社文庫)の詳細を見る

★講談社文庫オリジナル作品

日曜洋画劇場の解説で有名な筆者。手加減のない鋭い映画評論の裏には、確固たる映画への愛情と人生を映画に注いだ年月を想わせる重みが感じられる。日常の積み重ねに映画と言うエッセンスを加えよう。

 

『生の深みを覗く』中村邦生

ポケットアンソロジー 生の深みを覗く (岩波文庫)の詳細を見る

★岩波文庫ポケットアンソロジー

漱石や鴎外、魯迅にジーン・リースがこの一冊に集約されている本書は、これだけ豪華で濃い作品集でありながらも調和のとれた旋律を奏でる。人生の深みに触れる短編小説アンソロジー。

 

『幕が上がる』平田オリザ

幕が上がる (講談社文庫)の詳細を見る

高校演劇部による爽快感満載の青春ストーリー。主人公が天才的指導者に導かれ、演劇の技術はもちろん人として成長していく姿を描く。さすが劇作家・演出家だけあって一味違った旨みを含む作品に仕上がっている。

 

『ベロニカは死ぬことにした』パウロ・コエーリョ

ベロニカは死ぬことにした (角川文庫)の詳細を見る

優しい家族に囲まれ、人も羨む美貌を持つベロニカ。全てを手にした彼女は自殺未遂を計り、運ばれた精神病棟で「狂気」と出合ったことで彼女の何かが変わっていく。脆弱な現代人の神経に勇気を注ぐ一冊。

 

『55歳からのハローライフ』村上龍

55歳からのハローライフ (幻冬舎文庫)の詳細を見る

悔いの無い人生を送りたい、そんな男女5人が織りなす限りなく現実に近い物語。人生後半の年齢にさしかかり、受け入れざるを得ない厳しい現実に身につまされる内容でありながらも、どこかほっとする内容に筆者の筆力の高さを感じる。

 

『金閣寺』三島由紀夫

金閣寺 (1960年) (新潮文庫)の詳細を見る

1950年に起きた金閣寺放火事件を基に書かれた小説。若さゆえに抱く美しい者への憧れと嫉妬心は金閣寺を焼き放つ事でしか解決が見出せなかった。日本文学の金字塔となるべく一冊。

 

『語学と文学の間』大野晋

語学と文学の間 (岩波現代文庫)の詳細を見る

本居宣長の「もののあはれ論」は彼の恋愛実体験が基盤とされ、必要不可欠な事件であった。他、日本語の文法的な特質と日本人の考え方について考察することで文学の奥深さを学ぶ。

参加者のみなさま、ありがとうございました。

加筆、訂正等受付ております。気軽にご連絡を頂けると嬉しいです。

関連記事