第17回(6/20)本にまつわるあなたの想い出話
■参加者数10名(男性5名、女性5名)でした。
初参加の方は2名でした。
今回の読書会は「本にまつわるあなたの想い出話」について話していただき、さまざまなエピソードを聞くことができました。遠い過去の想い出だけでなく最近の話が多かったのが印象的でした。中でも旬な話題だったのが読書会前日の6/19に桜桃忌に行かれたというエピソードです。
ところで「桜桃忌」をご存じですか?
太宰治が愛人・山崎富英と入水自殺をしたのは6/13。遺体が発見されたのは6日後の6/19で、この日はくしくも太宰の38歳の誕生日だったそうです。この日を生前仲の良かった今官一が太宰の短編集にちなんで「桜桃忌」と名付け、太宰と直接親交のあった人たちが遺族を招いて桜桃をつまみながら酒を飲み交わしたのが始まりといわれています。現在は太宰が眠る禅林寺に多くのファンが参拝に行く行事として定着しており、今年も小雨にもかかわらずたくさんの人が来ていたということです。中には少年が一人でお墓詣りに来ていた姿も見られ、今なお幅広い年齢層から支持される太宰の人気の高さを実感せざるを得ません。
なんと!又吉さんもみかけたそうです。
青春巡礼、来年はぜひ参拝に行こうと思います。
参加のみなさま、貴重なご意見をありがとうございました。
今回の課題本は「人間以外の生き物が登場する本」、読書会スタートです。
【紹介本】
『カモメになったペンギン』ジョン・P・コッター
・ペンギン
ビジネス寓話。擬人化したペンギン村で起こる危機的状況を、ペンギンたちの抜群なチームワークで巧みに乗り切る。名著『企業変革力』のエッセンスが織り込まれた深い内容でありながらも、さらりと読める一冊。
『タオのプーさん』ベンジャミン・ホフ
・くまのぬいぐるみのプーさん
儒教や仏教など古代中国から伝わる「道」タオイズムを、プーさんが「あるがままの自分であること」と優しく説く。親友ピグレットやイーヨーももちろん登場するのでご安心あれ。
『自分の答えの作り方』渡辺健介
・魚のピンキー
少年期の魚・ピンキーが様々な問題に直面するも世間の常識にとらわれずに自らの頭で考え抜き自らの意思で行動して解決へと導く。『世界一やさしい問題解決の授業』の中学生向けの本だが、大人も十分ためになる。
『幻獣辞典』ホルヘ・ルイスボルヘス
・古典文学の幻獣
有名な古典文学に登場する幻獣の辞典。ガンダムファンが「宇宙要塞のネーミングは幻獣から取ったのか」と気付きがある感動の一冊でもある。解説で筆者を「獣」として扱われて書かれているところも見逃せない。
『ブレーメンⅡ』川原泉
・科学技術で人間化した動物たち
優秀な女性宇宙飛行士キラと最新の科学技術で人間化した動物たちが開拓地を求めて輸送船「ブレーメンⅡ」に乗りこむ。コミカルな内容にゆるふわな絵のタッチが絶妙に折り重なり、作品全体の雰囲気をかもし出している。
『鼻行類』ハラルト・シュテュンプケ
・鼻で歩く動物・鼻孔類
学術的な考察と豊富な図版にだまされてはいけない。完成度の高い鼻行類は実在には存在しないファンタジー上の生き物だ。おそらく何の役にも立たない知識に奥深さを感じること間違いなしの生物学系三大奇書のひとつ。
『シリウス』オラフ・ステープルドン
・人間並みの知能を持つ犬・シリウス
人間並みの知能を持つ犬「シリウス」が人としての知性と犬としての本能に翻弄される心の葛藤を描いたSF小説。内的世界が交差しながら成長してゆくシリウスの姿はSF小説を超え哲学の世界を感じる感動作だ。
『白いネコは何をくれた?』佐藤義典
・白いネコ・ボロ
仕事も恋愛もうまくいかない「実直」に白いネコ「ボロ」が結果を出せるマーケティングを伝授する。図解入りで読む者に優しく、ビジネスに留まらず様々な人生の局面において対応できるような内容だ。
『謎の蝶アサギマダラはなぜ海を渡るのか?』栗田昌裕
・蝶のアサギマダラ
蝶のアサギマダラは美しい羽根を持ち、遥か海を渡って2000kmも旅をする。「アサギマダラ愛」が止まらない筆者が、マーキング調査で蝶達の神秘と魅力に迫る優美に満ちた一冊。
『木のぼりゴリラ』山極寿一
・ゴリラ
ゴリラにもニシゴリラとヒガシゴリラがいる事をご存知だろうか。今まで知られていなかったニシゴリラの生態をゴリラ研究者のトップランナーと言われている筆者が児童書の中で優しく説き明かす贅沢な一冊。
『狼の群れと暮らした男』ショーン・エリス
・狼
人間である筆者が野生の狼の群れに受け入れてもらうため、命がけで狼と暮らしたノンフィクション作品。群れの上位の狼が残した生肉を食べて生き続けた男の記録に脱帽せざるを得ない。
『流れゆく者』上橋菜穂子
・守り人・バルサ
精霊の守り人シリーズの番外編となる4つの短編集、バルサとタンダの少女時代の物語だ。バルサの養父ジクロの心の葛藤も丁寧に描かれており筆者の筆力が冴えわたる。
『きりぎりす』太宰治
・キリギリス
※第8回でご紹介いただきました。ありがとうございます。
『突然ノックの音が』エトガル・ケレット
・ウソの国の犬
イスラエルを代表する人気作家が描く繊細で美しい短編集。ある日、主人公の嘘が現実のものとなる世界が存在し、犬が交通事故にあう。秀逸なパラレルワールドに読者も主人公と一緒に落ちてゆく。
『ガリバー旅行記(上)(下)』ジョナサン・スウィフト
・巨人のガリバー、小人
子供の頃に誰しも一度は読んだであろう空想物語。大人になって読み返すと風刺がふんだんに織り込まれている事に気付く。後半に近づくたびに人間憎悪が露骨に表現されており児童書にしては背筋が凍る内容の一冊。
※『世界の中心で愛を叫んだもの』ハーラン・エリスン
プレゼンテーションの中でご紹介いただきました。『世界の中心で愛を叫ぶ』とは異なるSF小説。
『たのしいムーミン一家』トーベ・ヤンソン
・妖精のムーミン
洋書のご紹介。おなじみムーミン谷の物語。
『パラサイト・イヴ』瀬名秀明
・ミトコンドリア
映画、ゲームでも人気の高い最強バイオホラー小説。事故で亡くなった最愛の妻の細胞・ミトコンドリアを培養したことから恐るべき未知の生命体が誕生する。
※『チーズはどこへ消えた』スペンサー・ジョンソン
プレゼンテーションの中で、ご紹介いただきました。4匹のネズミの物語。あなたはどのネズミ?
『サードマン』ジョン・ガイガー
・幻?守護霊?サードマン
遭難、事故などで極限の危機的状況に陥った時、その者の傍らにどこからともなく現れて奇跡の生還へと導く「サードマン」。実際の証言を基に脳科学などの知見を絡め「サードマン現象」を解き明かす。
参加者のみなさま、ありがとうございました。
加筆、訂正等受付ております。気軽にご連絡を頂けると嬉しいです。