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KINOさんへ

KINOさんへ

12/15第一部・2/23第二部・4/6第三部・6/8第四部と、半年間かけて行った『カラマーゾフの兄弟』(新潮社)読書会。お疲れ様でした。KINOさんの秀逸な解説、圧巻の出来栄えの資料のおかげで、参加者全員が大変満足のいく会となりました。

この半年間の私の三大欲求は「食欲」「睡眠欲」「カラマーゾフの兄弟」でした。肩こりが半端ないと思いつつ、どこへ行くにも肌身離さず持ち歩き、少しずつ読み進めた3冊です。なんの目的のために付けたのかわからない謎だらけの付箋になってしまいました。本に線を引いたのも『カラマーゾフの兄弟』が始めての経験です。

読書会開催前に意見交換したKINOさんとの長文メールは大変熱量のあるものでした。KINOさんの刺激的な問いや鋭い考察を読んだ時の、あの感動は今でも忘れられません。当日、参加者の皆さんにどのような質問をしようかと、わくわくしながら話し合ったりして。主催側の私達が一番楽しんだ気がします。ありがとうね。

相手にされなくて傷つくことを引き受けないと名著は読めないものです。途中でなかなか読み進められなくなった私の背中を押すように、KINOさんは応援メールをくれました。おそらく読書会で取り上げなければ『カラマーゾフの兄弟』という大作の読了は、今の私の実力では難しかったと思います。感謝しています。

文学は、その作品そのものと向き合うことに意味があると思っていて、決して理解することではないということ。そして文学は、よく読めばわかるというものでもなく、一生かかってもわからないこともあるのかも知れないと本作品を通じて思いました。読み終えたという達成感と、未だに伏線を改修できずに不完全燃焼さが残っていますが、ここからが始まりだと思って再読中です。KINOさんお薦めの関連本も読む予定でいます。楽しみです!

おそらく本書は万人の人生に準えた小説だと思っていて読む度に様々な顔を覗かせます。終わらない小説、『カラマーゾフの兄弟』です。

KURIより

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