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2020.5.11 100年後 KURI

物語の舞台は、とある架空の共和国。清く神聖で善の象徴とされる「幼女」と、汚れた悪の象徴とされる「煙草」という考えの国で事件は起こります。主人公の「僕」は一本の煙草をきっかけに怖ろしい運命に巻き込まれていくのですが、本書はブラックコメディながらも、 正しいことならば何でも行ってよいのかという問いに対して、人の心の歪みを鋭く見抜き、チクリと刺しにかかります。

著者本人がインタビューで語った内容によると、昔は権力と支配と言う名のもとに振る舞われていた暴力が、今後は善や正義の名のもとに暴力が行われる世の中になっていく危険をはらんでいるとし、人間が判断する「善と悪」は不確かなものであり、それゆえに紙一重なところがあると警告しています。

そんな「善と悪」。たくさんの人と触れ合うことで自分の中に潜む危うい考えに気づかされることも少なくないのですが、新型コロナの自粛要請により、人と直接会ってコミュニケーションをとることが難しくなっています。物事の判断基準がインターネット等の情報だけでしかないとしたら、少し寂しい気がするのは私だけでしょうか。

100年後、今を生きる殆どの人達は生きてはいないでしょう。

もちろん、私も。

ですが、先の未来、ずっと平和でご機嫌な日常が送れる世界でありますように。

【投稿者】KURI

明日はビジネス横浜読書会のSHIMOさんへバトンタッチ!

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