第27回(3/19)色と光
■参加者10名(男性6名、女性4名)
初参加の方は4名でした。
今回のテーマは「色」です。
あなたは何色が好きですか?
どのような彩りで洋服や雑貨を選んでいますか?
色とは電磁波の一種で目の中で色の感覚を引き起こす光です。可視光線と呼ばれる紫外線と赤外線の間の380mから780mのごく狭い範囲の電磁波が目に色の刺激を与え色の基となります。日常にあふれる様々な色は、光がなければ見ることはできません。
そこで皆さんとオープニングに「光」について話を伺いました。
私は高校時代に「ひかり」ちゃんと「ひかる」ちゃんがたくさんいてパニックだったという軽めの話をしたのですが、皆さまのお話は深い味わいをもたせるものだったもので、今回のお題は色ではなく光に変更したくなるくらいでした。
高級ホテルでのコース料理のような、「光」について。以下、優美な世界をごゆっくりご堪能くださいませ。
雨上がりに太陽の光を浴びた蜘蛛の糸の美しさ
和紙から透けるほのかな灯り
北欧の白夜
鰤起こし
灯台の光
光のフェルメール 闇のレンブラント
いかがでしたか?
森アーツセンターギャラリー展の「光のフェルメール 闇のレンブラント」にレンブラントも光だろ、と突っ込みを入れたあなたに大賛成です。ぜひ読書会に遊びに来てくださいね。
それでは色についての読書会スタートです!
【ご紹介頂いた本】
▶明け方の色・藍色
『三十光年の星たち(上)』宮本輝
うだつが上がらない主人公・坪木は近所の老人・佐伯にお金を借りたことから運命が動き出す。30年後の自分を見据えることで人生の本当の意味が見えてくる。宮本輝ファンにはたまらない人生再生の話に夜明けを感じよう。
▶バラ色
知性の人である高級アパート管理人・ルネと、天才であるがゆえに世界と交わることを拒む少女・パロマの前に突然現れた日本人紳士・オズ。彼の出現で2人の運命が大きく変わっていく。哲学の花が咲く本書はフランスで130万部売れた大ベストセラー本。
▶白と黒
将棋の戦法の歴史や解説に特化した総合定跡書。級位者から有段者まで広く役立てるはず。将棋をよく知るものに勝又清和を知らないものはいない。攻めか守りか、押すか引くか、勝敗の光と陰が交差する。
▶赤
『蜘蛛女のキス』で知られるブイグの長編小説。書簡体、会話体、報告書などが入り交じった構成にストーリーが駆け巡る。赤い唇から情熱の香りを放ち延々と続く会話、それはラテンアメリカ文学の証。
▶輝かしさとしての「色」
日本ペイント㈱のPR紙「可視光」に掲載されていた、選びぬかれた著名人20人と松岡正剛の10年に及ぶ「色」をテーマにした対談集。最終回が三輪明宏とはなんとも色っぽいではないか。松岡正剛という合わせ鏡あっての著名人たちの輝きと言えよう。
▶万華鏡のように
自閉症の筆者による内面を描いた告白手記の第3弾。二巻で出会ったイアンとの生活と、自立した著者自身をとりまく環境が鋭く描かれる。幻想的な雰囲気にどこか万華鏡を思わせる世界観を感じる。
▶「色」について
運命さえも左右する、恐るべし色のパワーを科学的に証明する。日本の商品学の草分け的存在である奨学博士が快適色彩生活をお薦めする。お気に入りの色を纏って街へ出かけよう。
▶「色」について
難易度高めのゲーテの色彩論を発展させたシュタイナー的色彩論。物質界の色は対象と結び付けているが、心魂界においては揺らぎ自由に漂っており、常に変容する働きがある。
▶青
『嫌われる勇気』岸見一郎
※第2回 女子限定横浜読書会でご紹介頂きました。
アドラーが提唱する心理学を基に書かれた本書。嫌われるかどうかは他人が決めること。他人ではなく、自分が選ぶライフスタイルに勇気を持つことで自らを決定しよう。
▶BLUE
本書は 長期的な気候変動のメカニズムと、その歴史を彩る科学者たちの熱きノンフィクションだ。海底の深い底に宿る清きブルーは静かに、そして確実に気候変動を伝える。
▶青春色・若草
名門大学に通う末娘のフラニーと、俳優で5歳年上の兄ズーイ。エゴだらけの世界に身を置くことを否定し、小さな宗教書に魂の救済を求めるフラニーを渾身の言葉でズーイが救い出す。ナイーブで優しい魂を持ったサリンジャー文学の傑作を村上春樹の翻訳で蘇る。
▶白
▶赤
染織作家、随筆家、 重要無形文化財保持者と様々な顔を持つ著者が織物への道を言葉で紡ぐ書下ろしエッセイ。紡ぎ、染め、織りから探し求めていた本当の色を織り出す。
※芸術新潮 2013年 02月号
小林秀雄の芸の世界を中心に、食の魅力についてもご紹介いただきました。
▶灰色
『単位』木津直人
古典的で爽やかな木津の詩の世界。余分な感情を削り取り、言葉に込めて読者に伝える。寓話的性格の色濃い現代詩から、光る座標軸が見つかる。
▶旅先で出会う異国の色
異国情緒漂うホテルのゲストルームのイラストや挿絵をカラーで掲載。旅先でのエピソードを添えて味わい深く仕上がっている。カメラで撮るよりも確かなセンスが漂う理由はデッサンだから。
▶文化の色
コルビュジェの建てた家を訪ねてスイスへ、暮らしに溶け込む家具や雑貨を求めて北欧へ、家庭的な雰囲気を求めてイギリスへ。イラスト、写真、レシピまで手がける著者の旅のスタイルのご紹介。
参加者のみなさま、ありがとうございました。
加筆、訂正受け付けております。気軽にご連絡を頂きたくお願い申しあげます。