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第28回(4/16)世界に誇る喫茶店

■参加者14名(男性6名、女性8名)

初参加の方は1名でした。

 

第28回のお題は「食」です。季節ごとの味わいやその土地の文化や歴史の鏡となる「食」にどのようなインスピレーションを受けて本を選んだのか大変楽しみです。

そして今回は自己紹介に加えて「忘れられない変な食べ物」を話してもらいました。

皆さん、案外チャレンジャーです。世界中の変な食べ物を口にしていることがわかりました。特にアジアの発展途上の国で出会ってしまった衝撃的な食べ物は珍味を超えて、毒?に近い旨味?の話。笑えるエピソードが盛りだくさんで面白かったです。

そんな中、我が国・日本において世界が誇るクレイジーな喫茶店の存在を知りました。

名古屋にある「マウンテン」です。

甘口イチゴスパゲティ、小倉丼、八丁味噌かき氷など、人間の食べ物とは思えない殺人的メニューが勢ぞろいでどれもメガ盛り。彩りもおかしな感じで、食欲が一気に失せること間違いなし。マウンテン用語?によると、注文した料理を途中で断念することを「遭難」、間食したことは「登頂」と言うそうです。県外から登頂を目指して多くの人が足を運ぶ大人気店。もちろん普通メニューもあり、学生のために大盛サービスしてくれる良心的な喫茶店とのこと。機会があれば行ってみたいと思わないくらい、口にできそうにない料理でした。

 

【実際作ってみました】

なんと参加者の方で、今回ご紹介頂いた本の料理を作ってみた!という方がいました。

しかもNさん、男性です。

『シャーロック・ホームズ家の料理読本』ファニー・クラドック

シャーロック・ホームズ家の料理読本 (朝日文庫)の詳細を見る

シャーロックホームズ家のお食事の担当だったハドソン夫人のレシピ本。英国ヴィクトリア朝の食文化に興味のある人にはお薦めの一冊。この中の「ビーフゼリー」をご紹介します。

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①牛肉を入れた瓶を湯煎にかけて、

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②ビーフゼリーの出来あがり!

ハドソン夫人に怒られそうですが、愛犬の大好物だと思います。

 

小説にあった生姜の凝固成分の特性を探究するためジンジャーミルクプリンを作ってみたというエピソードも。

ちなみに、こちらも男性です。

 

「変な食べ物」という話題だけで、これだけウイットに富んだ会話の連続になるとは驚きました。会社の飲み会や合コンの主役になること間違いなしの小ネタ満載だった読書会スタートです!

 

【ご紹介いただいた本】

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『仰臥漫録 』正岡子規

仰臥漫録 (岩波文庫)の詳細を見る

正岡子規の死の直前まで書き綴った日記。俳句や水彩画はもちろんだが食欲日記のようにも思える。病床では食べることぐらいしか興味がないと暴食に走る筆者の食欲は驚きを超えてもはや生命力の祭りだ。

 

『納豆の快楽』小泉武夫

納豆の快楽 (講談社文庫)の詳細を見る

納豆好きはもちろん、健康に興味のある人は必読!「発酵仮面」こと小泉先生が正しい納豆の食べ方から保存食納豆の作り方まで熱く語る。ところで納豆菌の粘り度に単位がある事をあなたはご存知だろうか?

 

『喋々喃々』小川糸

喋々喃々 (ポプラ文庫)の詳細を見る

季節感のある暮らしや、食べもの。下町の風情ある暮らしに溶け込む着物姿。禁じられた恋に繊細で揺れ動く気持ち。『食堂かたつむり』の著者でもある小川糸の小説は言葉で酔わせる。

 

『里山産業論 』金丸弘美

里山産業論  「食の戦略」が六次産業を超える (角川新書)の詳細を見る

食を中心に日本の地域経済を考える。地域活性化に必要なことはご当地キャラでも補助金でも工場でもなくその土地の「食文化」だということ。具体的な対処法も丁寧に解説。

 

『なぜイタリアの村は美しく元気なのか』宗田好史

なぜイタリアの村は美しく元気なのか: 市民のスロー志向に応えた農村の選択の詳細を見る
イタリアの農村アグリツーリズモは食文化を中心に農村環境を改善した成功例だ。豊富なデータと社会的背景を踏まえて学術的に解説する。日本の農村の改革にも期待を寄せる。
 
 

 『だし生活、はじめました。』梅津有希子

だし生活、はじめました。の詳細を見る
意外と気軽に取れるだし。風味豊かな鰹、万能な昆布、個性が光る干し椎茸など簡単にご紹介。毎日続けられるよう工夫された優れた実用書だ。今日から実践、継続してみよう。
 
 
『ラーメンと愛国』速水健朗

ラーメンと愛国 (講談社現代新書)の詳細を見る
日本人の大好きなラーメンは、もはや国民食と言っても過言ではない。そんなラーメンの歴史を基軸に戦後アメリカの小麦戦略から3.11以降に至る現代史をスリリングに語る。
 
 
『キッチン 』吉本ばなな

キッチン (角川文庫)の詳細を見る
祖母の死をきっかけに、田辺親子と不思議な3人暮らしを始めたみかげ。女性として、人間として成長していく物語。吉本ばななの世界観に心地よさを感じる。キッチンとひとのこころの深遠な話。
 
 
『もの食う人びと 』辺見庸

もの食う人びと (角川文庫)の詳細を見る
共同通信社の特派員であった著者が、世界各地の「食」を描いたルポルタージュ。「食べる」ことは生きるために必要なこと。紛争、貧困、社会問題等、厳しい立場に立たされた人々の食に迫る。

 

 
『ナマコの眼』鶴見良行
ナマコの眼
ナマコ目線でナマコの世界を語る衝撃的な本。500ページある本文はナマコに関する歴史や文化が語られ、ナマコに興味が無い人でも文化人類学的に楽しめる。「なまこのまなこ」ちなみにナマコは眼がない生き物。
 
 
『料理の四面体』玉村豊男

料理の四面体 (中公文庫)の詳細を見る
料理の概念を体系的にとらえた一冊。火・水・油・空気の関係性から料理を分類、分析してしまうという画期的内容に圧巻。科学的見解に触れながら料理の楽しさや食の魅力を十分に堪能する。
 
 
『ラブレーの子供たち』四方田犬彦

ラブレーの子供たちの詳細を見る
古今東西の著名人が食した料理を再現し、エピソードと共にまとめた極上のエッセイ集。味わいと香りたつ食のシンフォニー。食を愛した著名人の味覚の力に芸術性を感じる。
 
 
『きのう何食べた?』よしながふみ

きのう何食べた?(8) (モーニング KC)の詳細を見る
BL(ボーイズラブ)と一言で片づけてはいけない恋愛漫画。8巻は二人の京都旅行の話が中心。年齢を重ねるごとに深くなる愛と悩みを、美味しい料理を通して見事に描き上げる。
 
 
『最後の昼餐』宮脇檀

最後の昼餐の詳細を見る
建築家の故宮脇檀氏の、文字通り「最後の昼餐」をまとめたエッセイ。生活を楽しむことや、美味しいものを食べることに幸せを感じることができる。
 
 
『くいいじ 』安野モヨコ

くいいじ 下巻の詳細を見る
美食家でもなければ料理が上手いわけでもなく、著者のくいいじと食への欲求だけに導かれて仕上がった一冊。とはいえ洗練された調理器具や素敵なイラストにセンスの良さを感じる。漫画『働きマン』の作者。
 
 
『お菓子教室』上田悦子

お菓子教室―やさしいお菓子をやさしく教えますの詳細を見る
お菓子作りの基本となるレシピ集。特別な材料をそろえる必要もなく、難しいテクニックも必要ないため、気軽に簡単に美味しいお菓子が作れる。
 
参加者の皆さま、ありがとうございました。
加筆、訂正受け付けております。気軽にご連絡を頂きたくお願い申しあげます。

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