REPORT
これまでの読書会
第120回横浜読書会KURIBOOKS「お仕事」
■2023年10月21日(土)16:00-18:00
■参加者17名でした。
普段はリモートの読書会へご参加いただいている参加者さんが、
奈良からわざわざ横浜開催の読書会へ来てくださりました!
遠方からのご参加をありがとうございます。
(お手紙小説をお土産でいただきました。)
手紙小説「何者からかの手紙 6通セット」(BOOKSOUNDS) | 古本トロニカ 通販オンラインショップ | 美術書・リトルプレス・ポスター販売 (thebase.in)
会を重ねるごとに日の落ちる時間が早くなり、肌寒い日も多くなってきました。
読書会を終える時間になると外は暗くなっており、秋の深まりを感じます。
本のテーマは「お仕事」に関する本です。
テーマに沿って皆さんのおすすめの本を持ち寄りました。
ご紹介いただいた本はこちらです。
ノンフィクション小説を中心にイラスト集、短歌集、文芸小説、エッセイなど、様々なジャンルの本が集まりました。
今回は参加者が多いため、本の発表は2グループに分けて行いました。
全員の本のプレゼンテーションを聞くことはできませんでしたが、
私のグループ内で発表された本の一部をご紹介します。
マネーゲームに携わる職場で感じた“違和感(人の心や行動)”を描いた小説、
公務員と小説家を兼業する作家の作品(職場で一緒に働いているそうです)、
お仕事探し=ハローワークと言えばあの作家!(村上龍)などなど。
「お仕事」から連想される本は、私の想像を軽く超えて人それぞれでした。
個性が際立つ「お仕事」の本たちが揃い、驚きと発見があったように感じます。
そして最終的に各グループから2名の代表者を選び、4名の発表を参加者全員で拝聴しました。
仕事の関係でアンゴラ、アマゾンなどの辺境へ赴き、様々なアクシデントに遭遇するノンフィクション小説、
外国人(台湾人)が日本で暮らし、文化の違いなどを綴るエッセイ集、
一般の女性が働くことを通して感じた日常を綴った短歌集、
どこにでもいそうな(でもどこにもいない)素敵なスーツ姿のサラリーマンの日常を描いたイラスト集、
の4冊が選ばれました。
どれも読んでみたい一冊ですが、その中でも得に、短歌集は働く女性の切実な日常を描いており、
時にはキュンと切なくなったり、時にはグサリと剣で刺されたような痛みを感じてみたり、
心の機微が短い言葉に託されていて、共感の声も多かったです。
ちなみに、私は測量会社の一般事務として勤務していると言う流れから、
測量士と言えば、やはり“測量士K”ということで『城』を紹介しました。
言わずもがな『城』はカフカの長編小説です。
この物語は測量士Kが伯爵の依頼で城での仕事を請負い、単身でとある村へやってくることから始まります。
深い雪の中、宿屋についたKは、いつになってもに城にたどり着けず、村人達にたらいまわしにされます。
仕事がまったく進まずに、おかしな助手の双子や酒場の娘フリーダ、城の長官のクラムなどと絡みながら村で生活するという、お話です。
結局、何が言いたいのか全く理解できないお話で(そもそも未完の小説ですし)、
つかんだと思ったら手のひらから滑り落ちてしまうような性質の物語です。
そこはかとなく感じる不条理さ、そこはかとなく感じるシュールな展開は、
意味のわからない児童小説を読んでいるようで、カフカ小説の真骨頂だと感じます。
カフカにしか描けない世界観で読後感を包み込む本書は、
名著といえる作品だと思いますので、機会があれば是非読んでみてください。
貸切の店内はディスカッションするのにふさわしく居心地が良かったです。
今回、グループ発表の際に、他のグループの発表が聞こえて、
自分たちのプレゼンテーションに集中できない少し気になりました。
その点は、今後、改善したいと思っております。
ご参加いただきました皆様ありがとうございました。
また読書会でお会いしましょう。
■今月の皆さんへの質問です。
自己紹介の時に、すべての読書会の参加者の方へ聞こうと思っています。
【自分を人間以外の生き物に例えるならば】
イメージ通り!と思ったり、笑ったり、大変楽しかったです。
・へちま、ネコ、いのしし、サンマ、スズメ、ムーミン、カラス、ウサギ、ウシ、ばく、鳥、キリン、アルマジロ、シジュウカラ、かぴぱら、魚、モグラ
以上です。
知的好奇心を解き放つ出会いの場として
ぜひ横浜読書会KURIBOOKSへ遊びに来てください。
【投稿者】KURI