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REPORT

これまでの読書会

第22回(6/13)考える横浜読書会『赤と黒』下

■参加者10名(男性2名、女性8名)でした。

2020年6月13日、コロナ禍の中、考える読書会はオンラインによる開催となりました。

課題の本は『赤と黒』の下巻です。上巻は2月22日に開催しましたので、久しぶりにジュリアンの人生に触れることになります。KINOさんが作成してくださった人物相関図を参考にクライマックスまで駆け抜けました。

【ご紹介いただいた本】

KINOさんにまとめをお願いしました。クライマックスに向けて盛り上がりをみせる本書は10人いれば10通りの解釈となるでしょう。

羅針盤として下巻のふりかえりに繰り返し読みたい以下の内容となります。

下巻・まとめです。

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1.田舎の楽しみ
郵便馬車でパリへ。ブザンソンの住みにくさ、会話盗み聴き。ナポレオン批判。馬車を下りて観光。
ピラール神父との面会。ラ・モール侯爵家の家族構成。斬首の歴史。
ピラール神父「ジュリアンをかわいがっていると思うと気が咎めてならない」
「聖職者は大貴族のつてがないと出世できない」父と息子のよう。

2.社交界へ乗り出す
ラ・モール邸にびびる。ラ・モール侯爵との謁見。洋服を仕立てる。田舎者。
「ソレル君にダンスを習わせても?」図書室で写しの仕事。つづりを間違える。
「わたしが悪かった」理想の上司では… 晩餐で人物試験。得意分野ホラティウス。

3.第一歩
図書室でマチルドと。ヴォルテールの本。ノルベールと馬に乗り、落馬。自分の失敗をネタにしてマチルドの笑いを取る。乗馬の練習。

4.ラ・モール邸
サロンの顔ぶれを学ぶ。基本退屈。引き立ててもらえるチャンス。ピラール神父の解説。
晩餐の苦行と栄誉。マチルドのとりまき。

5.感受性と信心深い貴婦人
数か月後、仕事になれてきた。ジャンセニストと交流。ノルベールとの関係は冷える。
うまく馴染めないが、しごとは順調。

6.言葉づかい
ボーヴォワジ男爵と決闘しようとするが、違う人を尋ねる。馬車の馭者が本人。
サロンの常連とはちがう貴族。初のオペラ。

7.痛風の発作
貴族の息子役をして侯爵と仲良くなる。目を掛けてもらえる。おこづかいを断る。
「あの男を貴族にしてやろう」ロンドン出張。ロシア貴族の薫陶。
レーナル氏の後任ヴァルノ氏に会う。父親の出世を采配。

8.どの勲章が目だつか?
舞踏会へ。事務員のはずだがな。令嬢への反感。マチルドのもてっぷり。
「死刑の宣告くらいのものだわ、人間の見どころは。」

9.舞踏会
舞踏会で退屈なマチルド。アルタミラとジュリヤンの会話。「思想が欠けていますよ」
図書室でのマチルドとの会話。ダントンが金をごまかしたのはいいことだったか?

10.王妃マルグリット
マチルドの喪服のわけ。斬首されたご先祖はマルグリッドの愛人。マルグリットは愛人の首をもらい受けた。
ナポレオン崇拝の気持ちがマチルドにばれる。マチルドの美しさに気付く。あの娘はおれを好きだろうか?恋の始まり。

11.娘の勢力
マチルドの才気。不用意な振る舞いを愉しむ。ジュリヤンへの恋心を自覚する。

12.ダントンになるか?
英雄的な恋に夢中のマチルド。貴族じゃないからいい!
取り巻きが気づいてジュリヤンを批判する。
ジュリヤンは警戒「あれが恋のまなざしだろうか?」

13.陰謀
マチルドの表面的な豪華さに恋をするジュリヤン。嵌められそうになるのに気づく
マチルドがジュリヤンにラブレターを渡す。取り巻きへの勝利感に酔う。
恩人の娘を口説くのは罪か?ラブレターの写しを取って親友へ送っておく。

14.乙女心
気力ない人間が大嫌いなマチルド。かわいいな。アンリ三世の解説いる?
書くことの危険性を認識していながら、危険だからこそ書いたマチルド。
レーナル夫人と比べるジュリヤン。庭での逢引の誘い。

15.陰謀か?
かつがれてるのか分からず警戒するジュリヤン。本気だったら>
「この後悔は一生おれにつきまとうぞ。あの女が惜しいのじゃない。女なら、
いくらでもいる!・・・だが、名誉は一つしかない!」
でも保険はかけておく。

16.午前一時
約束の時間。「あの女は頭がどうかしてる」歓迎されるが、キスは拒絶される。
野心の満足感を覚える。「あたしの主人になってしまったのだわ」反省。冷やかな密会。

17.古剣
冷たくなるマチルド。「あたしは主人をもつことになってしまった!」
からかう語り手「このふたりの恋人の対話くらいおもしろいものはなかった」
マチルドから遠ざかるジュリヤン。しかし好きなので、つい追いすがる。
「みさかいなくとはなんです!」古い剣を抜こうとするジュリアンに惚れ直す。
ラングドックへ行こうとしたジュリヤンが秘密の任務を任される。

18.たえがたいひととき
殺されかけたことにうっとりするマチルド。昔好きだった貴族の話を聞かせる。
「マチルドは自分が愛されていることを確かめると、ジュリヤンを完全に軽蔑してしまった」

19.喜歌劇(オペラ・ブッファ)
どん底のジュリヤン。約束なしに梯子で部屋に押しかけ、歓迎してもらう。
「あなたはあたしの主人、あたしはあなたの奴隷よ」幸福と恋心に酔いしれながら。
しかしまた後悔しはじめる…

20.日本製の花瓶
再び離れる日々。気晴らしに馬。冷たいマチルド。
ラ・モール夫人の花瓶を割ってしまうジュリヤン。
「わたしの心を支配していた感情もこれとおなじことです。元通りにはなりません」

21.密書
侯爵に記憶力を頼みにされる。サロンへ連れていかれ、みんなの発言をノートしてもらいたい。
それを暗誦してもらいたい。偉い人に会って暗誦し、書き取らせる。
「人間はなにかへまをやると、きまって悪気からではないというものだ」
なぞの会合の会場に着く。

22.討議
会合が始まる。政治を小説に持ち込むことの語り手の言い訳。イギリスのピット。
フランスのために金を出す国はない。フランスの外科医は誰か?

23.聖職者、森林、自由
フランスにおいて武装された党派をもつこと。かねがない。
教会とパリは手をきらねばならない。密書を運ぶ。宿屋で間一髪。
カスタネード神父が追手。無事任務を果たす。

24.ストラスブール
指示をうけてストラスブールへ。コラゾフ伯爵と再会。ふさぎこんだ
顔ではなく、つまらなさそうな顔をするよう助言を受ける。
他の女に気があるように見せる恋の作戦も指南される。
恋文の写し!ギャグパート。

25.貞女のつとめ
アルタミラ伯爵の協力のもと、ファルヴァック夫人に近づく算段をつける。
マチルドはしばらく会わないうちにジュリヤンを忘れている。けど再会すると燃える。

26.道徳的な恋
ファルヴァック夫人にお近づきになる。いい感じ。マチルドはすねる。
ラ・モール夫人はジュリヤンをほめる。ジュリヤンは1通目の手紙を出す。
ファルヴァック夫人、好印象を持つ。

27.教会における最高の地位
ジュリヤン、手紙を出し続ける。15通目。初めて返事、というか晩餐会の招待を貰う。
王党的でイエズス会派の退屈なサロンだった。

28.マノン・レスコー
夫人はマノン・レスコーを褒める。ナポレオン好きを戒められる。
マチルドにはじわじわ効いている。ジュリヤンは参っているが、やるだけやってみるつもり。

29.倦怠
フェルヴァック夫人にとってジュリヤンが正式の神父ならいいのに…
返事が来た。けどろくに読んでない。マチルドにバレる。「あたしはあなたの妻です」
「あなたはあのかたと親しくなさったうえに、軽蔑までなさっていらっしゃるのね」
マチルド、ひさまずく。

30.喜歌劇座の桟敷
しかし返事はしないジュリヤン、作戦続行。しおらしいマチルド。
マチルドを拒否してファルヴァック夫人とオペラへ。無理にやって来たマチルドを見る。

31.相手を恐れさせよ
ジュリヤンがまん。相手を征服する決意。なにが保証になる?
「おれがどんなに愛しているかを悟られたら、この女はおれのものではなくなる」
手紙はまだ出し続けている。

32.虎
イギリスの旅行家が虎を可愛がっていたが、傍らにはピストルを忘れなかった。
マチルドが妊娠する。あたし、あなたの妻ですわ。
父親に手紙を書くといい出し、ジュリヤンがタイミングを指示する。
父親、手紙を受け取る。ジュリヤン、呼び出しを受ける。

33.弱気地獄
侯爵かんかん。ジュリヤンは感謝している。自殺をほのめかす。相談相手を検討。
タルチュフの役割。ピラール神父に告白。たいして驚かない神父。
侯爵とマチルドの会見。「あの人が死んだら、あたしも死にます」
ちょっと落ち着く侯爵。冷静になるジュリヤン。ひとり興奮気味のマチルド。
マチルドの頼みで家を離れるジュリヤン。ピラール神父はマチルドの味方。結婚を勧める。
侯爵もその気になる。マチルドの性格的に、ジュリヤンに預けた方がいい。

34.才人
侯爵、結婚に傾くが、気が乗らないので仕事が遅い。お金と土地をやる。
ジュリヤンは子供のことで頭がいっぱい。侯爵はジュリヤンに身分を用意してやる。軍隊。
父から娘へ「いうとおりにしなさい。わたしはまだおまえのジュリヤンの正体を知らない」

35.嵐
ジュリヤン・ド・ラ・ヴェルネーとなる。ジュリヤン、恩師シェラン神父に手紙を書く。
栄光は続かない。マチルドから手紙「なにもかもおしまいです」
父、激怒している、「金をめあてにおまえを誘惑するようなまねだけは許せない」
レーナル夫人の手紙が侯爵のもとに到着!告発の手紙!ジュリヤンもそれを読む。
「おっしゃるとおりだし、慎重な措置だ」辻馬車を下りて郵便馬車へ。一路ヴェリエールへ。
ヴェリエールの新しい教会へ入る。一心にお祈りをするレーナル夫人をの後ろ姿を見る。
若い神父が聖体を捧げる合図の鐘を鳴らした。撃つ。

36.悲しいいきさつ
逮捕される。夫人は助かる。夫人はいっそ死にたかった。告解師に強制されて手紙を書いた。
夫人から牢番に心づけを渡す。ジュリヤンは死刑になるつもり。マチルドに手紙を書く。
クロズノワさんと結婚してください。シェイクスピア引用。ジュリヤン、夫人の無事を知る。神に感謝。
ブザンソンに移送。牢獄の建築を鑑賞する余裕。「おれは殺そうとした。だから殺されるべきだ」

37.天守閣
移送先の牢獄が天主閣。シェラン司祭の来訪。老衰の醜さ。
フーケの来訪。金にあかせて脱獄を計画。その気持ちは崇高。ふりレール神父は打算から味方につく。
父親には会いたくない。

38.有力者
マチルドが会いに来る。脱獄の大いなる味方。フリレール神父VSマチルド。
無罪にしてやる方向に流れていく。ふぇるヴぇっく夫人の威光。

39.たくらみ
マチルドの画策。フェルヴェック夫人へ手紙など。観客を必要とする英雄的行為。
ジュリヤンは冷めている。観客不要。子供をレーナル夫人にあずけたい。
「15年経ってもレーナル夫人はおれの子供をかわいがってくれるだろうが、あなたは忘れてしまう」

40.平静
ジュリヤンは計画的殺人を主張。嫉妬から撃ったの?
陪審員が決まる。レーナル夫人も助命嘆願に走る。

41.公判
裁判の日。建物の趣味の良さを鑑賞する余裕。デルヴィル夫人も来ている。
「わたしは死ななければならないのです」「わたくしが自分と同じ階級のひとによって
裁かれていないだけに、この罪は、よけいきびしく罰せられることでしょう」
神父は自信ありだったが、結果は死刑。

42.タイトルなし!!
死刑囚の監房へ移送。自省の夜。マチルドが会いに来る。フリレールが裏切ったのよ!
ダントンの最期。控訴はしない。レーナル夫人の事ばかり考えている。

43.タイトルなし!!
レーナル夫人が来る!!控訴を勧めに来る。毎日くるなら署名します!
ソレルを改心させようとする有難い坊さん。

44.
死ぬことを悲しんで激しくなく。マチルドが会いに来る。フリレール神父も匙を投げる。
父親と面会。自然法などない。どこに真実がある?フーケ来訪。

45.
フーケにジャンセニストを探すよう依頼。レーナル夫人やってくる。うっとうしい坊さんを厄介払い。
マチルド嫉妬。クロワズノワ侯爵が決闘で死亡。ヴェリエールを見下ろす山の洞穴に埋めてほしいという。
処刑執行。マチルド、首を出して額にキスをする。膝に首を載せて墓場へ着きそう。
フーケとマチルドで埋葬。マチルドは金をかけて洞窟を飾る。
レーナル夫人は約束を守ったが、ジュリヤンの死の三日後に死ぬ。

【投稿者】KINO

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以上ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!皆さまの参加をお待ちしております!

 

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