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2020.4.11 ご挨拶 Yuning

みなさん、こんにちは。ノンフィクション読書会のYuningと申します。


先月から読書会を開けなくなってしまいとても残念なのですが、今回の強制スローダウンが私たちの社会や生き方にどんな変化をもたらすのか、興味深いところでもあります。今まで当たり前だった様々なことが「もう元には戻らない」と言われている今、私たちはまさに時代の分水嶺にいるのでしょうね。

さて、先日読んだ本についてご紹介します。
『シャープ「企業敗戦」の深層』 中田行彦(著)

著者は技術者としてシャープに33年間勤めた後で学者へと転向し、「技術経営」を研究テーマとしている変わった経歴の持ち主。本書では自身の体験を交えつつ、シャープが辿った転換期を経営学の視点から解説しています。この本を手に取った理由は、ずばり私が最初に入った会社がシャープであり、液晶事業部の一員としてこの動乱期を経験したからです。つまり、元「中の人」としてのノスタルジーでもありました。

様々な経営理論を引用したアカデミックな解説内容は予想通り面白かったのですが、読み終わって思わずため息をついてしまいました。著者は1971年の入社で、まだ健在だった創業者・早川徳次の元で全社一丸となって努力を重ね、ついには液晶テレビで成功して3兆円企業となるまでの黄金期を過ごしています。残念ながらすでにジェットコースターが落ち始めていた2008年入社の私たちとは、同じ会社にいても見てきたものがあまりに違うのでした。それは、飲み屋でオジサンから「バブルの頃は良かったよ」と聞かされる徒労感に似たものでした。


幸いなのは、シャープは敗戦を喫したけれど、消滅はしなかったことです。「人間、生きてるだけで丸儲け」とよく言いますが、会社だって同じこと。それだけである意味「勝ち」なのではないでしょうか。

それではまた次回。Yuningでした。

【投稿者】Yuning 

明日は、朝の横浜読書会のOKAさんへバトンタッチ!

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