芸能人の小説 KURI
「芸能人(有名人)であり小説家としても活躍している人は?」と聞かれて、真っ先に思い浮かぶのは誰ですか?
おそらく殆どの方はお笑いタレントの又吉直樹と答えるのではないでしょうか。芥川賞受賞作の『火花』は大ヒットとなりました。彼の書くエッセイも評価が高く、執筆活動全般に大活躍です。遅筆ではありますが、今後も頑張って沢山の作品を残して欲しいと思っています。
私は断然、町田康推しです。と言うか、彼はもはやロックミュージシャンと言うより作家なのかも知れません。ヘンテコな作品も多いけれど、言葉の選び方や物語の展開に唯一無二のセンスを感じます。
ミュージシャン繋がりで言うとさだまさし。彼の小説はしっとりとした作品が多く、曲にのせる歌詞の美しさが文章に表れています。作詞家としての才能の源泉を垣間見た気がしました。
昭和の大御所の代表作として挙げるならば、昨年亡くなった石原慎太郎でしょう。晩年の東京都知事と言う政治家の顔だけでなく『太陽の季節』で芥川賞を受賞するほどの実力のある作家なのです。後、芥川賞・三島由紀夫賞の選考委員も務めるパワフルな人生を歩んだ人です。
角度を変えて、自叙伝やエッセイが売れた人と言う視点からは、ビートたけし『たけしくんハイ』、黒柳徹子『窓際のトットちゃん』、島田洋七『佐賀のがばいばあちゃん』、田村裕『ホームレス中学生』、樹木希林『一切なりゆき』などでしょうか。芸能人のエッセイは、作中の人物がイメージしやすく、さらりと読めてしまう魅了があります。映画化・ドラマ化されることも多く、広く親しまれる傾向にあります。あえて言うならば、その時代の旬な作品を楽しむのがコツでしょうか。
一発屋で終わりそう?一発屋で終わった?そんな気配のする水嶋ヒロ、藤崎彩織(セカオワ)は根性で2作目を書き上げて欲しいな。才能が枯渇するには早すぎます。
劇団ひとり、押切もえも次の作品を待っています。時代に踊らされることなく自分のペースで書き続けることが作品への評価にも繋がる気がします。
そして何と言っても、加藤シゲアキと尾崎世界観。彼らが小説を書き続けるなんて思ってもみませんでした。感服仕り候の巻!その大いなる才能にリスペクトすると共に、今後、大きな賞を受賞することを願って、合掌!
とある作家が言っていました。
ただでさえ芸能活動で忙しいのに、たいしてお金にもならない小説を書き続けるなんて、よっぽど好きじゃないと続けられないよ、と。
本当にその通りだと思います。
そして、どうか彼らの作品を楽しみにしている私のような読者が、今、ここにいることを忘れないで欲しいと思います。応援しています!
【投稿者】KURI