2020.5.17 100年後 OKA
こんにちは。皆様いかがお過ごしでしょうか。朝の横浜読書会ファシリテーターのOKAです。
今週は”100年後”というテーマですので、未来の横浜を描いた作品をご紹介しようかと思います。
ヨコハマ買い出し紀行/芦奈野ひとし/講談社
少し前(連載は1994~2006)のマンガなのですが、ご存じの方も多いかもしれません。そういえば朝の読書会によく来ていただいているFさんも以前にこの本をご紹介されていたのを覚えています。
すこしSF的な近未来のお話です。三浦半島から横浜あたりが主な舞台となっています。
人々の服装や建物、乗り物などの形は現代とあまり変わっていないので、時代設定はだいたい数十年先から100年先ぐらいではないでしょうか。
温暖化が原因と思われる海面上昇によって臨海部の都市は海没しており、人口も減少し、高齢化も進み、文明がゆるやかに衰退しつつある時代のようですが、人々の暮らしぶりには悲しげな様子はあまりありません。
主人公は女性型のロボットで、三浦半島の海沿いにあるカフェを一人で守っているという設定です。主人公はロボットなのですが見た目は人間とほとんど変わらず、周囲の人々も自然に存在を受け入れています。
作中では大きな出来事はほとんど起こらず、主人公の周りで起こる様々な出来事や、周囲の人々との交流といったような日常を描いているマンガなのですが、のんびりした日々のディテール、たとえば虫の声や風の匂い、季節の移り変わり、時には台風がやってきたりといった普段の生活の中のちょっとした様子の描写がとても良いです。
ヨコハマ買い出し紀行という題名は、主人公がたまに三浦半島のカフェから横浜にコーヒー豆を買い出しに行ったりする描写があることから付けられたようです。
このマンガはこの作者の最初の作品だそうで、また、長期間にわたって連載されていたマンガなので、最初と最後では絵柄やストーリーが結構変わっていっています。
全部で10巻あるのですが、個人的には3巻あたりからだんだん絵柄も描写もいい感じになってくる感じですね。
舞台となっている三浦半島や横浜付近に詳しい方であれば、知っている場所の未来の様子が出てきたりしてより楽しめるかもしれません。
「紙の動物園」で有名なケン・リュウのSF短編「もののあはれ」は本作に影響を受けて書かれたものだそうです。
私はこちらは未読なのですが、ぜひ読んでみたいです!
ヨコハマ買い出し紀行には、残念ながら横浜読書会の描写は出てきません(笑)。100年後?に横浜読書会が存続しているかどうかはわかりませんが、続いているといいですね!
今週紹介した本です。
・ヨコハマ買い出し紀行(新装版) 1~10巻
芦奈野ひとし/講談社・アフタヌーンKC
それでは、いつか読書会でお会いしましょう!
【投稿者】OKA
明日は、横浜読書会のKURIへバトンタッチ!