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2020.5.3 凄い! OKA

こんにちは。

朝の横浜読書会ファシリテーターのOKAです。皆様いかがお過ごしでしょうか。

「凄い!」というテーマがぴったりくる人は歴史上の人物から身近な人まで沢山いますが、今回思い出したのはレオナルド・ダ・ヴィンチです。

よく知られているように、彼は画家であると同時にエンジニアとして機械類のスケッチも残しており、また科学者でもあり、建築家でもあり、解剖学者であり、土木建築家でもあり、とさまざまな顔を持っていました。

顔といえば、レオナルドの自画像として現在残っているのは長い髭を生やした60代の頃のものなので、レオナルドというとなんとなく老人のイメージがありますが、若い頃は相当な美男子だったようです。

レオナルドの若い時のもう一つの伝説、すなわち彼の美貌も忘れてはならない。(中略)ヴァザーリやその他の著者たちはすべて彼の美貌を口をきわめて強調しているので、きっとそれは根強いいい伝えにもとづいているに違いない。彼は美しく、強く、その動作は優雅で、その会話はすべての人の心を引きつけるほど魅力があったが…

また、レオナルドはリラ・ダ・ブラッチョという弦楽器を巧みに弾きこなし、ミラノ公から演奏を所望されたり記録もあるように、音楽家としての腕前も相当なものだったようです。

人類史上最高の画家の一人であり、他の様々な分野でも素晴らしい業績を残し、そのうえに美男子で音楽の才能まであったとは…

レオナルドが絵画の制作と並行して人体の構造や地質学、水の動きといった現象を熱心に研究したのは、絵画をより素晴らしいものにすることが目的だったのかもしれませんが、どちらかといえば、このような研究や観察によって外界をより深く理解するための手段として絵画というものを捉えているような感じがします。

レオナルドは世界を理解しようと様々な分野で探求を進めましたが、やがて当時知られていた科学知識の限界に突き当たってしまいます。たとえば生命誕生の謎であったり、かつての大地の隆起の痕跡の説明がつかないといったことや、水の複雑な流体学的な流れの理解といった複雑な問題を解くことができなかったりと、探求が自分の手に負えない問題であったことが判明していくにつれて、晩年には一種の幻滅を覚えるようになっていったようです。

現代では、様々な研究の積み重ねによる生命科学や地質学の発展や、コンピュータを用いた流体解析など、科学技術の進歩によって、彼がぶつかった壁の多くは突破されているように思います。

もしレオナルドが現在に生きていたら、どのような作品を作ったのでしょうか?

今週の本の紹介です。

・レオナルド・ダ・ヴィンチ
ケネス・クラーク/丸山修吉・大河内賢治訳/法政大学出版局

イギリスの美術史家のケネス・クラークがレオナルド・ダ・ヴィンチの芸術家としての部分について論じた本。原著の出版は1939年。

ケネス・クラーク自身もオックスフォード大学で美術史を学び、30歳にして英国ナショナルギャラリーの館長に就任、第二次世界大戦中の美術品の疎開作戦に携わったり、後にはBBCのTV番組「CIVILIZATION」のシナリオ作りからナレーターまで務めたりと、この人も凄いです!

それでは、いつか読書会でお会いしましょう!

【投稿者】OKA

明日は、横浜読書会のKURIへバトンタッチ!

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