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第39回考える読書会『源氏物語』第1回(桐壺~若紫)

■参加者14名(男性3名、女性11名)でした。

 

課題本は紫式部『源氏物語』。毎月10回にわけて読み進めていく企画になります。第1回目の今回は、桐壺~若紫の巻まで。訳者は決めずにお好きな自分に合うものを読んできていただくことにしました。2021年に同じ企画をネタバレなしで行いましたが、今回はネタバレありで進めていきます。

 

昨年の源氏物語読書会に参加された方が8名、今回初めて読む方も何人かいらっしゃり、様々な訳本でそれぞれの思い・抱負を持って集まってくださいました。

 

■誰の現代語訳で読んでいるかは以下の通りです。

 

・林望 4名

・谷崎潤一郎 3名

・与謝野晶子 1名

・瀬戸内寂聴 1名

・角田光代 1名

・田辺聖子 1名

・原文 3名

 

■まず初めに、印象に残ったシーンをあげていただきました。

 

・夕顔と光源氏が打ち解けて歌を詠むシーン。光源氏はあまりほかの女性と打ち解けていないのに、夕顔とは冗談を言い合ったりしている。

・光源氏の若い恋が印象に残った

・惟光が忠実にパシリをしているシーン

・光源氏が空蝉のところに忍んで空蝉が逃げる場面。匂いや衣擦れの音など暗がりの中の様子や、義理の娘と光源氏のやり取りを空蝉が聞き耳をたてているだろう状況が生々しい

・雨夜の品定め。いまにも通じるところあるが、階級も入ってくるので生きづらそう。

など

 

■次に、事前にお配りしておいた資料で各巻ごとに簡単な解説のあと、皆さんのご感想・ご意見を聞く形で読書会を進めていきました。

以下皆さんのご感想・ご意見の一部です。

 

・巻名のつけ方が綺麗

・空蝉が今のところいちばん好きだった

・空蝉はきれいではなく軒端荻の方が美しいのに、空蝉に知性を感じ惹かれる光源氏に好感が持てた

・桐壺の更衣の母の悲しみから更衣の人物像が浮かび上がってくる

・光源氏は女性をディスらない

・源氏物語には三角関係が多いという話から、男性は選べるが、女性は待つ方で悲壮感があるなと感じた

・昨年読んだときは、光源氏が好きになれなかったが、今回は情が湧いたのか、それとも読み込んだせいか、光源氏をかわいらしく感じられ、好意を持てた

・前回読んだときに比べて、光源氏がとても若々しく、彼の恋愛もとてもエロチックに感じられた

・前回は若紫の巻の光源氏をとても気持ち悪く感じたが、再読の今回は、彼は家族を求めているのではないかと思った。

・再読で初読のときでは見えてないところが見えてきたり、新しい発見があり楽しい

・以前読んだときは夕顔が好きになれなかったが、今回は夕顔の気持ちがわかる気がした

 

訳本に感じることも様々なようです。

「ハーレークイーン小説のよう」「以前の訳は町の中華料理屋さんの中華料理とすれば今回の訳は精進料理のよう」。訳本によってだいぶ印象が変わるという感想の方が何人もいらっしゃいました。

原文を読んでいる方によると「原文で読むと、余計なことを考えずに、自分の感じたまま素直に読める」とのことです。

 

「紫式部が仕えていた宮廷の当時の歴史的状況」「桐壺帝と桐壺の更衣の恋」「夕顔の死に対する光源氏の反応」について、活発に意見・感想が出て特に盛り上がりました。

 

■第1回の読書会、大変なごやかに打ち解けた雰囲気でスタートしました。会を終えてのおもな感想は以下の通りです。

 

・皆さんのいろいろな解釈をきけてとても楽しめた

・初読で、源氏物語はハードルが高かったが、読書会に参加してハードルがさがり読めそうな気がした

・母などを通じてみる娘の人間像にも心惹かれた

・今回読書会に参加して、父の志を託された娘たち、家族と娘といった視点でも読んでいきたいと思った

 

■1000年以上読み継がれている『源氏物語』。

初めての方は、読み終えなければ見えない『源氏物語』の世界とその魅力を、再読の方は以前には見えなかった『源氏物語』の新たな世界と魅力を、10回にわたり一緒に味わっていきたいと思います。

 

ご参加くださった皆様、どうもありがとうございました!!次回もどうぞよろしくお願いいたします。また、2回目以降からご参加くださる方、ぜひお待ちいたしております!

【投稿者】NAOKO

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