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これまでの読書会

第121回横浜読書会KURIBOOKS

■2023年11月18日(土)16:00-18:00 雨のち曇り
■参加者15名(初参加者2名)でした。

eyecatch

今月のテーマは「心」に関する本です。

”心”の正体をとらえることは難しく、善悪ではかれるものでもありません。

浅いのか、深いのか

狭いのか、広いのか

そんな境界線が見えない”心”に関する本をお持ちいただきました。

ミステリ小説、詩集、絵本、戯曲、ノンフィクションなど様々なジャンルの本が集まり読書会を彩りました。
ご紹介いただいた本の内容を簡単にご紹介します。

ご紹介いただいた本

■ 作家である父親は死ぬ間際まで『世界でいちばん透きとおった物語』という未完作品を書いていた。作品の謎を解くために、私生活にだらしのなかった父親の愛人を訪ね、死んだ父親のこころを読み取っていくミステリ小説。紙の本でないと成立しないトリックらしい。

人のこころが読める超能力者の物語。三人称で書かれているため、主人公の視点が神の声となる。人間は認知バイアスによって合理的でない行動をとりがちだ。自分のこころは、自分が一番理解できないと言えよう。

■精神科医による精神医学事典・奇想版。著者の連想の流れに沿って書かれた雑学本で、限りなく実用性に乏しい。「文芸作品を書く人のこころの癖」など、噴飯ものの内容が目白押しで、こころの栄養となる本。

■新興宗教に心を奪われてゆく家族とその周囲の人たちの物語。同じ環境に育っても「信じる」ことへの判断基準は違う。こころはいつどのタイミングで出来上がるのか。映画化された話題作であり、今回読書会に参加した方も数人読んでいた人気の作品。

■イスラム・ハマス組織の話。主にイスラム側から見た世界を描く。原理主義とは?と言った問いに他国の人間が正確に答えられるはずがなく、ましてや善悪の判断などつけようがない。本書には国境を超えることのできない「精神・こころ」が存在する。

■障害・病気を持つ女性との恋愛を描く。主人公が次第に彼女の病気に同化していく様子が純文学らしさを醸し出す。ハートウォーミングな話とは皆無な小説で癒しの無い物語ではあるが、こころが奪われてしまう不思議な魅力がある。

ことばとこころはつながっている。言霊とはよく言ったもので口に出した言葉は現実化するが、トラウマは言語化し意識することによって克服できることもある。人生は選択の連続で、その選択を決めるのは自分であり、人生は自分で変えられる。

■伝説的名著・自己啓発本。常にこころを高めて、維持するためには、何事も俯瞰的に物事を判断することが大切だ。生きる指針が詰まっており何度も読み返そうと思うが、実際、本書の内容を行動に移すにはハードルが高いかも知れない。英知の詰まった一冊。

■自炊料理家と精神科医の共著。自分のために料理が出来ない人へ自分のために作る料理読本。自尊感情と料理は繋がっているのではないだろうかとの考察も興味深い。料理ができない自分を責めないで欲しい。料理下手な自分を愛でて、心の中の小さな自分にご褒美を与えよう。

こころと言えばいわずもがな、ユング派の河合隼雄先生!自分がコントロールできる意識の世界は、実は自分がコントロールできない無意識の世界に深く関係しているのではなかろうか。悩み事は河合隼雄先生に頼ろう。

■死の淵に追いやられたことのある著者が人生の生きかたについて書いた本。死を宣告された人は、否定→怒り→取引→鬱→受入という感情の動きを辿るようだ。様々な感情のレッスンを経て、人生の生に関する究極のこころの真実を学ぼう。

■舞台は東京。こころのコミュニケーションツールとして「すぐに連絡の取れる関係」は、果たしてこころを通じ合える最適な方法なのだろうか。喫茶店で出会った男女の愛の物語。今、映画上映されているホットな小説。

「男らしさ」であることとは?どの段階で「男らしく」なるのか?弁護士ママが、男性嫌悪に対する、加害者と被害者双方の考えをまとめた本。ジェンダー平等時代を生きる人に向けた指南書である。マスコミに負けずに自分らしく生きよう。

地獄の全てを網羅した戯曲。家族崩壊のこころのさまを描く。家族という小さな世界の普遍的な物語。ガラス細工の動物の置物がどのタイミングでどのように壊れるのかがポイント。一気読みがおススメのようだ。

■1945年に起きた水銀による工場排水の被害。その水俣病患者と家族に寄り添うノンフィクション。国や会社の利害関係が複雑に絡み合い被害が拡大していくなか、人間の尊厳を訴えてやまない本書は人の業や悲しみを纏った名著と言えよう。

■40年という長いスパンを小説の舞台として姉妹を描いた小説。毒親から逃げるように姉妹は水車小屋で蕎麦を挽きおいしいそばを打つ暮らしを始める。鳥のネネが愛嬌があって魅力的だ。ノスタルジックで優しさが溢れる読後感の良い作品。

以上、どの本も参加者の方の「こころ」のエッセンスが詰まった一冊でした。
「健全なる精神は健全なる身体に宿る」もので、読書でこころとからだの栄養をたくさんもらって過ごすのが一番じゃないかな、と思いました。
読書最高です!

日が落ちる時間帯の静かなカフェで、素敵な時間が過ごせました。
大変楽しかったです。
ご参加いただきました皆様ありがとうございました。
また読書会でお会いしましょう。

■今月の皆さんへの質問です。
自己紹介の時に、すべての読書会の参加者の方へ聞こうと思っています。

【住んでみたい場所】

・今、住んでいる場所が最高!、ジョジョの奇妙な冒険の街、高級ホテル住まい、北海道、沖縄、都心の便利な場所、YouTubeの不動産王が紹介している都心の狭い場所、福岡、茅ヶ崎、ハンブルク、上海、港町、ストックホルム、長崎(中華街)、徳島、横浜、台湾、ベトナム、尾道、東京、富山、別荘地

以上です。

知的好奇心を解き放つ出会いの場として
ぜひ横浜読書会KURIBOOKSへ遊びに来てください。

【投稿者】KURI

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