REPORT
これまでの読書会
第41回(3/11)藤田先生カムバック!
■参加者11名(男性6名、女性5名)でした。
今回は特別企画!藤田大雪先生をお招きしてプラトン著『ゴルギアス』読書会を開催しました。藤田先生は『ソクラテスに聞いてみた』の著者です。今を生きる哲学の賢人を目の前にして積極的に発言する横浜読書会の参加者たち。その発言力の高さに先生からお褒めの言葉をいただきました。これぞKURIBOOKSイズム!本当に素晴らしいです。思う存分哲学の深みへ迫りたいと思います。
哲学は人生に必要なものでしょうか?
社会の役に立ちますか?
哲学を学ぶ意味はあるのでしょうか?
他者は自分とは異なる固有の存在です。喜びや痛みの感じ方も違えば、欲求や表現方法も人それぞれ。そんなとてつもなく孤独な人間同士が互いに共鳴したり心満たされる時間を共有するために、哲学はあるのだと思います。「真・善・美」の価値概念をふまえて、人生の本質「人生いかに生くべきか」を考えてみようと思います。
課題の本『ゴルギアス』。本書は大家ゴルギアス、その若い弟子ポロス、現実政治家のカリクレスと対峙するソクラテスの対話篇からなります。前半は弁論術についての話が中心です。弁論家のような強い者が正しいとされた時代に、ソクラテスは問答法(エレンコス)により考えの矛盾点を指摘していきます。
正直言って、ソクラテスの問答法にイラッとするのが本音。会の中でも「これは敵をつくるだろう、処刑されても仕方がない。」と言う意見も多く出ました。しかし、真実と思われる生きたかたではなく、真実そのものの生き方をすべきと理論立てて説いてゆくソクラテスの反駁に圧巻!ぶれない崇高な精神に参加者全員惹きつけられたのは言うまでもありません。
そして今回の本題となる後半は「いかに生きるべきか」と言う内容に入ります。不正を犯す人は惨めで不幸。不幸を加えるか加えられるか、どちらかを選択するとしたら加えられる後者を選びたいと語るソクラテス。多くの富や名声を得ることよりも民衆によって不当に処刑されることを選択したソクラテスに、ちょっと過剰な気がするのも事実です。しかしそれでもなお、すぐれた人間として生きることを貫いた彼の信念!2500年前の誇り高き哲学者の魂に触れた熱い熱い哲学読書会でした。
みなさん!魂の調和です。無知を認め、積極的に知への探究を行いましょう。
【ご紹介いただいた本】