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第13回(2/21)男性が惚れる男性・女性が惚れる女性

 

■参加者数12名(男性8名、女性4名)でした。

初参加の方は8名でした。

 

第13回読書会は 「男性が惚れる男性、女性が惚れる女性」について発表してもらいました。

今回の参加者さんたちは身近な上司・偉人・作家と言った具体的な名前を挙げた方や、イメージとして語られた方などさまざまでした。

私は本の趣味・志向もこのテーマに類似しているところがあると思っています。筆者が作品に「憧れの人」の影を落とし込んでいる気がするからです。

たとえば伊坂幸太郎の小説が醸し出す雰囲気は、どこか父親に対する尊敬と憧れのような世界が見えます。

共感できる書籍は今の自分を映し出す鏡なのかも知れません。

 

 参加者のみなさま、貴重なご意見をありがとうございました!

今回は課題本なしの読書会スタートです!

  

【紹介本】

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『東京の昔』 吉田健一

東京の昔 (ちくま学芸文庫)

東京の昔を筆者と共に堪能する書。ぎっしりと埋められた文字に独特なリズムが刻まれた文章は、昭和の始めを振り返るのに十分な味わいと深みを与える。「文士」と言う名にふさわしい筆者は海外文学に深い教養をもつ。父は吉田茂だが、生前に父との思い出を語ることは多くはなかった。

 

『ハチはなぜ大量死したのか』 ローワンジェイコブセン、福岡伸一

ハチはなぜ大量死したのか

2007年、北半球から1/4のハチが大量死した。その原因を解き明かすべくさまざまな謎を丹念に追っていく。結論から言うとこの事件は人間が作り出した複合的環境変化が要因だったのだが、そのひとつひとつを詳細に書き記している点が読みごたえ十分で、一級ノンフィクションと言われる所以である。

 

『花のさかりは地下道で』 色川武大

花のさかりは地下道で  

戦後の日本を生きた主人公が娼婦と出会い、そして再会を果たす『花のさかりは地下道で』をはじめとする短編集。言葉が奏でる空気感が戦後の街並みの情景と調和して、読んだ人の心に届くところは筆者の筆力とセンスがうかがえる。色川作品は麻雀などギャンブルを題材にした作品が多い。

 

『煮え煮えアジアパー伝』鴨志田穣、西原理恵子

煮え煮えアジアパー伝

夫・鴨志田さんのほっこりコラムと妻・西原さんの味のあるマンガがコラボレーションした東南アジアの酔いどれ放浪記。絶対マネをしてはいけない深酒が珍事件を誘う。本書はアルコール中毒に似た「読みたくてたまらない」衝動に駆られるので要注意だ。 

 

『世にも美しい数学入門』 藤原正彦、小川洋子

世にも美しい数学入門 (ちくまプリマー新書)

『博士の愛した数式』の作家とエッセイストとしても知られる数学者の熱く鋭い対談集。数学の定理は美しさを孕んでおり、それに魅了された者の考える先には何が見え何を感じるのかを本書を読んでじっくりと味わって欲しい。

 

『永山則夫 封印された鑑定記録』 堀川惠子

永山則夫 封印された鑑定記録

連続射殺事件を起こした死刑囚「永山則夫」の人生を精神鑑定記録用の録音テープから丹念に掘り起こした衝撃の話題作品。当時の報道からは知りえなかった永山を取り巻く劣悪な環境。そこで追い詰められた精神の極限状態がリアルに浮き彫りとなる。

 

『お客さまがまた来たくなる ブーメランの法則』 ファーガル・クイン

お客さまがまた来たくなる  ブーメランの法則

人間の行動や想いは必ずブーメランのように自分に返ってくるという「ブーメランの法則」をやさしく説く。「顧客志向型」の基礎となる本書は社内研修目的として作られただけあって実践型であり、余計な解説はそぎ落とされておりシンプルにしくみが理解できる。

 

『仕事は演出力』 マックス桐島

仕事は演出力 あなたの「魅力」を引き出す38のヒント

仕事ができる人は自分を演出できると語る筆者。ハリウッドで映画のプロデュース・演出を手掛けた経験を基に読者の魅力を最大限に引き出すヒントが満載の一冊。そう語る筆者が誰よりも人間として魅力的な人物であるため説得力がある。

 

『まんがでわかる7つの習慣』 フランクリン・コヴィー・ジャパン

まんがでわかる 7つの習慣

難解本でありながら世界的ベストセラーになった『七つの習慣』。原書を断念したひとでも理解しやすく学べるように軽いタッチの漫画に見事に落とし込んだ要約本。バーテンダーを目指す歩を主人公に物語は進む。読後のあとは行動に移すだけ。

 

『借金取りの王子』 垣根涼介

借金取りの王子

『君たちに明日はない』の続編。主人公・村上真介がリストラ対象となる者たちと人生を絡ませるストーリーに心染入る感動作品。消費者金融や生命保険会社等の裏事情をリアルに語る内容は、より現実味を帯び重厚感のある作品に仕上がっている。

 

『南太平洋の環礁にて』 畑中幸子

文化人類学者である筆者が、南太平洋に位置する小さな環礁に半世紀前に単身で1年半ほど住みこんだルポタージュ。島民の生計のあり方から社会構成・食文化まで体験し、その民族の歴史をたどる。レポートのように淡々と描き綴る文章が印象的だが、時折叙情的な文章が顔をのぞかせる。

 

『聖書を語る』 佐藤優、中村うさぎ

聖書を語る (文春文庫)

共にキリスト教徒で同志社大学出身である2人が「聖書」をベースに今の日本と社会を深く語る対談集。気持ちの輪郭がはっきりしている方達だけに、シャープな意見が飛び交う。人間としての存在基盤から震災の話まで、優秀な頭脳が冴えわたる内容に満足の一冊。

 

『スティル・ライフ』 池澤夏樹

スティル・ライフ (中公文庫)

公金横領犯・佐々井が株の売買を始め着実に利益を上げてゆくというストーリー。日本文学史上初の物理学専攻の大物作家の文章はあまたの人々を魅了する。現実生活を描き切る生々しさと詩的な感覚を従来する作者のまなざしが、読む人の心に深く刺さる。

 

『猫ピッチャー1』 そにしけんじ

猫ピッチャー1

読売新聞日曜版で連載されている23コマ漫画。セロリーグ・ニャイアンツ所属のミー太郎が活躍するほのぼのストーリー。子供からお年寄りまでファン層が厚い。猫が投げる球速147キロと言う送球に完璧なまでのナンセンスを感じるところがそこはかとなく癒される。

 

『下町ロケット』 池井戸潤

下町ロケット

宇宙ロケット技術者・佃航平が父の経営していた佃製作所を継ぐことから物語は始まる。ロケットエンジン・エンジニアの捨てきれぬ夢と希望、それを支え実現することとなる小さな町工場の最先端技術。後半部から「倍返し」で迫りくる感動は、おなじみ池井戸作品の特徴。

 

『読書は「アウトプット」が99%』 藤井孝一

読書は「アウトプット」が99%: その1冊にもっと「付加価値」をつける読み方 (知的生きかた文庫)

経営コンサルタントである賢者の読書術。読んだ本を最大限に生かすための必読書と言える。読後の知識は繰り返し話すことによって記憶に定着する。よって、読書会等のアウトプットが大切と説く。実践して自らの付加価値を高めよう。

参加者のみなさま、ありがとうございました。

加筆、訂正等受け付けております。気軽にご連絡を頂けると嬉しいです。

 

 

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