第13回(6/28)考える横浜読書会『リア王』

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■参加者12名( 男性3名、女性9名、うち見学者1名)での読書会でした。

シェイクスピア四大悲劇の一作『リア王』が今回の課題本でした。 娘に裏切られ嵐の中をさまようリア王の描写が有名なシェイクスピ の代表作として世界中で読まれている古典作品です。

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■著者経歴

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1564年にイングランド中西部のストラトフォード・アポン・エイヴォン(現ウォリックシャー州)に生まれる。 父親は皮手袋商人で、裕福な家庭で育つ。18歳で8歳年上のアン・ハサウェイと結婚。このとき新婦は妊娠3か月だった。
23歳ごろロンドンに上京、早い段階から運を掴み、順調に売れっ子と なり、劇作家としても劇団の所有者としても成功していた。 晩年は故郷に戻り、1616年に52歳で死去。

■『リア王』について

シェイクスピア四大悲劇(『ハムレット』『オセロー』『マクベス 『リア王』)のひとつ。1604年~1606年頃の作と言われています。

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▽あらすじ
ブリテンの老王リアが退位し3人の娘に領土を分配するにあたって 親を想う気持ちが最も多いものに最大の贈り物を与えると告げる。 長女と次女は甘言を用いてリア王を喜ばせるが、末娘は誠実さ ゆえに率直で飾り気のない言葉を述べてリア王を激怒させ、勘当される。 実際に長女と次女に領土や財産を譲ると、二人の娘はリアを冷たく
あしらうようになり、城を追われたリアは嵐の中をさまよい狂気に おかされていく。

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▽成立
シェイクスピアの戯曲にはいずれも元ネタとなる先行作品が存在します。 『リア王』の元ネタとなる種本は『リア王と三人の娘たちの年代史劇』という作者不詳の古い劇と言われています。しかし種本を改変して『シェイクスピアのリア王』に仕立て直している ので、逆に種本と比較することでシェイクスピア独自の『リア王』浮き彫りになります。シェイクスピアのオリジナル部分として大きな点は以下です。

・グロスター親子の存在
・道化の存在
・コーディリア、リア王の死(悲劇的結末)
・嵐にさまようリア王の狂気

種本ではコーディリアがフランス軍とともに姉二人を打ち負かし、リアは王位に返り咲き、父娘ともに幸せに暮らすというハッピーエンド でした。しかしシェイクスピアはコーディリア、リアともに死ぬという悲劇的な結末として仕上げています。

悲劇として書かれたからこそ『リア王』は名作となったとも言える思いますが、あまりにも不条理な結末を迎えるシェイクルピアの『リア王』は当時の民衆にも受け入れがたかったようで、1681年に テイトによってハッピーエンドに改作された『リア王』が書かれ、 長らく『テイト版リア王』のほうが舞台で演じられていました。 悲劇としての『リア王』は1838年までずっと封印されたままだった という過去があります。

▽邦訳リスト

・坪内逍遥 中央公論社(1934年)
・齋藤勇 岩波文庫(1948年)
・福田恒存 新潮文庫(1962年)
・三神勲 角川文庫(1973年)
木下順二 講談社(1974年)
・小田島雄志 白水Uブックス(1983年)
・松岡和子 ちくま文庫(1997年)
・野島秀勝 岩波文庫(2000年)
・安西徹雄 光文社古典新訳文庫(2006年)

・大場建治 研究社(2005年)

※確認できたのは上記です。ほかにもあるかも知れません。

■参加者の感想

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 久しぶりに読むという人、シェイクスピアは好きだがリア王は初めてという人、シェイクスピア自体初めて読む人など、いろんな人が集まった読書会でした。

シェイクスピアが好きという方、ストーリーとしての面白さや意外性を堪能する方がいる一方、戯曲という形式に読みづらさを感じた方もいました。

・シェイクスピアは喜劇のほうが好きなので『リア王』は初めて読んだ。
・『リア王』は初めてだったが、面白くて一気に読んだ。
・話の流れとしてフランス王が勝つと思っていたので、まさかこんなにあっけなく負けるとは思わずびっくりした。
・悪人のたくらみがうまくいきつつ、最後はみんな死ぬのを読んで、そういえば悲劇だったと思い出した。
・内容に救いがなく、読んでいるのがつらかった。
・戯曲はとっつきにくい印象があった。
・戯曲はすべて台詞なのに、それぞれ独白部分と会話部分が混在しているのが読みにくいと感じた。
・情景の描写がないために台詞のひとつひとつの意味を自分で考えて補足していく必要があり、難しかった。

読みにくいと感じたのは、戯曲という慣れない形式だけではなく、文化的背景の違いも影響していたようです。

・道化の存在になじみがなく、どういう立場なのかよくわからなかった。
・当時のヨーロッパでは、裕福な屋敷に勝手にやってきて 住み着く人たちがいた。かれらは道化として屋敷に滞在し、主人に好き勝手なことを言って構わない立場だった。ペットのような存在だったのかもしれない。
・道化は日本の幇間とは違って、お世辞をいって主人をいい気分にさせるのではなく、かなり際どいからかいの言葉も口にする。

特に道化は『リア王』でのキーマンであったこともあり、いろいろな感想が出ました。

・道化の歌が意味が分からなかった。
・道化の歌については、原語ではおそらく韻を踏んでいるはず。
・言葉遊びのような部分もあると思われるので、原語で読まないと理解できないところがありそう。
・『リア王』の道化は狂言回しの役割。『ロミオとジュリエット』での乳母の役割に相当する。
・シェイクスピアは貴族ではないので、王家に対するコンプレックや憧れがあったのだろうと思う。道化はシェイクスピアの分身ではないか。

道化以外の登場人物についても多くの感想で盛り上がりました。

・リアが姉の悪口で10行程度使っているのがすごい。イギリス的ブラックユーモアを感じる。
・シェイクスピアの女性嫌悪を感じた。
・姉二人は悪人のように描かれているが、新しい時代の人なのであって、彼女たちから見ればリアこそわがままばかりの前時代的な存在なのだと思う。
・エドマンドは野心のある新しい時代の人という感じで、方法はよくなかったが悪印象はない。
・エドマンドの最期のやりきった感が良い。
・グロスター父子の親子愛にぐっとくる。
・話のところどころに出ていた目に関する記述は、グロスターが盲目になる伏線ではないか。
・コーディリアはいい子ではあるのだが、重みがないように感じた
・ケントの生き方に違和感があった。なぜそこまでリアについていのか?戦国時代のような忠臣ぶり。
・ケントは最終的に生き残ったように見えるが、旅に出るというのリア王に殉じて死ににいくということだろうか?
・服を脱ぎ捨てていくリアが印象的。これまで何でも持っていた王 どんどん捨てていく。
・お手製の冠を作って被るリアに笑ってしまう。
・嵐の中で狂気におかされていくリアの迫力がすごい。
・すべてを持っている王の満たされなさを感じた。
・権力のある人が役を降りた後の姿を目の当たりにした気持ちになった。
・年を重ねるとお世辞しか受け付けなくなるものだなと感じた。

さまざまな感想が飛び交いましたが、皆さんシェイクスピアの悲劇『リア王』を存分に味わっていただいたようでした。

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

※KINOさん、感想をありがとうございます!

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