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第94回横浜読書会「フレッシュな本」

■参加者3名(男性1名、女性2名)初参加者0名でした。

少人数での開催は久しぶりです。時間を気にせずにじっくりとお話することができました。

横浜読書会という場は、考え抜く癖があり比較的重いテーマが似合っています。たまには明るく軽やかに新鮮味のある本を紹介する機会があってもよいかなと衝動的に思いつき、「フレッシュな本」というテーマに決めました。

★先ずはアイスブレイクとして、簡単な自己紹介と「文学の世界から考察する性善説と性悪説」について語りました。グラデーションがあるにせよ文学の背景には、必ずと言ってよいほど「善」と「悪」が描かれている気がします。文学と相性が良いのは断然「悪」の方だと私は考えます。そしてその文学が読み継がれている理由の根底には、”誰しも人の不幸が嫌いではない”と言えそうです。他人の不幸と比較することで自身の救いを求めているのかも知れません。であるならば、人間の本性は「悪」なのでしょうか。

対して、悪人が見せるちょっとした善人の姿は物語を書く上で鉄板の人物造形であり、良い話が前提の”感動した、泣いた”などの帯のキャッチコピーには万人に対する引力があります。そう考えると人は本来「善」を好むとも言えそうです。

これはあくまで私の一個人の意見です、知見を広めたくて、皆さんの考えをお聞きしました。

最近のニュースから思う人間のあさましさや下劣さといった話まで発展して、あっという間に1時間が過ぎてしましましたが、結果的に「年齢を重ねると理不尽だと感じる不幸な話は読みたくなくなる」との意見が全員の腹に落ち、休憩となりました。機会があればぜひ「文学の世界から考察する性善説と性悪説」と続きを話したいと思います。

★続いてご紹介いただいた本です。
・『美しく、強く、成長する国へ。』高市早苗(著)WAC BUNKO
初の女性総理大臣誕生か⁈とフレッシュに思えた高市早苗の本。国家主義的な意識が強いと感じる著者。数字に基づいて検証して語っている箇所が少ないため残念に感じた。
・『猫を棄てる』村上春樹(著)文藝春秋
台湾人という異国の若いイラストレーターを起用したことと、村上春樹が家族を語るエッセイは珍しくフレッシュに思えた。父親とのエピソードを物語として残した一冊。
・『枕草子のたくらみ』山本淳子(著)朝日新聞出版

泣かない自分が久しぶりに涙した一冊ということでフレッシュな本。『枕草子』は作者・清少納言がお仕えする中宮定子のためだけに書かれた書だった。古典の楽しみがふんだんに盛り込まれた本。

ご参加いただいた皆さまありがとうございました。楽しかったです。

皆さまの参加をお待ちしております。

【投稿者】KURI

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