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第46回考える読書会 『アンナ・カレーニナ』(2)

■参加者16名(男性5名、女性11名)でした。

今回から参加の方が2名いらっしゃいました。

トルストイの長編作品『アンナ・カレーニナ』を、4回に分けて読む企画の第2回。今回の範囲は、第1部~第8部のうち第3~4部です。出版社は決めず、お好きな翻訳本を読んできていただいています。

 

 

■解説では、「ロシア帝国時代の結婚・離婚」や「貴族の農地経営」について簡単に説明しました。

 

 

■参加者の皆さんに、「アンナを中心とする物語」と「リョーヴィンを中心とする物語」どちらがお好みかをお聞きしました。

 

リョーヴィンの中心の物語が好きという方が圧倒的に多く、その理由は以下の通りです。

 

・感情移入しやすい

・農業経営や結婚の話が面白くホッとする

・草刈りのシーンが印象的で、リョーヴィンが草刈りハイになっているところがいい

・リョーヴィンの農業経営を見て、部下のマネージメントが苦しいのは今も昔も一緒だと思った

・使用人と使う側の関係性を考えさせられる

・どのような社会が望ましいのか考えさせられる

など

 

想像以上に、リョーヴィンの農業経営の話を面白く感じる方が多かったのが印象的でした。また、多くの方が草刈りのシーンがいいという感想を挙げられていました。

アンナとヴロンスキーが好きになれないという方も何人かいて、「アンナとヴロンスキーの話の章はなくてもよかったのではないか」という声も。一方で「アンナの話があるからリョーヴィンたちの話が面白い」というご意見もありました。実際、アンナの破滅的な恋情に対して、リョーヴィンのあまりにも純情な恋心にほっとしたりします。『アンナ・カレーニナ』は、リョーヴィンとアンナの対比で読むからこそ、面白いのかもしれません。

アンナ中心の話が好きという方が2名で、「アンナの話の方が波乱万丈で興味深い」「誰でもアンナのような側面があるのではないか」といった感想がでました。

 

 

■感想など

 

・アンナとヴロンスキーが好きになれない

・アンナがヴロンスキーを手玉にとるただの俗な女になり下がった気がする

・オブロンスキーが調子よくコミュ力高くていい

・カレーニンの株が今回上った

・カレーニンが人間としてできているように思った

・リョーヴィンとキティの字を書いて暗号解読のような愛の告白の場面がいい

・アンナの出産、ヴロンスキーの自殺未遂、国外へ旅立つという第4部後半が予想外の急展開で、破滅に向かう予感のアンナとヴロンスキーの今後が楽しみ

・アンナとヴロンスキーが恋に落ちたから、リョーヴィンとキティがくっつくことになり、人生の不思議さ、恐ろしさを感じた

・ドリー、オブロンスキー、リョーヴィン以外の登場人物は人物造形が荒いのではないか

・トルストイはアンナを破滅させたいのではないか

・宗教的な赦し、ロシア人の気質など興味深かった

・古典的な名作は、時代や空間を飛び越えて、いろんなことがわかって面白い

・読み進めた第2回目で、世界的名作というのが納得できるようになった

・地主貴族の在り方を考えさせられた

・ちょっとした描写がとても味わい深い

など

 

 

今回の読書会では「純愛」「愛」について考えさせられました。

「リョーヴィンを通して男の純愛、アンナを通して女の純愛が書かれているが、男女で純愛の差が出てしまっている」「ただれた貴族の習慣に反抗して自分の恋を貫こうとしているアンナは、リョーヴィンと同じ純愛といえるのでは」「アンナとヴロンスキーに愛はあるのか」などについて話が盛り上がりました。

カレーニンを評価する方が前回より増えましたが、カレーニンの行動がアンナへの愛なのかにも疑問が上がりました。

 

結婚前にキティに自分の過去のすべてを記した日記を見せるリョーヴィンの行動の是非やそれが誠実・純粋の表れなのかは、参加者の方の経験などの話と絡めて、盛り上がりました。

 

 

■ご参加くださった皆様、本当にどうもありがとうございました!!

 

【投稿者】NAOKO

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