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第8回(5/18)ミステリ横浜読書会『赤い館の秘密』

■参加者14名(男性6名、女性8名)初参加は2名でした。

第8回のテーマは「ジャンル外作家」とし、A・A・ミルン著『赤い館の秘密』を課題本として読み解きました。ミステリ好きからクマのプー好きと色々な入口からこの本を読んでみたいという方が参加されてました。

【紹介いただいた本】

自己紹介では、A・A・ミルンにちなんで「プーさんとの思い出」をお伺いしました。小さい頃プーさんグッズを持っていたというお話や先日開催されたクマのプー展での大行列を体験した話などお聞きすることが出来ました。一方でこれまでプーさんと関わったことがないという方も男性を中心いらっしゃいました。プーさんとの距離感がどうであれ共通していたことがクマのプーの著者がミステリを書いていたなんて!という驚きでした。

まずは私からお手製の資料を使って、A・A・ミルン及び課題本『赤い館の秘密』について補足を行いました。特にミルンが描きたかった探偵とワトスンの関係性についてお話させていただきました。その優しい関係性はやはりその後に書いた『クマのプー』の著者なのだなと強く感じさせてくれます。

続いて、各参加者にコメントをいただきました。抑揚の小さいシンプルな作品でしたので、ミステリとしての強度に疑問を抱きつつも、殺人事件がありながらも温かく、ユーモアあふれる物語を皆さん気に入ってくれたようです。下記に皆さんからいただいたコメントを記します。

・ミステリのトリックとしては他にやりようがあったかもしれない。けれどもミルンは被害者をトリックのために貶めるようなことはしたくなかったのだと思う。

・新約版だと館の間取り図が無かったので欲しかった。読みながら手書きの間取り図を作ってしまった。

・ミステリは苦手だと思っていたが、感じの良い登場人物たちが軽妙な姿を見せてくれて不快にならなかった。

・翻訳作品なのに非常に登場人物が少なく、翻訳ミステリを敬遠していた人にもおすすめ出来る作品だった。

・最後まで読んでも穏やかで、ほっとできる作品でした。ミステリってこんなだっけ?

・当時のオーストラリアの立ち位置というのが、良く分かった。

・あまりにも警察が機能しておらず、古い時代とはいえ、警察はもっと活躍できたと思う。

・赤毛のアンを思い浮かべました。特に章のタイトルがそれらしい印象でした。

今回は約100年前の作品ということで、ミステリの形式が定まっていない時代にも関わらず、十分にミルンのミステリに対するメッセージ性が込められた良い作品だったと思います。さて、次回はSFミステリに挑戦しようと考えています。お楽しみに。

【投稿者】YONE

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