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これまでの読書会

第6回(9/13)ノンフィクション横浜読書会

あれだけ暑かった8月が終わり、急に涼しくなったと思ったら、また暑さが戻ってきたり、台風で甚大な被害が出たりと波乱の9月となりました。こんばんわ、FUJI です。「第6回 ノンフィクションの夜」へようこそ。

今回は男性7名、女性4名の11名が参加されました。

さて、それでは早速、今夜持ち寄られた作品をご紹介しましょう。

【ご紹介いただいた本】

■明るく、人を惹きつける語り口の一人の男性が、他人の一家全員を支配し、監禁虐待、そして死にまで追いやった事件の闇を追った作品。ほとんどノンフィクションを読まないので、この会のためにAmazonですぐに出てきたこの本を読まれたという方がご紹介くださいました。夜も眠れなくなるようなショックを受けたそうです。

■40歳の節目で会社をやめ、お金を稼がない、お金を使わない、それまでとは正反対のクラスに身をおいた女性が自身のライフスタイルについて語った本。会社勤めから、お金と関係のない生活へ。自由の良さ、そして、辞めてこそわかる会社の良さについても考えることができそうです

■選挙のたびに当選からは遠い「泡沫候補」と呼ばれる人たちの中には、落ちても落ちても繰り返し立候補する人々がいます。その事によって有名なった候補者もいらっしゃいますが、そういう泡沫候補を長年取材した作品。たとえ借金をしてでも繰り返し立候補する彼、彼女らの素顔とその選挙に出たいという思いが意外と真っ直ぐであることがわかるそうです。

■共同生活をおくる新興宗教団体への取材や、宮崎県の島に棲む、日本で唯一、海水で芋を洗って食べるニホンザルの一群の話等、のちの民族学の発展の契機となった作品。

■仕事上、たまにプレゼンをすることがあって、なかなかうまくいかない。プレゼンがもう少しうまくなりたいと思って読んだら、プレゼンは下手でいい、プレゼンが上手というオーラを出さない方がいいと目からウロコの助言が新鮮だったという本。

■幕末、現在の和歌山県にあった紀州藩の田辺にいた武士が起こした騒動の記録。彼らは紀州家から安藤家への支配替えの命に反発し、ついには武士をやめて、浪人となったが、更に何年もかけてもとの紀州家に再就職し武士にもどった。彼らをそこまで反発させ、そして紀州家にこだわらさせたのは自分たちは徳川家直臣であるというプライドだった・・・。面白い新書なのになぜか絶版なのが惜しい。

■鰻、シラス、アワビ、ナマコといった高級魚貝や、人気の海鮮丼に使われるネタ、これらの多くはヤクザと密漁によって賄われている?日本の食文化の代表である魚介類の裏側に迫った本。密漁していても、言い訳次第で逮捕できない、法の網を巧みにくぐる闇ビジネスの実態が面白い。

■昨今公開された「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」に触発されて読み始めた図書館についての作品群。ニューヨーク公共図書館の歴史と運営についてのルポ。日本の学校図書館設立の歴史と、日本の公立図書館の今後について書かれたもの。かつて上野にあった帝国図書館を舞台にしたちょっとファンタジーな小説。図書館の新人司書が主人公のコミック。ノンフィクション読書会のはずが半分はフィクション作品でした。

■福岡市にできたデイケア介護施設「よりあい」設立の記録。お年寄りが最後まで自分らしい生き方をするために、多くの個性的な人々が理想の介護施設実現を目指す姿を、おもしろおかしく語る。表紙の絵もサイコー。

■大学1年生のときに交通事故にあった男性。彼はその事故で記憶喪失となった。ただその失われた記憶には、例えば 花、犬 といった事物、概念についての知識なども含まれていた。まるで生まれたての赤ん坊のようになってしまった「大人」がもう一度成長し、草染め職人となる、その手記。

■出生前診断で「異常なし」という結果だったにもかかわらず、生まれてきた子はダウン症だった。原因は医師による検査結果の見落とし。生まれてきた子どもは合併症により短い生涯を閉じるが、残された家族には深い傷が残っていた。出生前診断の是非、中絶をめぐる法とその実態、そしてそもそも「生命」とは?と深く考えさせられる、胸にズシリとくる読後感。

以上、今回もみなさんが紹介される本のユニークさ、そしてその内容についてのやり取りで大いに盛り上がりましたが、最後にご紹介した出生前診断の誤診に始まる話が今回の中では最も印象に残るものでした。もちろん、軽く話せる話題ではないのは当たり前ですが、同じような問題を取り上げたフィクション(小説)について語るのとは異なる空気を参加者で共有していたような気がします。

毎月1回、金曜日の18:30から関内駅周辺のアーキシップライブラリー&カフェで開催しているノンフィクション限定読書会「ノンフィクションの夜」は、仕事が終わってから(なんとか終わらせてから?)駆けつけてくれる方もいらっしゃいます。また、どうしても話が盛り上がると終了時刻が2時間を少し超えてしまうこともあり、帰りが遅くなるので途中退席される方もいらっしゃいます。

そんな遅刻・早退もまったく問題ございません。みなさんさえよろしかったら、次回の「ノンフィクションの夜」を一緒に過ごしませんか?皆様の参加をお待ちしております。

【投稿者】FUJI

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