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第28回(3/27)考える横浜読書会『源氏物語』第1回(桐壺~若紫)

■参加者21名(男性12名、女性9名)でした。

課題本は紫式部『源氏物語』。世界最古の長編小説といわれる『源氏物語』を毎月、全10回(3月から12月)にわけて読み進めていく企画になります。第1回目の今回は、桐壺~若紫の巻まで。訳者は決めずにお好きな自分に合うものを読んできていただくことにしました。

■まずは自己紹介とともに、①今まで『源氏物語』を読んだことがあるか、②誰の現代語訳で読んだかとその理由をお話しいただきました。

①について
・読んだことがある方 5名(複数の現代語訳で数回読んでいる方が2名!)
・途中まで読んだことがある方 2名
・『あさきゆめみし』など漫画で読んだことがある方 5名
・読んだことがない方 9名

②について
・林望 7名
・瀬戸内寂聴 4名
・角田光代 4名
・原文 3名
・田辺聖子 1名
・橋本治 1名
・大塚ひかり 1名

原文で挑戦される方が3名もいらっしゃいました!

■次に、事前にお配りしておいた資料に基づき、簡単な問題提起としての解説をしながら、適宜皆さんが感想・ご意見を述べる形で読書会を進めていきました。
以下皆さんのご感想・ご意見の一部です。

・光源氏などよく泣いている→感受性豊か?
・光源氏の行動は今では犯罪的・許されない、理解できない
・いい男の基準が今と違う(歌がうまい、匂いがいい、書がうまいなど)
・物語に出てくる上流貴族は、歌を詠んで恋をして、今でいう労働をしていない
・結婚するにも離婚する(別れる)にも、今の結婚制度と全く違う
など、今の制度・生活環境・価値基準の違いからくる感想が多く出され、盛り上がりました。

・桐壺帝と桐壺の更衣との恋愛について
・光源氏を拒みながら光源氏への手紙のやり取りを続けてしまう空蝉について
・藤壺は実はどのように考えているのかよく見えてこない
・光源氏の容姿についての描写などが実はあまりない→紫式部は想像させようとしている?
など登場人物についてのご意見・ご感想もいろいろ出ました。

ほかに「雨夜の品定め」について、面白かったという方が多く、女性の紫式部がなぜこれほど辛辣に女性のことを書けるのか、男性同士のこうした会話をどこかで盗み聞くことがあったのかなど、いろいろご意見・ご感想が出ました。男性陣からは、「この視点は女性でないと書けない、男性ならまず容姿の方の話になる」というご意見がいくつか出て、そうなのかと納得したりもしました。

また、訳者さんによって現代語訳にどのような違いがあるか、一部分ですが少しだけ比較したりもしました。『源氏物語』はいろんな読み方・想像を膨らますことができる作品で、多くの作家さんが自分なりの解釈で訳したくなる作品なのだろうと思われます。

■21名という大人数での読書会となりましたが、1000年以上読み継がれている『源氏物語』にそれだけ興味・関心が高いのだと思います。読み終えなければ見えない『源氏物語』の世界とその魅力を、10回にわたって、読書会に参加していただく皆さんと一緒に味わっていきたいと思います。

ご参加くださった皆様、どうもありがとうございました!!次回もどうぞよろしくお願いいたします。また、2回目以降からご参加くださる方、ぜひお待ちいたしております!

【投稿者】NAOKO

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