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これまでの読書会

第12回(5/15)ノンフィクション横浜読書会

みなさんこんにちは!5月15日、オンラインにて第12回ノンフィクション読書会を開催いたしました。
 
ZOOMで飲み会から帰省まで済んでしまうこのご時世、我々も「もちろんのっかる」形でオンライン開催に踏み切り、7名の参加者と2名のファシリテーターの合計9名で久しぶりの読書会を行いました。テーマは「アート」です。
 
PCで打合せしていると映ってる自分の顔が不気味で仕方ないとか、つい声が大きくなっちゃうよねなどの「オンラインあるある」についても盛り上がり、バーチャル背景を試してみるなど遊び心も満載でした。
 
それではさっそく登場した本のご紹介です。
 
◆「直島誕生」秋元雄史著
瀬戸内海に浮かぶ静かな小島だった直島は、どうやって現代アートがひしめく島として知られるようになり、世界の現代アートファンが憧れてやまない伝説的な場所となったのか?そこには営利企業がアートのためのプロジェクトを次々に立ち上げるという驚きの発想がありました。仕掛け人が明かす圧巻のドキュメンタリー。
 
◆「9番目の音を探して」大江千里著ポップミュージシャンとして築いたキャリアを捨て、47歳でジャズを学びにニューヨーク留学へ。ポップスでは大御所でもジャズではもちろん無名で、本書は若くて才能あふれるクラスメイトたちと切磋琢磨する日々を綴った青春小説でもある。著者は今でもアメリカに住み、ジャズミュージシャンとして活躍中というから驚きである。
 
◆「孤独がきみを強くする」岡本太郎著
◆「前世への冒険」森下典子著
◆「ぼくの短歌ノート」穂村弘著
◆「赤めだか」立川談春著
これらは同じ参加者の方からご紹介いただいた本なのですが、「アート」というテーマから思い付いた内容の幅広さに驚かされます。「他人は気にするな!全身全霊をかけて自分であれ!」と励ましてくれる岡本太郎は、まさに彼自身がそんな生き方を貫いたので説得力満点です。凡人にはない悩みもあったかもしれませんが、その潔さに惹かれます。
 
◆「古寺巡礼」土門拳著全7巻が出版された「古寺巡礼」シリーズは、報道写真家として有名な土門拳の40年間にわたるライフワークでもあった。通常は思い付かないような角度から迫る仏像の写真は、古刹の新しい魅力と鑑賞方法を教えてくれているかのようだ。その美を的確に捉えた氏のカメラの腕前は言うまでもない。
 
◆「宮崎駿の雑想ノート」宮崎駿著宮崎駿が不定期連載していた漫画をまとめたもので、「飛行艇時代」と題された短編作品はのちに「紅の豚」としてジブリ作品のシリーズに加わることになる。ラストの豚とカーチスの空戦シーンでは、「壮絶な死闘。アニメならばともかく模型雑誌の漫画なので諸兄の想像力に期待するしかない」というユーモラスな手書きの説明があり、のちにこの作品がアニメとして日の目を見ることを知っている側としては笑みが浮かぶ。
 
◆「青春ピカソ」岡本太郎著この本を紹介した方いわく、今までの人生で絵を見て泣いたことが2回だけあり、それがセザンヌとピカソの作品だったという。言葉にできない、肉体にしみいるような感覚にとらわれたのだそうだ。本書は、岡本太郎がフランス留学時にピカソの作品と衝撃的に出会ってから、ついには南仏のアトリエを訪ねて、ピカソ本人と芸術や創作について語り合った貴重な記録を納める。
 
◆「美術館の舞台裏」高橋明也著著者はフランス美術史を専攻し、パリのオルセー美術館に在籍した後、東京丸の内の三菱一号館美術館初代館長に就任した。美術品の保存と研究を旨とする美術館にも商業化とグローバル化の波が押し寄せる中、今そこで何が起きているのだろうか。凡庸なホワイトキューブではなく、古い洋館の内装を生かした展示室だけでも一見の価値があるだろう
 
◆「大贋作展」アーブル美術館著、菅付雅信編小学生の子供らと母親からなるアート集団「アーブル美術館」が贈る、古今東西の名画を子供たちがヘタウマにそして大胆に贋作した作品集。しかし絵の本質をよく捉えており、「アートとは何か?」を考えるきっかけにもなる。紹介した方は他にもひょんな縁で手に入れた自費出版の本について触れ、オンライン読書会なのでそれを実際に手に取って見ることができないのが残念であった。
 
◆「茶箱広重」一ノ関圭著「東海道五十三次」で有名な浮世絵師・安藤広重の没後、二代目広重となったのは弟子の重宣だった。二代目の名に恥じぬよう懸命に努力する重宣だったが、複雑な周囲の人間関係に翻弄され、弟弟子の寅吉が独立して「二代目広重」を名乗ったために、重宣は「まぼろしの二代目」となってしまう。不遇な晩年を送った彼はしかし、海外の人々がその美麗さに驚く茶箱の包装紙に足跡を残し、多くの画家にも影響を与えたのだった。
 
いかがでしたでしょうか。
深淵なる美の世界を旅するにふさわしい本たちが揃っていたと思います。
あなたもぜひ一緒に知的冒険に出かけませんか。
 
【投稿者】Yuning

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