REPORT
これまでの読書会
第17回ミステリ横浜読書会(9/26)『黒猫・アッシャー家の崩壊』
■参加者13名(男性5名、女性8名)初参加は1名でした。
第17回ミステリ横浜読書会は【ゴシックからミステリへの継承】というテーマでエドガー・アラン・ポー著『黒猫・アッシャー家の崩壊』を読み解きました。今回もオンライン形式での開催となります。
【ご紹介いただいた本】
『黒猫・アッシャー家の崩壊』はポーのゴシック作品を集めた短編集となっており、全6編が収載されています。
自己紹介と合わせて6編のうち最も好きな作品および感想を挙げていただきました。結果は以下の通りです。
『黒猫』9票
『赤き死の仮面』1票
『落とし穴と振り子』1票
『アッシャー家の崩壊』2票
ポーの代表作である『黒猫』に多くの票が集まりました。印象の強い黒猫の姿は映像的で、その恐怖は皆さんの頭から離れなかったようです。感想を一部紹介します。
・アッシャー家という言葉が一族と屋敷の両方を指す事が印象深かった。ポーに触れた事はないと思っていたが、高校生の時に触れていた詩集がポーのものだった。
・ポーと言えば萩尾望都さんの『ポーの一族』が思い出された。
・20年ぶりに手に取ったが、読むにつれて当時と同様の感覚が浮かび上がってきた。
・ポーを初めて読んだが、『黒猫』は特に病むようなつらい感じを受けた。
・6編の最初の物語だったので、以降の話がぼんやりとしか入ってこなかった。
・『黒猫』と似たようなモチーフの作品を知っていて、ポーがスタートだったのだと知った。
・『落とし穴と振り子』は怖さを感じると共に、次々と襲い来る恐怖をギリギリで交わしていく点に楽しさも覚えた。
・『落とし穴と振り子』の冒頭は『ドグラ・マグラ』を彷彿とさせた。
など、ポーのゴシックならではの恐怖性や神秘性、後世への影響などがコメントに上がりました。
その後、YONEから作者やポーが描くゴシック、ゴシック作品が後のミステリに与えた影響についての解説を加えました。次いでフリートークの時間を設けました。ポーの【崩壊と再生】思想やゴシック小説における【分身(ダブル)】の観点の説明を受けると、読書会冒頭の1番好きだった作品として挙げられなかった『ライジーア』や『ウィリアム・ウィルソン』への言及も多く見受けられたことが印象的でした。
ご参加いただきありがとうございました。またお会いしましょう。
【投稿者】YONE