第16回ミステリ横浜読書会(8/23)『サクリファイス』

■参加者11名(男性7名、女性4名)、初参加者は1名でした。
皆様、ご参加ありがとうございました!

第16回ミステリ横浜読書会は近藤史恵「サクリファイス」が課題本でした。

今回も引き続きオンライン形式での開催となりました。

最初に参加者の皆様に簡単な自己紹介と感想をお願いしました。

「サクリファイス」冒頭の謎めいたモノローグ部分を最初に読んだときにどう感じたかもお聞きしてみました！

【ご紹介いただいただいた本】

・同じ著者の「モップの精」のシリーズは以前に読んでいた. 「サクリファイス」は、主人公の自己認識と、元彼女が主人公を評する描写がずいぶん違っているのが面白い.
モノローグは、語り手が誰なのかという点が引っかかった.

・モノローグ部分は、物語に興味を引きつけられた. 読んでみると青春小説としても面白かった.
最初は勝つということにプレッシャーを抱いていたのが、やがて自分の道を見つけていく点など、さわやかな読後感が良かった.

・スポーツ物は、ミステリ小説となじまないと思っていたが、うまく読ませる凄い本.
著者はレース用自転車に乗った経験がないとのことだが、うまく分かりやすく書いてあるのでびっくりした.

・石尾さん(チームのエース)が怪しいと思いながら読んだ. 結末はどんでん返しで驚いた.
作家の方はロードバイクの経験なしと知ってびっくりした. レースとミステリをうまくからめて描いている.

・モノローグ部分で倒れているのは石尾さんではないかと思ったが、やがて伊庭(チームメイト)ではないかと思いながら読んだ. 最後のどんでん返しにはやはりびっくりした. もう一度最初から読み直した.
作中に年齢の近い選手がペア的に数組登場するが、それぞれが互いに選手としての在り方に影響している点が面白い.

・登場人物が皆どこか腹黒いのが面白い. モノローグ部分はケガしているのは主人公ではないかと思いながら読んだ.

・数年前に横浜でトライアスロンの自転車を近くで見たことがあるが迫力がすごかった. モノローグ部は主人公がケガする場面かと思った. 主人公はキャラが良い人なので、続編も読みたい.

・自分もモノローグ部分は主人公がケガする場面かと思って読んだ. 石尾はストイックで好き. 香乃(主人公の元彼女)と2人の男とのなれそめが読みたい.

・ひっからずにさっと読める本で良かった. やはりモノローグは主人公がケガする場面かと思った.
主人公が陸上競技でインターハイ1位だったとさらっと書いてあるがスゴイ.

・本当にいい本でおもしろかった. 自転車レースというマイナーな競技をそれとなく説明しながら面白く書けるのは凄い. レース用の自転車と同じように、余計な描写がない、シェイプされた書き方だ.

・ミステリ的に読むと、ストーリーの中で事件が起こるのがだいぶ後の方.
モノローグ部は、群衆がフランス語で話す描写があるのでストーリーの後の方の事件だろうと思った.
主人公が石尾を殺すという話なのかと思いながら読んだ. ミステリとしても凄い小説だ.

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モノローグ部分は、主人公が転倒している場面と捉えて読まれた方が多かったようです。

本編での書かれ方も、そのように読ませるような書き方とも取れますね。

次に、わたくしOKAから著者についての情報や自転車レースの概略などの説明をさせていただき、以降は自由に感想や疑問点を話していただきました。

ミステリとしての出来と自転車レースという題材の新鮮さに主人公の成長を絡めて書かれた面白い小説でした。

他にも、参加者の皆様からおすすめ本をご紹介いただいたりと、おかげさまで楽しい会とすることができました。ご参加いただいた皆様、どうもありがとうございました！

来月からは再びいつものYONEさんに戻ります。こちらもふるってご参加下さい！

【投稿者】OKA