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第6回(1/12)ミステリ横浜読書会『ドグラ・マグラ』

■参加者15名(男性7名、女性7名)初参加は2名でした。

第六回のテーマは「三大奇書・アンチミステリの世界」とし、夢野久作著『ドグラ・マグラ』を課題本として読み解きました。さて各参加者の顔を眺めると、浮かぶ表情に困惑の色。その謎の答えは各自の自己紹介で直ぐに明かされることになります。

【ご紹介いただいた本】

実は読み終えることが出来なかった、という方が半数近くいらっしゃったのです。読書が好きな方々でさえ拒むその不可思議さは流石奇書。しかしそれも一つの読書体験であり、みなさんで共有できれば良いのです。

まずYONEから夢野久作及び課題本『ドグラ・マグラ』、三大奇書や第四の奇書について簡単な解説をしました。夢野久作のユニークかつ不思議な経歴には、笑いの含んだ驚きを感じられたようです。『ドグラ・マグラ』については解説を加えずとも自然発生的に作品の解釈に関するコメントが、参加者から巻き起こりました。また、ミステリ愛好家にとって4冊の奇書が何だか課題のようになっており、果たして全員が面白いと思って読んでいるのかという疑問も投げかけられ、意義のある意見交換が出来たと思います。

続いて、各参加者に本の感想をいただきました。多様な解釈が出来る本作だからこそのコメントや仮説をいただいています。また、奇書繋がりで、世界の奇書を持参してくださった参加者もいました。下に頂いたコメントを記します。

・これは作者が夢の話を書いたのではないか。断片的なシーンや不連続な時間軸はまさに夢のようで、冒頭の夢から覚める場面は、実は夢の中に入り込んでいたとも解釈できそう。

・作者は10年かけて本作を完成させたというが、常人には理解できないこの内容をとても苦しみながらも楽しくてしかたない状態で書いたのではないか。

・当時の心理学の文学的な立ち位置を考えると面白い。なぜ心霊現象紐づけや科学なのに湿っぽい感じで描かれるのか。

・一見訳の分からない作者のいたずら・悪意としか思えない作中作も、記憶に残るフレーズや考えが多々あり、それが記憶に残っているので、実は意味のある・魅力的なものなのかもしれない。

・理解できないだろうなと思って手に取ったが、予想を超えて理解できなかった。

・分からなかったのに、なぜかもう一度読んでみたい気持ちに駆られている。

・オーディオブックで読んでみたが、13時間以上あった。途中でやめてしまおうかと何度も思った。

等々です。賛否もあり、課題本として良かったのではないかと思いました。第六回の今回は読書会の幅を広げてくれた会となった気がします。さて次回の課題本も近日中にアップしますので楽しみにしていてください。

【投稿者】YONE

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