REPORT
これまでの読書会
第11回(2/3)考える横浜読書会『蠅の王』
■参加者は男性9名、女性6名でした。
***おそらく人間じゃない(笑)と思います。半端ない読書量と教養をお持ちの異星人KINOさんの紹介文です。一緒に考える読書会を盛り上げてくれているKINOさんありがとうございます。***
ノーベル賞作家ゴールディングの代表作、『蠅の王』
独特の読後感と随所にちりばめられた象徴的なアイテムが特徴的な
■著者経歴
1911年、イングランド南西端のコーンウォール州に生まれる。
■『蠅の王』あらすじ
不時着した飛行機で生き残ったイギリスの少年たち。楽園のような南の島で大人のいない自由な生活を謳歌するが、
■参加者の感想
※以下、作品の結末に触れていますのでご注意ください。
※登場人物や単語の表記は黒原訳に倣っています。
登場人物についてはさまざまな意見が飛び交いました。
・ラルフは未来志向で、ジャックは現実志向。
どちらもそれぞれゴールが異なるので、分裂は不可避。
・ラルフもジャックもそれぞれ立場が違うだけで、
・
・みんなが恐怖を見ないふりしようとするなか、
・ジャックは出世するタイプ
・ロジャーは一番危ない奴
・ラルフがピギーの賢さにもう少し早く気づいていたら…
それぞれ個性的な登場人物たちですが、ジャックの「部族」
・顔にペイントをして自分が自分じゃなくなる感覚を得ると、
・原始的な欲求が高まり、
・最後の場面でジャックは容貌だけで表現され、
・個体名が消えることで敵になる。敵方に名前がなくなるのは、
また作品の随所にちりばめられたアイテムやキーワードの解釈でも
・煙-希望-ラルフ、豚-欲望-ジャック、というように、
・蠅の王はジャックの原始的な欲望なのか?
-> すべての少年(そして読者)の心にある闇ではないか。
・近視の眼鏡で火はおこせない。
-> ピギーは実は見えていたけど見えないふりをしていた?
-> 単純なミスではないか
・「イギリスの少年」
また参加者全員に「結末についてどう思うか?」
・最終的に誰が助かったのかがわからないのが怖い
・助かるまでの期間がどれくらいだったのかもわからない
・取ってつけたような終わり方のように感じた
・後味の悪さがいい
・唐突にアクション映画風になったので戸惑った
・あえてすっきりしない終わり方にして、読者に結末を委ねている
・「大人」がくるとみんな我に返ったようになった。
・ラルフがずっとこだわっていた「助けを呼ぶ煙」が、自分を殺そうとする火の煙でようやく届いたというのは皮肉な結果。
上記以外にもさまざまな感想を聞くことができ、
参加者の皆様、ありがとうございました。