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第21回(2/22)考える横浜読書会『赤と黒』

■男性6名、女性9名の計17名での読書会でした。今回も初参加の方、再読の方など様々な方にお集まりいただきました。

課題本はスタンダールの『赤と黒』。19世紀・王政復古時代のフランスで、身分は低いが野心たっぷりの青年ジュリヤン・ソレルが聖職者として成功することを目指す物語です。『赤と黒』は読み応えたっぷりの長編小説なので、2回に分けての開催です。第一回にあたる今回はレーナル夫人との交流や神学校での暮らしを描く「第一部」が課題範囲でした。テキストとしては小林正・訳の新潮文庫版を使用しています。また未読の方もいるため、第二部の詳しいストーリーについては語らない(ネタバレ禁止!)という方針を取りました。

【ご紹介いただいた本】

なお考える横浜読書会では、毎回課題本に関連するちょっとした資料をお渡ししています。今回の読書会では、登場人物相関図、著者スタンダールの経歴、作品発表時のフランスの情勢などの資料をお渡ししました。

■参加者の感想

『赤と黒』は「ジュリヤン・ソレルをどう見るか?」という点が感想を大きく左右すると思いますが、今回の参加者は概ね好ましく感じていたようでした。

・ジュリヤンが梯子を上ってレーナル夫人に会いに行く場面が情熱的で印象に残っている。
・初めてレーナル夫人の手を握ろうとする場面で、昔を思い出した。
・ジュリヤンの、葛藤している感じが、人間らしくて好き。

中でも第一部の最後の方で、ジュリヤンがレーナル夫人と再会する場面は特に人気がありました。
野心に燃える一方で、案外直情的なところに親近感を覚えるようです。
一方でジュリヤンに批判的な方も、もちろんいらっしゃいました。

・ジュリヤンを見ているとイライラする。
・ジュリヤンとは気が合わないと思う。

またレーナル夫人についても意見が出ました。

・ジュリヤンよりも、歳が近いレーナル夫人に共感して読んでいた。
・ジュリヤンはレーナル夫人と付き合う前までが面白いけど、レーナル夫人は
ジュリヤンと付き合ってからのほうが断然面白い。
・匿名の手紙の場面でのレーナル夫人が格好いい。

第一部の最後ではレーナル夫人に会うために命懸けでやってくるジュリヤンですが、物語の冒頭では金持ちの奥様だと軽蔑していました。そのため「ジュリヤンはいつレーナル夫人のことを好きになったのか?」という疑問が出て、皆で本を開きながら検証に盛り上がりました。

さらにスタンダールの書き方についても話題に上りました。時折顔を出す作者のレーナル氏への批判が辛辣すぎるのではないか、いやこれは作者の社会批判だ、レーナル夫人の不倫を正当化するための方策ではないか、等…。またジュリヤンが聖人の遺体を見る場面などに見られる描写の上手さや、章ごとに付されたエピグラフについても話題になりました。

次回の考える横浜読書会では、『赤と黒』第二部、小説の結末までのすべてが範囲となります。ラストシーンを語り合ったり、第一部にちょっと戻ったりしながら、皆様と語り合えるのを楽しみにしています。

【投稿者】KINO

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