第9回(10/28)考える横浜読書会『カルメン』

■参加者は男性8名、女性5名でした。

 

***おそらく人間じゃない(笑)と思います。半端ない読書量と教養をお持ちの異星人KINOさんの紹介文です。一緒に考える読書会を盛り上げてくれているKINOさんありがとうございます。***

赤いドレスを着て赤い薔薇をくわえ情熱的に踊るイメージの強い”カルメン”。
そんなオペラ・カルメンのイメージが強いですが、小説版は少し印象が違います。

■メリメの『カルメン』

カルメン (岩波文庫 赤 534-3)の詳細を見る

小説『カルメン』は1845年、フランス人の作家で考古学者でもあるプロスペル・メリメによって発表されました。メリメ自身がスペインを旅行し、マドリードで伯爵夫人から聞いた実話を元にして書いた小説です。主人公の盗賊ホセに形見の銀メダルを託される考古学者は著者の分身でしょう。ジプシーに関する学術的な考察に最終章を割いているのも特徴のひとつです。

■ビゼーの『カルメン』

ビゼー・カルメン (オペラ対訳ライブラリー)の詳細を見る

メリメの『カルメン』をもとに、フランス人の作曲家ビゼーがオペラとして作曲した『カルメン』です。1874年初演。考古学者はおらず、ホセの婚約者というキャラクタが増えているなど、小説とはストーリーも異なります。いわゆる情熱の女カルメンは、オペラのイメージが強そうです。

大学時代にオケをやっていたKくんにご協力いただき、オペラ版カルメンをyoutubeで視聴しました。

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※Kくん作成「独断と偏見による『カルメン』解説」。驚きの完成度!永久保存版の資料です。ありがとうございます!

 

■参加者の感想

参加者の方々に印象に残った場面を聞くと、以下の場面が挙げられました。

・コルドヴァで考古学者がカルメンと出会う場面
・考古学者がカルメンの容姿を描写する場面
・ホセが煙草工場の横で初めてカルメンと出会う場面
・考古学者の前で、カルメンとホセがバスク語でやりとりする場面
・連行されるカルメンがホセにバスク語で話しかける場面
セヴィーリャの街でお菓子を買い込んで一日中食べたり飲んだりして遊ぶ場面
・ジブラルタルで、カルメンがゴージャスな衣装で士官の横に立っている場面
・ホセがカルメンに、アメリカでまじめに暮らそうと嘆願する場面
・最終章の、ボヘミア人に対する細かい考察

カルメンは悪女というよりも、頭のいい女性として男女ともに好意的な意見が多かったです。

・カルメンは相手によって服装や言葉を使い分け、最も効果的な方法で誘惑する頭のいい女性だと思った
・一人で仕事を見つけ、采配をして、人員を確保し、遂行する段取りをつけることができる有能な女性。実業家として成功しそう。
自分の知識や能力をフルに使って相手を落とすことをゲームのように楽しんでいるように見える。ホセはカルメンが思い通りにできなかった初めての男だったのではないか。
・自由を愛するカルメンにとって、アメリカで地道に暮らすなんてありえない選択肢だったのだろう。
・貴族出身のホセとは育ってきた環境も価値観も違うので、いずれはうまくいかなくなることを、カルメンはわかっていたように思う。

一方、ホセに対しては悪人説が飛び交い、批判が集中しました。

・カルメンが自由を愛することを理解していない。
・ガルシアとの決闘など、節々で卑怯なところがあるように思う。
・自分に甘く、カルメンのことよりも自分のことを優先している。

 

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※参加者Hさんがカルメン事件の時系列をまとめた年表とスペインの地図を資料として作ってきてくださいました。ありがとうございます!

なお参加者の男性には、カルメン的な女性に会ったことはあるか、または会いたいか、
女性にはカルメン的な女性になりたいかを聞いてみました。

男性)
・カルメン的な女性に何人か会ったことがある
・会ったことはない。できれば会いたくない。
・会ったことはないが、会ってみたい気はする。
・台風のような女性なので、会ってしまったら巻き込まれると思う。

女性)
・自立した頭のいい女性。できるならなってみたい。
・カルメンのように自由に生きてみたい。
・カルメン的な女性にはちょっと憧れる。

またカルメンはホセより年上か年下か、カルメンはホセをどの程度本気で好きだったのか等、いろいろと意見が飛び交い、盛り上がりました。

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参加いただいた方々、ありがとうございました。

 

加筆、訂正承ります。ご連絡をお待ちしております。

第15回(12/3)女子限定・横浜読書会

■参加者8名、初参加は2名でした。

 

***ご参加いただいた知的女子Kさんの紹介文です。Kさんありがとうございます!***

 

おだやかに晴れた初冬の日曜日、おいしいランチを囲んで「第15回女子限定!横浜読書会」の開催です。

今年もあっという間に12月を迎えました。どうしようもなく落ち込む日もあれば、小さな幸せに心がほっこりした日もあったのではないでしょうか。

自己紹介ではこの一年を振り返っていただきました。年始に立てた目標を達成できた頼もしいお話、就職活動に向けて準備しているという話題、読書会が元気の源となり充実した一年だったとの声も上がりました。

今回のお題は「自分へのクリスマスプレゼント本」です。辛いこともたくさんあったけれど、そのたびに頑張って乗り越えた自分へのご褒美。読みたかった一冊や疲れを癒す本、元気になる本をお持ちいただきました。

美しい装いの大型本(でも内容はビジネス本!)、ブックフェアで出会えた愛しの女流作家本、癒される写真集、ジャケ買いの一冊、心打たれた作品、帯の文言に挑まれた小説、この季節に読みたくなる絵本、こんな女性になりたい!と思わせる本、文字の実験をしている一冊など、今回もバラエティーに富んだ内容でした。そして、その一冊にたどり着くまでのみなさんのエピソードが読書への愛に溢れています。どの本も心が満たされること間違いなしですね。

今宵はスーパームーン。夜空も私たちを凛と照らしてくれています。

今年最後の女子限定!横浜読書会スタートです。

【ご紹介いただいた本】

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『KINFOLK ENTREPRENEUR』NATHAN WILLIAMS

KINFOLK ENTREPRENEUR(アントレプレナー)の詳細を見る
 

『吹上奇譚 』吉本ばなな

吹上奇譚 第一話 ミミとこだちの詳細を見る
 

『デッドエンドの思い出』よしもとばなな

デッドエンドの思い出 (文春文庫)の詳細を見る
 

『シェルシーカーズ〈上〉』ロザムンド・ピルチャー

シェルシーカーズ〈上〉の詳細を見る

 

『シェルシーカーズ〈下〉』ロザムンド・ピルチャー

シェルシーカーズ〈下〉の詳細を見る

 

『20072017』ヨネダ・コウ

20072017 (H&C Comics ihr HertZシリーズ)の詳細を見る
 
『Babaghuri』ヨーガンレール
Babaghuriの詳細を見る
 
『ベッドルームで群論を』ブライアン・ヘイズ
ベッドルームで群論を――数学的思考の愉しみ方の詳細を見る
 
『クリスマス人形のねがい』ルーマー・ゴッデン
クリスマス人形のねがい (大型絵本)の詳細を見る
 
『おちゃめな老後』田村セツコ
おちゃめな老後の詳細を見る
 
『りぽぐら! 』西尾維新
りぽぐら! (講談社ノベルス)の詳細を見る
 
『未来のだるまちゃんへ 』かこさとし
未来のだるまちゃんへ (文春文庫)の詳細を見る
 
『鈍感な世界に生きる 敏感な人たち』イルセ・サン
鈍感な世界に生きる 敏感な人たちの詳細を見る
 
『とにかくうちに帰ります』津村記久子
とにかくうちに帰ります(新潮文庫)の詳細を見る
 
『新しい分かり方』佐藤雅彦
新しい分かり方の詳細を見る
 
参加者の皆さま、ありがとうございました。加筆、訂正がありましたらご連絡ください。
 
 

2017年11月11日開催!横浜読書百貨展「読書会体験会」

横浜市読書活動推進ネットワークフォーラムにて読書会体験会を行いました。

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お題は「つながり」です。
人とのつながり、世界とのつながり、本のつながり…
皆さんそれぞれの感性でバラエティー豊かな本が集まりました。自己紹介も含めてわずかな時間でしたが、新たな本に出合える素敵なひとときでした。以下ご紹介いただいた本になります。

『ハーモニー』伊藤計劃

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)の詳細を見る
日本SF史に欠かせない作者の遺作。前作とのつながりが感じられる。アニメ映画化された話題作。

 

『ウィリーとともだち』アンソニー・ブラウン

ウィリーとともだちの詳細を見る

ひとりぼっちだったウィリーが、からだが大きくて強いヒューと出会う。お互いの欠けているところを補える友情に心温まる。

『ゴリオとヒメちゃん』アンソニー・ブラウン

ゴリオとヒメちゃん (児童図書館・絵本の部屋)の詳細を見る

ゴリオとヒメちゃんの2人の友情、友達の機転とやさしさにじんとくる一冊。癒される絵にお気に入りの一冊になること間違いなし。

『面白いほど成功するツキの大原則』西田文郎

面白いほど成功するツキの大原則―ツイてツイてツキまくる頭の使い方教えますの詳細を見る
ツキが成功を決める。そのツキをもってくるのは人。人とつながるノウハウを脳の機能を含め科学的に解説。

 

『BEFORE THEY PASS AWAY彼らがいなくなる前に』ジミー・ネルソン

BEFORE THEY PASS AWAY -彼らがいなくなる前に-の詳細を見る
失われつつある民族の姿をとらえた写真集。部族の脈々たる伝統の美しさに目を奪われる。著者の熱い思いが伝わるあとがきも印象的。

『時の流れのなかで』吉田秀和

時の流れのなかで (中公文庫)の詳細を見る
「芸術は生活の飾りではない。生活の中にあるもの」という言葉が印象的。やわらかく論理的な文章で、芸術について綴ったエッセイ。

 

『擬 MODOKI: 「世」あるいは別様の可能性』松岡正剛

擬 MODOKI: 「世」あるいは別様の可能性の詳細を見る
世の中はちぐはぐなもの。世界について広く鋭く論じる。身のまわりを見る目が変わること間違いなしの一冊。

『「タテ社会」の人間関係:単一社会の理論』中根千枝

タテ社会の力学 (1978年) (講談社現代新書)の詳細を見る

感情が人間関係の基礎になり、タテのつながりが根強い日本。刊行から50年を迎える本書だが、その理論は今も色褪せない。

『大人の友情』河合隼雄

大人の友情 (朝日文庫 か 23-8)の詳細を見る

友人の裏切りや男女の友情、友の死など、大人ならではの友情について考えさせられる。軽妙な著者の言葉と考え方が心地よい。

『世界をまどわせた地図 伝説と誤解が生んだ冒険の物語』エドワード・ブルック=ヒッチング

世界をまどわせた地図 伝説と誤解が生んだ冒険の物語の詳細を見る

実在すると信じられていた島や川、種族や怪物などを古地図や写真とともに紹介した一冊。グーグルマップに載っていた島もあるという。

『差分』佐藤雅彦 

差分の詳細を見る

連続した絵の中にストーリーを読みとる人間の不思議さ。『ピタゴラスイッチ』を監修した佐藤雅彦と茂木健一郎の対談も必読。

『世界のはじまり』バッジュ・シャーム

世界のはじまりの詳細を見る

中央インドのゴンド民族に伝わる神話とその生活を描いた手漉きの紙でできている絵本。作者の思いが伝わる宝物のような一冊。

『絵巻とマンダラで解く生命誌』中村桂子

絵巻とマンダラで解く生命誌の詳細を見る

美しい表紙が目を引く絵物語。いのちのはじまりから進化と絶滅まで、めくるめく世界に引き込まれる。

『生命誌とは何か』中村桂子

生命誌とは何か (講談社学術文庫)の詳細を見る
生命科学の歴史をひもときながら、新しいいのちの物語を著者ならではの視点で語る。読み応えたっぷりの一冊。

『いのちのひろがり 月刊たくさんのふしぎ2015年4月号』中村桂子

いのちのひろがり (たくさんのふしぎ傑作集)の詳細を見る
すべての生き物は、38億年前のたったひとつの細胞からはじまった。壮大な世界とやさしい絵にわくわくさせられる一冊。

『晴れ着のゆくえ』中川なをみ

晴れ着のゆくえの詳細を見る

紫根染めの晴れ着をめぐる連作短編集。何十年という時の中で、さまざまな人の人生に寄り添う晴れ着。美しい装丁も心に残る。

『幕末維新懐古談』高村光雲

幕末維新懐古談 (岩波文庫)の詳細を見る

著者自身の生い立ちから木彫家として立身するまでを語る。ひとつの偶然によってひらかれていく人生が印象的。

『京都の平熱―哲学者の都市案内』鷲田清一

京都の平熱――哲学者の都市案内 (講談社学術文庫)の詳細を見る

京都市内のバスから見えたものをつらつらと綴る。ここで生まれ育った著者ならではの視点で、東西南北それぞれの京都を描き出す。

ありがとうございました!

第7回(10/16)女子限定・横浜読書会

■参加者10名、初参加は1名でした。

 

読書の秋です。

本に関する様々なイベントが行われるこの季節、読書家たちの「本の爆買い事件」が勃発します。斯く言う私もそのひとり。参加者の方からも、各地で行われているブックフェアに参加したというお話や、スタッフとして福島の古本市に出店した!など驚きのエピソードをいただきました。

 

食欲の秋です。

カフェの料理もすっかりハロウィンを意識した飾りつけで、季節感ある南瓜などのメニューが勢ぞろいでした。味覚も楽しめるこの季節はついつい散財しがちです。そんな10月のお題は「お金」でした。お金のプロフェッショナルが語る世界の金融動向に関する話や、最先端の資産運用や貯蓄方法も魅力的ですが、横浜読書会では、より人間臭く、より幅広い「お金」の話を、本を通じて語りあえたら幸いと思います。

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※プレゼンテーションの様子

お金ってなんでしょうか?使いようによってはどうにでもなるお金。そんなお金を語るには身を持った実体験に勝るものはないでしょう。西原理恵子さんの『この世でいちばん大切な「カネ」の話』はお二人からご紹介をいただく人気ぶりでした。貧乏は札束ほどにリアルだったと語る本書に全員頷くばかり。お金に翻弄される笑いと涙の人生劇場を味わえる一冊です。視点を変えて、ふるさと納税から寄附や税金という制度について考えたり、時代小説の帳簿から江戸時代の金銭感覚を知り、ブロックチェーンや評価経済社会といったお金の概念を変える近未来まで話が及んだことに大変深みを感じました。

「カネ」の谺が聞こえた今回の読書会、魔物を味方につけ人生をエンジョイしましょう!

女子限定!横浜読書会スタートです。

 

【ご紹介いただいた本】

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『会社に頼らず生きるために知っておくべきお金のこと』泉正人

会社に頼らず生きるために知っておくべきお金のこと (Sanctuary books)の詳細を見る
 
『この世でいちばん大事な「カネ」の話 』西原理恵子
この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ)の詳細を見る
 
『花のれん』山崎豊子
花のれん (新潮文庫)の詳細を見る
 
『カレーライスの唄 』阿川弘之
カレーライスの唄 (ちくま文庫)の詳細を見る
 
『ふるさと納税生活』金森重樹
完全ガイド 100%得をする「ふるさと納税」生活の詳細を見る
 
『これから始める人のふるさと納税らくらくガイド』叶温
これから始める人のふるさと納税らくらくガイドの詳細を見る
 
 
『正しい家計管理』林總
正しい家計管理の詳細を見る
 
 
『浮世女房洒落日記 』木内昇
浮世女房洒落日記 (中公文庫)の詳細を見る
 
『「お買いもの」のいいわけ』堀井和子
「お買いもの」のいいわけ (幻冬舎文庫)の詳細を見る
 
『評価と贈与の経済学』内田樹
評価と贈与の経済学 (徳間文庫カレッジ)の詳細を見る
 
『 禅、「お金」の作法』枡野俊明
人生の流れが美しくなる 禅、「お金」の作法の詳細を見る
 
『さよなら下流社会』松本哉
さよなら下流社会の詳細を見る
 
 
参加者のみなさま、ありがとうございました。
 
加筆、訂正承ります。気軽にご連絡を頂きたくお願い申しあげます。
 
 

緊急企画!(10/18)小谷さんと読書会

「小谷さんをお呼びして横浜読書会」緊急開催です。

 

小谷さんはなんと!2時間の大遅刻でした。

クロージング間際に登場です。(笑)

 

次の予定も入っているとのことで、簡単な挨拶のあと飲んで食べてあっという間にお時間となり、30分程度でお別れをしました。読書会のミッションを果たしたかというと微妙な感じです。参加者の方にはひたすら謝るしかないです、ごめんなさい。そんな僅かな時間でしたが小谷さんにお会いできて本当に良かった!得たものは大きかったと思います。

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皆さんは小谷さんをご存知ですか?

小谷さんは一日50円で労働力を売り、泊めてくれる方の家を泊まり歩く住所不定の謎だらけの人間で、お金と時間に縛られない自由な生活をしている元芸人さんです。「草食系・男はつらいよ」現代バージョンのイメージでしょうか。

 

経緯の詳細は自伝書『笑うホームレス』に書いてあると言うのでその場で本を購入しました。芸人という肩書を捨ててホームレスとなり、50円の依頼がきっかけでかわいい嫁をもらったり、突然フィリピンのボランティア活動に参加する等々、ひたすらあり得ないエピソードが綴られています。巻末には「ゴーストライター:西野亮廣」とはっきり記述されているところも、期待を裏切らない感じで笑えます。

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SNSを利用してたくさんの人と出会い、つながりを糧に暮らす小谷さんのコミュニケーション能力は、秀でた才能としか言いようがないです。依頼主との待ち合わせの遅刻など日常のようで(笑)人気商売なのに評判が落ちないというのは彼のお人柄のなせる業。この生活を3年間続けていられる小谷さんはコミュニケーションの天才だと思います。

 

最後に最寄りの駅までご一緒したのですが、歩き始めたら突然!頭の回転が速くなってオーラが出てきました。キャラクターが際立ち、会話がいちいち面白いという、キュートなゼンマイ仕掛けのお人形のようでかわいらしかったです。

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「なんやこの店、オサレやな。えー、骨壺売っとるらしいわ~。」

「いやいや、骨董ですから。」

「あれー?ほんまや。」

 

そんなたわいもない会話を重ねながら、横浜の夜を去っていった小谷さん。きっとまたどこかでお会いすることがあるかと思います。その際はおもろいトークを期待していますね。ありがとうございました!

第6回(9/18)女子限定・横浜読書会

■参加者8名、初参加は1名でした。

 

今回は「ジェインオースティンの読書会」を開催しました。彼女を知らない方、興味のない方は置き去りの会となりました、ごめんなさい。

参加者はもちろん全員ジェイン・オースティンの大ファンです。19世紀イギリスの恋愛小説に夢中になったことのある女子ばかり。

祖母から薦められた本を持ってきたという方がいて驚きました。おばあちゃんのセンスの良さに脱帽です!是非お会いしてみたいと全員一致の声でした。

 

「人生の解毒剤」と言われる彼女の作品は、41歳という短すぎる人生を物語るかのように、主要6作品の恋愛小説しか残されていません。生涯独身を貫いた彼女の人生を思うと切なさを感じます。

 

1.分別と多感 Sense and Sensibility

2.高慢と偏見 Pride and Prejudice

3.マンスフィールド・パーク Mansfield Park

4.エマ Emma

5.ノーサンガー・アビー Northanger Abbey

6.説得(説きふせられて)Persuasion

 

どの作品もハッピーエンドで終わるストーリーは一貫して「金持ち・イケメン男性」をゲットするドタバタ恋愛物語です。全世界共通、時代を越えてもなお、女性の狩猟本能を駆り立てるターゲットは同じなのだなと、実感します。そんな彼女の普遍的な文学は、噂話や証言をベースに展開します。近所のご婦人や母親、親戚などおせっかいな人々が登場し、若い娘たちの結婚相手として誰がふさわしいかをあれこれ語ったり口を出したり、ざわつき加減が半端ない人びとの集合体の物語でもあります。若い娘たちは娘たちで、眼球からレーザー光線を発しながら舞踏会へとくり出し、力の限りお金持ちとイケメンゲットに尽力をつくすというパワフルで元気が出るお話なので、これはぜひ女子限定読書会で取り上げなければと思い、企画しました。

 

古典小説として読み継がれるにはどうかなと思える痴話ばなしばかりですが、実際読んでみると、その物語の深さに、そしてその言葉の誠実さに、心奪われます。人間に対する冷静な観察と細やかな表現によって、噂好きなご婦人も悪意は存在せず個性として彩られるあたりがオースティン作品の真骨頂ではないでしょうか。文学は偉大である必要はありません。名著は時として読者に寄り添うものです。

 

また、関連作品が多いのも特徴。最近では映画「高慢と偏見とゾンビ」が公開されるなどオースティン作品の話題が尽きません。お集まりいただいた方たちの一番人気は、今回の読書会のタイトルと同じの映画「ジェーンオースティンの読書会」でした。DVDをお持ちいただいた参加者の方もいて大変盛り上がりました。

 

ジェイン・オースティンの読書会 [DVD] -映画

ジェイン・オースティンの読書会 コレクターズ・エディション [DVD]

※女子はこの手の作品が大好きなのです。

 

それでは「ジェインオースティンの読書会」のスタートです!

 

【ご紹介いただいた本】

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『エマ (上) 』ジェイン・オースティン

エマ (上) (ちくま文庫)の詳細を見る
 
『エマ (下)』ジェイン・オースティン
エマ (下) (ちくま文庫)の詳細を見る
 
 
『自負と偏見 』ジェイン・オースティン
自負と偏見 (新潮文庫)の詳細を見る
※巻末の年表が便利のようです。
 
『高慢と偏見』はモームの『世界の十大小説』で紹介されています。
 
『説きふせられて』ジェーン・オースティン
説きふせられて (岩波文庫)の詳細を見る
 
『説得 』ジェイン・オースティン
説得 (中公文庫)の詳細を見る
 
『いつか晴れた日に』ジェーン・オースティン
いつか晴れた日に―分別と多感の詳細を見る
 
『ジェイン・オースティンの手紙 』ジェイン・オースティン
ジェイン・オースティンの手紙 (岩波文庫)の詳細を見る
 
『Der Jane Austen Club』Karen Joy Fowler
Der Jane Austen Clubの詳細を見る
 
 
※今回ご紹介のなかった『マンスフィールド・パーク』はナボコフの『文学講義』にて取り上げています。
 
 
参加者のみなさま、ありがとうございました。
 
加筆、訂正等承ります。気軽にご連絡を頂きたくお願い申し上げます。
 
 
 

第2回(9/3)ブランチ横浜読書会

■参加者8名(男性2名、女性6名)初参加3名でした。

 

第2回となるブランチ読書会は、新たな試みとして付箋に感想を書くことに挑戦してみました。

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※軽んじる様子はなく、大真面目に書いています。

 

「ブランチを食べながら本の感想を聞き、紹介者あてにメッセージを書く。」を人数分繰り返す作業は、単純なだけに一旦躓くと言葉が出てこなくなり、焦ります。より上手く表現したいエゴを抑えて、グーグル先生にも頼らず、次々と適格な表現を絞り出す言葉選びの作業は刺激的でした。それにしても皆さんの手際の良さに驚きです。まったりと付箋を選んでのんびり食事を取っていたら、まんまと時間が無くなり夢中で過ぎた2時間でした。今後も続けていきたいと思います。

それでは読書会スタートです!

 

【ご紹介いただいた本】

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『生まれつき美人に見せる』吉川康雄

生まれつき美人に見せるの詳細を見る
 
『成功している男の服選びの秘訣40』宮崎俊一
9割の人が間違った買い物をしている 成功している男の服選びの秘訣40 (講談社の実用BOOK)の詳細を見る
 
『ビッグデータと人工知能』西垣通
ビッグデータと人工知能 - 可能性と罠を見極める (中公新書)の詳細を見る
 
『シークレット・レース』タイラー・ハミルトン
シークレット・レース―ツール・ド・フランスの知られざる内幕 (小学館文庫)の詳細を見る
 
『小澤征爾さんと、音楽について話をする』小澤征爾
小澤征爾さんと、音楽について話をする (新潮文庫)の詳細を見る
 
『辞書になった男』佐々木健一
辞書になった男 ケンボー先生と山田先生の詳細を見る
 
『赤毛のアン』ルーシー・モード・モンゴメリ
赤毛のアン (集英社文庫)の詳細を見る
 
『西の魔女が死んだ』梨木香歩
西の魔女が死んだ (新潮文庫)の詳細を見る
 
『イスラム世界の人生相談』西野 正巳
イスラム世界の人生相談―ニュースの裏側がよくわかるの詳細を見る
 
『天使も踏むを恐れるところ』E.M.フォースター
天使も踏むを恐れるところ (白水Uブックス―海外小説の誘惑)の詳細を見る
 
参加者のみなさま、ありがとうございました。
 
加筆、訂正等承ります。気軽にご連絡頂きたくお願い申し上げます。

第5回(8/21)女子限定・横浜読書会

■参加者11名、初参加は3名でした。

 

今回は特別企画として「立川談慶」師匠をお招きしてお茶会を開催しました。

男性のみなさま、女性限定でごめんなさい。

 

『「めんどうくさい人」の接し方、かわし方』(PHP文庫)の新刊イベントになります。

「めんどうくさい人」の接し方、かわし方 (PHP文庫)の詳細を見る

本書は、あなたにとって「うざい人」と忌み嫌う人たちを「めんどうくさい人」と思うことによって軽やかにかわしていこうという指南書です。談慶師匠のご経験をふんだんに盛り込み、笑って泣いてためになる一冊。めんどうくさい人の定義からその対処法まで贅沢に書き綴った本書を軸にして、ご本人の口からどのようなエピソードが飛び出すのでしょうか、大変楽しみです。

 

【立川談慶師匠の自己紹介】

まずは、古典落語という大海に真向から向き合う人生を選択した「立川談慶」師匠のプロフィールを簡単にご紹介しました。参加者の皆さまの大きな拍手とともにお迎えします。

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1965年長野県のお生まれで佐久市の観光大使を務めています。慶応義塾大学経済学部を卒業後、㈱ワコールに入社。3年間のサラリーマン生活を経て、91年立川談志18番目の弟子として入門。(ちなみに前座名は「立川ワコール」でした。)前座9年半という長い道のりを経て、05年真打に昇進します。

さすがお話のプロです。落語家になるきっかけや、テレビ「Qさま」に高学歴タレントとして出演したエピソードを笑いを交えてお話していただきました。

また、鍛え抜かれたからだは日々のウエイトトレーニングの賜物です。全国各地を飛び回る多忙なスケジュールに耐える体調管理としてのプロのお姿でもあります。

 

【参加者全員の自己紹介】

次に参加者全員の簡単な自己紹介を行いました。参加者の皆さんもだいぶ「場」に慣れてきたようです。ケーキは「山梨県産白桃とシャンパンのヴェリエーヌ」が一番人気でした。甘さ控えめの「ストロベリーショートケーキ」も絶品です。

ケーキ

 

【フリートーク『「めんどうくさい人」の接し方、かわし方』】

ここからは、座談会です。読む楽しみを奪わないように本文の内容を数か所ほど掘り下げて意見交換をおこないました。とは言えサービス満点の裏話大公開!あらゆる角度から談慶師匠の魅力に迫ります。

 

■P59 ”人は「めんどうくさい」からしか磨かれない。”

本書でも談慶師匠にとって人生で一番めんどうくさかった時期・前座時代が一番色濃く、そして面白く描かれています。立川談志師匠に夜中の3時に呼び出されて一晩中ほうれん草をゆでた話は読む側にとっては絶品エピソードでしょう。

 

■P289 ”女性に嫌われてしまったらそれは「死刑判決」を意味します。とにかく女性は一度嫌いになったらおしまいです。”

■P299 ”もてる秘けつ、それは男女問わず「安心感」なのでしょう。”

女子だらけです。盛り上がらないわけがない話題です。「安心感??男性は危険な女性に惹かれるものでは??」との質問に談慶師匠もタジタジでした。談慶師匠の好みの女性の話や甘い香り漂う話題がたくさん出ましたがそこはご想像にお任せします。

 

間の取り方が絶妙に上手く、相手を尊重しながら周囲を包み込むように会話を進める談慶師匠。ご本人は落ち着きのない性格とおっしゃっていましたが、誠実な人となりを感じました。”微に入り細を穿つ”ですね。

 

【質問コーナーと写真撮影】

最後の質問コーナーでは「落語」を中心に、写真撮影は華やかに行われました。談慶師匠を落語の道へと導いた演目「らくだ」はおすすめとのことです。寄席が身近に感じられるきっかけとなりました。

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【宴もたけなわではございますが、そろそろお開きの時間でございます】

あっという間の2時間で本当に楽しかったです。勢いが止まらず全員が2次会へ参加するという盛り上がりぶりでした。立川談慶師匠!参加者のみなさま本当にありがとうございました!

参加者のみなさま、読後にまたお会いしましょう!

 

加筆、訂正等承ります。気軽にご連絡を頂きたくお願い申し上げます。

 

第1回(7/31)ブランチ横浜読書会

■参加者7名(男性1名、女性6名)、初参加は1名でした。

 

お待たせしました!第1回ブランチ読書会、フリートーク中心の読書会としてスタートしました。利便性の高い、みなとみらい線「馬車道駅」直結、JR線・地下鉄「桜木町駅」徒歩5分。周辺のみなとみらい地区も堪能できるYCCヨコハマ創造都市センターが今回の会場です。歴史的構造物を用いた建物は天井が高く開放感があり、白を基調にしたお洒落な店内は満足度の高い空間です。

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11時開催という比較的余裕のある設定はストレスも少なく皆さんに好評でした。しかもブランチ&読書会とお得感のある時間の使い方をしても、まだ午後のスケジュールがたっぷり取れるほど一日に余裕があります。

今後はメッセージカードを送ったり、本の交換会など参加者同士のコミュニケーションを中心に盛り上げていきたいと考えております。よろしくお願いします!

 

そして今回は「あなたはこの状態に耐えられますか?」と問いたくなるくらいな男性一人の参加でした。ハーレムと思うか、ひとりぼっちと思うかはあなた次第です!いろいろな意味で記念すべき会となりました。

 

それでは読書会スタートです。

【ご紹介の本】

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※『旅をする木』が2冊…

 

『かくれた次元』エドワード・T・ホール

かくれた次元の詳細を見る
「空間」をテーマにした一冊。空間が人間にとってどのような影響を及ぼすのか文化人類学の観点から考察する。文化の違いから五感で感じ取る内容も変わる。こうしたかくれた次元の違いに気付かせてくれる一冊。
 
 
『実りを待つ季節』光野桃
実りを待つ季節 (新潮文庫)の詳細を見る
 著者の父への想いは深い。素直に言えない気持ちだからこそ一冊の本に纏められている言葉ひとつひとつが読む者の心を奮い立たせる。父の最期のシーンは涙なしでは語れない。
 
 
『すべてはモテるためである』二村ヒトシ
すべてはモテるためである (文庫ぎんが堂)の詳細を見る
キュートな表紙にだまされてはいけない。まして、軽い文章につられて読み進めると、深みにはまる。本書は傷つくことから始まる。そして、考え、自分自身と向き合い悩み、行動に出ようと説く。
 
『モリー先生との火曜日 』ミッチ・アルボム
 

モリー先生との火曜日の詳細を見る

死を間近にひかえたモーリー先生とかつての教え子ミッチとのふれあいを描く。授業は毎週火曜日、テーマは「人生の意味について」。動かなくなった体でモーリー先生は幸せそうに人と触れあう。今この瞬間を大切に生きよう。
 
 
『プラネタリウムを作りました。』大平貴之
プラネタリウムを作りました。 7畳間で生まれた410万の星、そしてその後の詳細を見る
幼少期、紙に塗った夜光塗料を部屋の壁に貼り付けて夜空を再現した著者。そんな手作りのプラネタリウムから息をのむ美しさを体験し、プラネタリウム製作の世界最高まで上り詰めた。夢中になることの奇跡に迫る。
 
 
『プラネタリウム男』大平貴之
プラネタリウム男 (講談社現代新書)の詳細を見る
著者が魅せられ今なお追い続けるプラネタリウムは彼にとって何であろうか?本書はより美しい星空を求めてプラネタリウム作りに取り組んできた記録であり、その心を書き記したものでもある。
 
 
『植物は<知性>をもっている』ステファノ・マンクーゾ
植物は<知性>をもっている―20の感覚で思考する生命システムの詳細を見る
地球上の全生命の99%を占める植物の複雑な生命システムを説く。「知性」の定義を柔軟に考え、かつ伸びやかな発想で考察してみると、植物は五感で感じ脳で考え行動しているかのように振る舞っていることに気付く。
 
 『旅をする木 』星野道夫
旅をする木 (文春文庫)の詳細を見る
※第24回横浜読書会 でご紹介頂いております。   
アラスカの広さと静けさ。そのなかで天と地と人が織りなす物語を、暖かく語りかけてくるエッセイ群。
 
 
『要点で学ぶ、デザインの法則150』William Lidwell
要点で学ぶ、デザインの法則150 -Design Rule Indexの詳細を見る
デザインの価値は日常に溶け込まれ見過ごされる傾向にある。そんな時代を超えてもなお錆びることのない必読のデザインの要点を150の法則から学び取ろう。ビジネスパーソン必読の書。
 
 
参加者のみなさま、ありがとうございました。
 
加筆、訂正受け付けております。気軽にご連絡を頂けると嬉しいです。 

第4回(6/26)女子限定・横浜読書会

■参加者5名、初参加は2名でした。

 

今回は当日キャンセルも数名おり、少なめの5人の参加。さみしい?と思いきや、いえいえ、全く問題ありませんでした。皆さんのコミュニケション力の高さに脱帽です。おかげさまで見事なまでに盛り上がりました。各人の「香りある個性の華」のバランスとして5人が丁度よいと感じ、日常の話題と読書の話が織り交ざり、程良く過ぎた2時間でした。

さて、本のお題は「女性作家」。「アゴタ・クリフストフが女性?!木内昇も女性?!」という衝撃の事実に「女性作家なのだけれど男らしい作風の本」のような読書会になってしまいました。そんな偶然を楽しんだ第4回女子限定横浜読書会KURIBOOKSスタートです。

 

【ご紹介いただいた本】

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『悪童日記』 アゴタ・クリストフ

悪童日記

ハンガリー生まれの女性亡命家の衝撃の処女作。戦時下の混乱をしたたかに生き抜く双子の兄弟。淡々と綴られる彼らの物語は傑作と呼ぶにふさわしい。

 

『花宵道中』宮木あや子

花宵道中 (新潮文庫)の詳細を見る
江戸を生きた遊女たちの儚くも美しい恋愛短編集。絡み合う物語を繊細な文章と美しい内容で仕上げる優美さは、さすが女性作家。
 
 
『こちらあみ子 』今村夏子
こちらあみ子 (ちくま文庫)の詳細を見る
家族や学校から取り残された少女「あみ子」の日常を描いたストーリー。罪の意識のない純情は自らにないものに対する憧憬と憎悪の対象。
 
 
『春になったら苺を摘みに 』梨木香歩
春になったら苺を摘みに (新潮文庫)の詳細を見る
日本人の著者が英国、米国、カナダにおいて様々な人と出会い、その土地の文化に触れたエッセイ集。透明感のある言葉の源泉が本書には存在する。
 
 
『富士日記〈下〉 』武田百合子
富士日記〈下〉 (中公文庫)の詳細を見る
独創的で自由な感性の持ち主の著者。下巻は夫の武田泰淳の死を通して夫婦の絶妙な心理描写を秀逸に描く。  
 
『精霊の守り人』上橋菜穂子
精霊の守り人 (新潮文庫)の詳細を見る
ファンタジックな異世界を描く児童文学書。文化人類学研究者の冒険物語は、大人が読んでも充分に納得のいく世界観だ。
 
 
『新選組 幕末の青嵐』木内昇
新選組 幕末の青嵐 (集英社文庫)の詳細を見る
 「新選組」に纏わる歴史小説。それぞれの登場人物の考え方や視点が絡み合い、時間軸によってまとまり、歴史の流れが動き出す。
 
 
『地虫鳴く』木内昇
地虫鳴く―新選組裏表録 (集英社文庫)の詳細を見る
同じ新選組でも泡沫隊士を主人公にした物語。その時代のイデオロギーに翻弄されつつ人としてどう生きるのか。本書を読んで深めて欲しい。
 
 
『夢見つつ深く植えよ』メイ・サートン
夢見つつ深く植えよの詳細を見る
生の神髄を惜しみなくさらけ出し、人生の意味を問いかける著者。小さな一軒家に住み、大自然と闘い、自らと対峙する。本文の実りある言葉を摘み取ろう。
 
 
参加者の皆さま、ありがとうございました。
 
加筆、訂正受け付けております。気軽にご連絡を頂けると嬉しいです。
 
 

第4回(4/30)考える横浜読書会『幸福論』

■参加者15名(男性6名、女性9名)

初参加の方は5名でした。

 

今回の課題の本はアラン『幸福論』です。

身近な題材を使い、日常に例えた「幸福」についての内容です。プロポ(断章)と呼ばれる便せん2枚程度の短くて独立したコラム的な形式で書かれているため気軽に読めたかなと思っていたのですが、ほとんどの方が読み進めるのに辛かったとの意見でした。説教じみて辛くなるとのお話もありました。哲学書は体系的な論述式の方が読みやすいのかも知れません。

翻訳者によって意味の解釈が違って伝わっていました。「読んでいてビジネス書のようだった」と感想を述べた方の本は、ビジネス書の翻訳を多く手掛ける村井章子さん翻訳の『幸福論』でした。

ラッセル『幸福論』を熟読してきた方がいました。高度なギャグセンスをお持ちだなと思ったら、本気のようでアラン『幸福論』は読んでいないとのこと。それでも皆さんの意見と対比させて、冴えわたる考察と鋭い質問は圧巻でした。さすがです。

【ご紹介いただいた本】

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※ラッセル『幸福論』を探してみてね。

 

また、たくさん意見の出た「情念」。「情動」の方が適切ではないかとの意見も出ました。「情念」は気持ちを念じる怨念のようなイメージが強く、マイナスに捉えがちとの理由です。

そこで哲学者のご回答をいただいております。

”心と身体を分けて考える近代の二元論的な思考形式においては、人間の心の動きは、動機や情動(エモーション)という擬似力学的なカテゴリーでスタンドアローンに説明されます。これらの新しいカテゴリー(18世紀以後に登場)に対して、情念(パッション、パトス)というのは、身体から心への因果作用の素朴な肯定に基づく、古代以来の古いカテゴリーです。アランは、行動や習慣を変えることで心をコントロールしようとするので、近代のカテゴリーに乗っからずにあえて「情念」を語っているのだと思います。”

なるほど!難しい~!

 

以下、アラン『幸福論』の深みに迫ります。

▶おすすめのプロポ

93のプロポの中から皆さんが選んだ栄誉あるプロポをご紹介します。(岩波文庫)

1.名馬ブケファラス

2.いらだつこと

4.ノイローゼ

10.アルガン

12.ほほ笑みたまえ

13.事故

15.死について

19.あくびの技術

20.気分

21.性格について

22.宿命

27.欲すること

28.人はみな、己が欲するものを得る

35.家庭の平和

36.私生活について

37.夫婦

47.アリストテレス

48.楽しい農夫

51.遠くを見よ

52.旅行

53.短剣の舞

61.死者のための祭儀

73.上機嫌

78.決断拒否

80.新年おめでとう

82.礼儀正しさ

91.幸福になる方法

93.誓わねばならない

あくびとリラックス効果、フランスのお年玉の風習、上機嫌であること、意志と行動等、様々な意見と感想が述べられました。参加者のみなさま、ありがとうございました!

 

▶アランとは?

アランとはペンネーム。本名はエミール・シャルチエ。1868年3月3日、フランス帝国ノルマンディー地方に生まれます。獣医であった父親の生態学的経験知を体で学び、パリやフランスの各地の高校で、哲学の1教師として生涯を貫いた人物です。

芸術をこよなく愛する高校教師でありながら社会的な事件に対して積極的に発言しメディアとも積極的に関わります。リベラルな共和派として政治活動や講演活動にも参加。新聞への寄稿も精力的に行います。40代後半で従軍したこと、晩年まで独身であったことも付け加えたいと思います。

1951年6月2日(83歳)に亡くなるまで執筆活動を続けました。

 

▶『幸福論』とは

第1次世界大戦前後に執筆した新聞の投稿記事のなかから、「幸福」をテーマとしたものを集めた書です。プロポで書かれているため拾い読みできる気軽な「幸福論」。今なお世界の人々に読み継がれています。

 

▶「世界三大幸福論」

スイスのカール・ヒルティ、イギリスのバートランド・ラッセルと並んで「世界三大幸福論」の一つと称されるのが、アランの『幸福論』です。

 

▶アランは幸福であったか

この問いに対して、アラン本人は”「幸福」というものはあるものではない。あるのは「幸福」であろうとする意志と活動と責務だけ。”と説いています。

 

ありがとうございました!またお会いしましょう。

加筆、訂正等受け付けております。気軽にご連絡を頂きたくお願い申しあげます。

第3回(3/12)考える横浜読書会『散るぞ悲しき』

■参加者11名(男性6名、女性5名)

初参加の方は3名でした。

 

戦争で亡くなられた方、そしてこの時代を生き抜いた方へ 慎んで哀悼の意を捧げます。

 

参加者は13名、20代から70代までの年齢層、男女の比率もバランスよく稀有な会でした。活発な意見交換ができた理想の読書会だったと感じます。

 

全員がこの読書会をきっかけに本書を読んだとのことでした。大変ありがたく、また大変嬉しく思います。本書のような優れた作品は沢山の方に読み継がれて欲しいと願います。

 

読書会の中では「太平洋戦争」に関する貴重な意見や、「戦争とは」の問いなどに全員で考える場面がありました。信頼関係の上に拮抗した意見を交わすことができたと思っています。

 

それでは本文に進めてまいります。

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▶『散るぞ悲しき』内容

硫黄島の戦い。

日本兵・2万に対して米兵・6万と圧倒的不利な戦いでした。しかし「五日で落ちる」と言われた硫黄島を36日間にわたって持ちこたえます。武器もなく補給も途絶えたこの島で戦いぬかねばならなかった、兵士たちの苦しみと悔しさ。水不足に苦しみ「地獄の中の地獄」と言われた人間の極限状態の中で、最高指揮官・栗林中将は何を求め、何を考えたのでしょうか。戦場に赴いても詩人でもあり歌人でも有り続けた彼は、自決を禁じ血の一滴まで戦うことを命じる、戦術思想においては徹底した合理主義者でした。本書は栗林中将の人物像をきめ細やかに描いています。

 

▶『散るぞ悲しき』きっかけ

彼は、遺書として硫黄島から家族に宛てた手紙を41通ほど残しています。

著者はその中の、お勝手のすき間風を気にしている一節に心惹かれます。

 

お勝手のすき間風。

 

出征直前には天皇に拝謁して直接激励されるという名誉に浴しているその彼が、最後の心残りとして記したのが、留守宅の台所だったという事実。

職業軍人である男の美学とは対照的な生活味溢れる栗林中将の手紙を手に取り読んだところから本書の取材はスタートします。物書きとしての性分にスイッチが入った瞬間でした。

 

▶『散るぞ悲しき』タイトル

国の為重きつとめを果し得で 矢弾尽き果て散るぞ悲しき

仇討たで野辺には朽ちじ吾は又 七度生まれて矛を執らむぞ

醜草の島に蔓るその時の 皇国の行手一途に思ふ

 

大本営宛てに発せられた決別電報の最後に栗林中将の辞世の句が三首添えられています。

エリート軍人たる栗林中将が、いたずらに将兵を死地に追いやった軍中枢部への、ぎりぎりの抗議ともいうべき感情がちらつく一首目の最後「散るぞ悲しき」が「散るぞ口惜し」と改竄されていたことがタイトルである『散るぞ悲しき』の由来です。

 

▶『散るぞ悲しき』著者

1961年生まれ、当時まだ40歳代でした。戦争を知らない世代に属する著者が資料の少ない硫黄島作戦について魂を込めて書いています。過不足のない構成と文脈は読みやすく、醗酵された文章は取材の深さと比例しているように思います。

 

 

▶『散るぞ悲しき』星条旗

星条旗を掲げるためのポールは、日本軍が雨水を集めて利用するために作った貯水槽に取り付けられていたもので日本兵の命を繋ぐ道具でした。

 

▶『散るぞ悲しき』参考文献

P19『戦史叢書』

P67、71、72、104『闘魂・硫黄島』

P253『硫黄島』

P83『硫黄島ああ!栗林兵団』

P86『硫黄島の星条旗』

P301『失敗の本質』

P302『夜と霧』

※本書には載っていませんが、あわせて読みたい一冊

『17歳の硫黄島』

※映画化として「硫黄島からの手紙」「父親たちの星条旗」がある。

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最後に、唯一今回残念なこととしては、時間が足りなかったことでしょうか。個人的には栗林中将が大本営の方針に対して幾度となく批判を行っており、戦訓の詳細に焦点をあてて意見交換したかったと思いました。

ありがとうございました!またお会いしましょう。

加筆、訂正受け付けております。気軽にご連絡頂きたくお願い申し上げます。

第3回(4/24)女子限定・横浜読書会

■参加者6名、初参加は3名でした。

 

お題は「友だち」です。絵本が多かったのは大きな気付きでした。「友だち・友情・親友」は絵本が得意とするテーマなのですね。確かに最近の小説やビジネス書など、直ぐに思い浮かぶ本はありません。どちらかと言うと、教科書で読んだ福沢諭吉『こころ』、武者小路実篤の『友情』や太宰治の『走れメロス』の文芸書に偏りがちです。

親友に定義があるとしたら、みなさんはどのように考えますか?年を重ねる度にその答えは変わるかもしれませんが「お互いの幸せを願える関係」との話に全員が大きく頷いていました。また、たとえ年賀状を交わすだけの間がらであっても、あらゆる人生の転機を迎えても繋がりを持ち続けていられることは貴重な友達でしょう。大切にしたいと思います。

友だちに関する感動的なエピソードやちょっと怖い話(笑)も女子会ならでは。単純と誠実さが込められているからさっぱりしていて後に引かない。まことに寛容おおらかな会でした。

実際、本を手に取ってそのサイズ感や色合いを感じて欲しい今回の本達に捧げる第3回横浜読書会KURIBOOKSスタートです。

【ご紹介頂いた本】

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『ぼくたちと駐在さんの700日戦争〈1〉』ママチャリ

ぼくたちと駐在さんの700日戦争〈1〉(小学館文庫)の詳細を見る
『ぼくたちと駐在さんの700日戦争〈3〉 』ママチャリ
ぼくたちと駐在さんの700日戦争〈3〉 (小学館文庫)の詳細を見る
主人公・ママチャリとその仲間たちの「友情」を描いたおバカで笑える青春ストーリー。彼らの敵は、もちろん駐在さん。横書きの本を甘く見てはいけない。悔しいくらいに大爆笑すること間違いない。
 
 
『開口閉口』開高健
開口閉口 (新潮文庫)の詳細を見る
「黒メガネが、いきなり倒れるとき」黒メガネとは野坂昭如のこと。仕事仲間である彼は、サウナでも黒メガネを外さず、その表情をうかがい知ることはできない。どこから読んでも、何度読んでも面白いエッセイ集。
 
 
『目のつけどころはシニアに学べ』根本明
目のつけどころはシニアに学べの詳細を見る

たとえば40歳年上の人生の大先輩と良い関係を築けたとして、果たしてあなたは彼を「友人」とよべるだろうか。囲碁を通して世代を超えた友人を築く新たな世界を描く。

 

『コルシア書店の仲間たち』須賀敦子

コルシア書店の仲間たち (文春文庫)の詳細を見る

著者がミラノで暮らした際、生活の中心だったコルシア書店とその周辺の「仲間たち」の物語。ノスタルジックな感傷を空虚とせず、静謐に書きあげた一冊。

 

『トゥートとパドル―』ホリー・ホビー

トゥートとパドル―ふたりのすてきな12か月の詳細を見る
内向的なパドールと外交的なトゥート。性格がまるで正反対のふたりは一緒に暮らす「仲良し」な関係だ。ある日トゥートが大旅行へと出かける事になる。絵が繊細でかわいすぎる。
 
 

『うさこちゃんのだいすきなおばあちゃん』ディック・ブルーナ

うさこちゃんのだいすきなおばあちゃん (4才からのうさこちゃんの絵本セット1) (ブルーナの絵本)の詳細を見る

『うさこちゃんと たれみみくん』ディック・ブルーナ

うさこちゃんと たれみみくん (3才からのうさこちゃんの絵本セット2) (ブルーナの絵本)の詳細を見る

新しくクラスに来たダーンは耳がたれている男の子。「お友だち」のダーンが「たれみみ」と呼ばれることに心を痛めるミッフィーは勇気を持ってみんなにあるお願いをすることに・・・。他『うさこちゃんのだいすきなおばあちゃん』

『ミッフィーからの贈り物 』ディック・ブルーナ

ミッフィーからの贈り物 ブルーナさんがはじめて語る人生と作品のひみつ (講談社文庫)の詳細を見る
※こちらも絵本とあわせてご紹介。
 
 
 
『スロウハイツの神様(上) 』辻村深月
スロウハイツの神様(上) (講談社文庫)の詳細を見る
『スロウハイツの神様(下) 』辻村深月
スロウハイツの神様(下) (講談社文庫)の詳細を見る
新進気鋭のクリエイター6人が暮らすスローハイツ。性格の異なる個性が魅力的に描かれ、友人関係の繋がりがとても良く書かれている。スーの恋事情を友情はどこまで支えられるか。

 

『夜のピクニック 』恩田陸

夜のピクニック (新潮文庫)の詳細を見る

高校行事最後の歩行祭。それは夜を通して80キロの長距離をただひたすら歩く伝統行事のことだ。親友たちと想い出を語りつつ歩く道のりに青春と一言では片づけられない葛藤もある。

 

『放課後の音符』山田詠美

女子高生の恋愛を絡めた8つの短編集。新鮮な気持ちを美しい言葉で表現している。放課後が好きな女の子たちへ筆者が贈る物語。
 
 
『ここはグリーン・ウッド 1 』那州雪絵

ここはグリーン・ウッド 1 (白泉社文庫)の詳細を見る

80年代の「はなとゆめ」を代表する傑作。名門男子校の寮を舞台に繰り広げる鮮やかな学園生活。お互いの関係の距離感覚を微妙にはかりながらクラス寮生活の楽しさと青春生活をピュワにお届けする。

 

参加者の皆さまありがとうございました。

加筆、訂正受け付けております。気軽にご連絡を頂けると嬉しいです。

 

※(2/20)港北区生涯学級「本からつながるひととまち」

快適な空間は使う人の知恵が織り込まれています。

本棚に納められた書籍と目線の高さがほどよく一致する心地よさや、手の届く高さに納まる本達の絶妙な位置感覚を港北図書館に感じました。

 

そんな港北図書館の会議室にて、小雨の降る2月20日(土)13:30-15:00 「本をきっかけに人とつながる地域とつながる 平成27年度港北区生涯学級「本からつながるひととまち」」の第5回「本をきっかけに気軽に交流!読書会体験」を行いました。区役所とボランティアの方が一緒に講座を運営されており、いたれりつくせりの環境に本当に感謝いたします。年齢、職業、性別問わず14名の参加、最終回のセミナーと言うこともあり、皆さん顔見知りの様子で和やかな雰囲気の会となりました。

 

今回の参加者の方たちの特徴はプレゼンテーション能力の高さでしょうか。起承転結に彩られた内容に実体験を折込み、6分程度に上手く纏めて発表していました。本の選び方には慎重な方が多かったように思います。散々迷って絵本を持参したという方が数名いらっしゃいました。また、第3回で作成したオリジナルブックカバーや第4回の講義に関連した本を持参した方もいて、本をきっかけに人や地域のつながりを肌で感じた1時間30分でした。

 

それでは第5回「本をきっかけに気軽に交流!読書会体験」スタートです。

 

【ご紹介いただいた本】

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『摘録 断腸亭日乗』永井荷風

摘録 断腸亭日乗〈上〉 (岩波文庫)の詳細を見る
明治から昭和を生きた文豪・永井荷風の日記。著者が37歳の時から79歳で大往生するまでの42年間、欠かすことなく書き綴られた日常は味わい深い。
 

『ハッピー・リタイアメント 』浅田次郎

ハッピー・リタイアメント (幻冬舎文庫)の詳細を見る
元自衛官と元財務官僚の天下り先でのエンターテイメント小説。作家本人の実体験を基に創作された作品だけあってリアリティ満載だ。
 
『書店ガール 3 』碧野圭
書店ガール 3 (PHP文芸文庫)の詳細を見る
 
『書店ガール 4 』碧野圭
書店ガール 4 (PHP文芸文庫)の詳細を見る
書店員たちの日常を描いた物語。就活で進路に悩む愛奈の姿や、正社員として新たな人生を歩む彩加に、自分と重ね合わせて読んだ人も多いはず。
 
『だいじょうぶ だいじょうぶ』いとうひろし
だいじょうぶ だいじょうぶ (講談社の創作絵本)の詳細を見る
 ぼくとおじいちゃんの心温まる物語。幼かったぼくはおじいちゃんの安心感の中で育つ。成長したぼく、今度はおじいちゃんにお返しできる番。「だいじょうぶ、だいじょうぶ」
 
『100万回生きたねこ』佐野洋子
100万回生きたねこ (講談社の創作絵本)の詳細を見る
100万回生きた猫の深く感じ入る物語。自由に生きるネコは幾度となく人生を繰り返す。ある白ネコとの出会いによって生きる喜びと愛を知った不朽の名作。
 
『トコロジスト』箱田敦只
トコロジスト―自然観察からはじまる「場所の専門家」の詳細を見る
場所の専門家・トコロジストの自然観察記。身近な自然に触れてみると、その土地の歴史や地理に興味がわいてくる。日本野鳥の会が本気を出した一冊。
 
『ずーっと ずっと だいすきだよ』ハンス・ウィルヘルム
ずーっと ずっと だいすきだよ (児童図書館・絵本の部屋)の詳細を見る
家族同然の愛犬エルフィーの一生涯を描いた物語。ぼくとエルフィーは小さな頃から一緒だった。「ずーっとずっとだいすきだよ」と言葉にして伝えよう。
 
『にんげんだもの』相田みつを
にんげんだものの詳細を見る
相田みつをの永遠なる世界。心に響く書体で裸の気持ちを表現する。研ぎ澄まされた言葉運びと素朴さを兼ね備え、読む者に優しさを与えてくれる。
 
『自分の答えのつくりかた』渡辺健介
自分の答えのつくりかた―INDEPENDENT MINDの詳細を見る
 

少年期の魚・ピンキーが様々な問題に直面するも世間の常識にとらわれずに自らの頭で考え抜く。結果、自らの意思で行動して解決へと導く方法論。

 
『ロンリのちから』NHK『ロンリのちから』制作班
ロンリのちから: 「読み解く・伝える・議論する」論理と思考のレッスン (単行本)の詳細を見る
ストーリー仕立てで論理的思考力を養う方法を説く。「読み説く、伝える、議論する」そんな論理と思考のレッスン。
 
『大本営参謀の情報戦記』堀栄三
大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇 (文春文庫)の詳細を見る
元大本営陸軍部情報参謀と言う立場から太平洋戦争を見つめた本。太平洋戦争時の情報収集や解析はどう扱われたのか、情報に疎い日本組織の構造的欠陥を記す。
 
 
『14歳からの哲学 』池田晶子
14歳からの哲学 考えるための教科書の詳細を見る
14歳の悩みがちな問題に筆者自ら考え抜いた渾身の一冊。人間、一度は考えておかなければならないことがある。抽象的な観念から生きる意味まで幅広く扱う。
 
 
 
『読んだら忘れない読書術』樺沢紫苑
読んだら忘れない読書術の詳細を見る
 読書の効能と読書を効果的に読む方法をたくさんご紹介。インプットとアウトプットをバランスよく回すことで頭の回転も速くなる。
 
『111歳、いつでも今から』後藤はつの
111歳、いつでも今から: 73歳から画家デビュー、100歳超えてニューヨークへ……笑顔のスーパーレディの絵とエッセイの詳細を見る
人生をポジティブに生きるエッセンスの詰まったエッセイ集。できるかできないかではなく、やるかやらないか。著者の爽快な生き方に元気をもらおう。
 
 
『置かれた場所で咲きなさい』渡辺和子
置かれた場所で咲きなさいの詳細を見る
心が洗われるような心に響く一冊。シスターのお言葉は、彼女の歩んできた人生から得たものであるからこそ説得力がある。いつも笑顔でいることを忘れずに過ごそう。
 
『流星ひとつ』沢木耕太郎
流星ひとつの詳細を見る
新進気鋭のノンフィクションライター・沢木耕太郎が引退直後の昭和の歌姫・藤恵子に行ったインタビュー文のみで構成された作品。今、34年ぶりに蘇る。
 
 
 
『こっそりごっそりまちをかえよう。』三浦丈典
こっそりごっそりまちをかえよう。の詳細を見る
街をかえるためのささやかな発想をご紹介。自分の住む環境を立ち止まって考えてみよう。視点を変えることで平凡な日常を楽しくすることに出逢える。
 
『江戸かわいい動物 たのしい日本美術』金子信久
江戸かわいい動物 たのしい日本美術の詳細を見る
江戸時代の日本画のかわいい動物をご紹介。各ページに丁寧な解説が書かれており、江戸の美術を身近に感じ、現代に引き寄せてくれる。
 
 
港北区役所地域振興課生涯学習支援係、安藤様、藤井様をはじめスタッフの皆さま、大変お世話になりました。
 
ありがとうございました!
 
 
 

※(5/14)「アサーティブ」を知るきっかけ

「アサーティブ講座&横浜読書会」開催のきっかけを『自分の小さな「箱」から脱出する方法』が作ってくれました。

自分の小さな「箱」から脱出する方法の詳細を見る

本書は日本代表ラグビー選手・五郎丸歩さんが新聞に紹介したことで話題になっている一冊です。実は2001年『箱』として出版され、後に絶版になっています。良書であることから人気が高く、中古で1万円を超えて販売されていましたが、2006年『自分の小さな「箱」から脱出する方法』として生まれ変わりました。私は、そんな本の何気ない会話から「アサーティブ」を知りました。皆さんは「アサーティブ」をご存知ですか?

 

 

佐藤「大変面白かったです。と言うより、地の底まで落ちてしまうくらい反省させられる本でした。それだけインパクトが大きく、会話やコミュニケーションの考え方や意識を変えてしまう破壊力がありました。」

 

大井「そうですね。自己欺瞞による人間関係の悪化を「箱の中にいる」という表現を使ってわかりやすく説いています。会話やコミュニケーションのクセから感情の行き違いが生じてしまう。その原因は自分にあったのだ、と言うところが刺さります。」

佐藤「誰しも一度は経験したことのある身近な例をベースに書かれているので感情に落とし込みやすかったです。」

 

大井「次は具体的に何をどうやったらいいのか、疑問になってきませんか?」

 

佐藤「確かに、そうですね。」

 

大井「実はこの本のキモともいえる「相手を悪者にしたてたり、自分を被害者にすることをせず、お互いに気持ちのよいコミュニケーションと対話を続けること」は、技術的なスキルを身につけるのと同じように習得することができます。」

 

佐藤「えっ、そうなのですか。」

 

大井「自分に対して嘘をつかない誠実さ、相手が悪いというレッテルを貼らない対等さ、そして相手のせいだけではなく自分の行動の結果に対して自己責任を持つこと。実はこれらは、自分も相手も大切にして対話をするコミュニケーション法「アサーティブ」で伝えている心の姿勢と共通した考え方なのです。」

 

佐藤「「アサーティブ」?大井さんお詳しいですね。」

 

大井「『自分の小さな「箱」から脱出する方法』は読後に、実践して習慣化することが何より大切だと感じています。そのために、まずは今の自分のコミュニケーションのクセを理解し、実践的で具体的な方法を学ぶことが大切で「アサーティブ」を知ることはとても効果的なのです。私はNPO法人アサーティブジャパンの認定講師を務めています。よろしければ具体的な考え方やコツを体験してみませんか?」

 

佐藤「大変嬉しいです!ぜひお願いします。できれば横浜読書会の参加者の皆さんと一緒に体験したいな。」

 

大井「もちろん、喜んで。」

 

 

こうして大井さんにご快諾いただき、「アサーティブ講座&横浜読書会」開催に至りました。大井さんありがとうございます。

 

アサーティブは、自分も相手も大切にして伝えたいことを相手に「伝わる」ように伝えるコミュニケーションの方法です。自分のクセを理解して、具体的な考え方やコツを体験してみませんか?

 

皆さまの参加をお待ちしております。

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※大井さんのご自宅にて「アサーティブ講座」を受講しました。

大変勉強になりました、楽しかったです!

第2回(1/30)考える横浜読書会『愛するということ』

■参加者15名(男性7名、女性8名)

初参加の方は3名でした。

 

『愛するということ』を読むきっかけは?と聞かれて、大切な人から薦められたと答えた人は、

とても幸福だと思います。

 

きっとあなたは、その人から深く愛されているから。

 

今回の考える横浜読書会は『愛するということ』を課題の本として取り上げました。

 

これを機会に、どうかあなたの大切な人に本書を薦めてください。

 

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『愛するということ』は1956年に出版されたドイツのエーリッヒ・フロムによる著作です。『自由からの逃走』(”Escape from Freedom”)、『人間における自由』(”Man for Himself”)を代表作とするフロムの高尚な愛は、社会的性格に向けて書いたものと解釈するのが妥当の見方があります。人間の行動を決定する根本的な物の考え方を組織化し、全体的な理論や思想の中核として働くものを「愛」と位置付けた書籍です。

神学概念が基本にあるため、読み深めるには困難な箇所も多い印象を受けます。「無償の愛」と言われると、私たち(特に日本人)は仏教で用いられる「慈悲の心」という解釈に偏りがちで、本書で語られるアガペー(キリスト教における神の人間に対する愛)には馴染みにくさがあります。文化的背景も色濃く、現代を生きる者には多少説教じみて聞こえるかも知れません。

しかし、本書が読み継がれている理由はその解釈の振り幅の広さと深さにあると感じます。雑誌や本に引用されている一文を本文全体から見渡すと、何とも言えない納まり具合の悪さを感じることがありますが、フロムが本書で伝えたかったことと読み手の想いは必ずしも一致なくてもよいのではないでしょうか。『愛するということ』はその時々に読み手に寄り添ってくれる一冊ですから。

 

本書を自分の中で受け入れられず読み進められなかった、との意見が見受けられました。読書会の中でも「フロム愛」を充分に味わえなかったこと、申し訳なく思っております。こうして読書会後に再読してみると、読むたびに真価が増す本であることを再認識しています。ご要望を頂ければ、ぜひ第2弾として再度、取り上げてみたいと思います。ほのかな期待を残しつつ、少しだけ内容に触れていきます。

 

以下、読書会ではあまり取り上げなかった“愛は技術だろうか”についての問いをまとめてみました。本書の代表的なフレーズとしても知られている本文に迫ってみたいと思います。

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“愛は技術だろうか。”

 

答えはYES。

そしてフロムは“愛を経験するかどうかは運の問題と考えるのは誤解だ”と説いており、

理由として2つあげています。

 

  • 愛するという問題ではなく、どうしたら愛される人間になれるか、として捉えているから。
  • 愛することに問題となるのは対象であって問題ではないと言う思い込みがあり、昨今、愛は「魅力的、好都合」という価値基準で位置付けられるから。

 

愛は技術で習得できるのならば便宜上2つに分けられます。

 

  • 理論に精通すること
  • 習練に励むこと

 

そして何より自分にとって最大の関心事であること、なのです。

 

いかがでしょうか。

この「技術」という表現、日本人の思考する「技術」と差異があるような気がしませんか。「匠」などに使われる意味の「技術」ではなく、タイトルの『THE ART OF LOVING』から「ART」と解釈した方が腹に落ちる気がします。

 

最後に、参加者のみなさまからいただいた「愛から連想する言葉」を添えて終わりにしたいと思います。

【満腹感、愛されること、許すこと、狂おしい感情、無、忍耐、実践、学び、覚悟、余裕、先祖、家族愛、母性、愛おしさ、自己肯定、理解、分け合う、見返りを求めない、自由】

ありがとうございました!またお会いしましょう!

 

加筆、訂正等受け付けております。気軽にご連絡頂きたくお願い申し上げます。

第2回(2/28)女子限定・横浜読書会

■参加者6名、初参加の方は2名でした。

今回は「メンタルに関する本」をお題として様々な本をご紹介いただきました。おいしいランチをいただきながら皆さんの深い話に耳を傾け、あっという間の2時間を過ごしました。

精神的に強い人は生まれ持った資質なのでしょうか。誰もが羨ましいと感じるところですが、ある程度は訓練によって鍛えられるのだと皆さんの話やおすすめの本から学び、今回様々なヒントを得ました。視点や角度を変えれば心が楽になります。他人に相談できない悩みや問題を抱えたときに頼る本をぜひあなた自身で探して欲しいと思います。

またトランスジェンダー、発達障害など話題が多岐にわたりました。自分の置かれた環境によってメンタルを強く持たざるを得ない人は、心が折れる前にどのように対処しており、その結果どのようになったのか、一例ではありますがご紹介頂いた本から知ることができました。大変興味深かったです。自分以外の悩みを悩み貫くというのも、困った人へそっと手を差し伸べるときに役に立つかもしれません。

大変勉強になりました!参加者のみなさま、ありがとうございました。

友人、恋人、母子関係や職場の人間関係に悩むあなたへ贈る、第2回女子限定横浜読書会のスタートです。

 

【ご紹介いただいた本】

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『ありのままの私』安冨歩

ありのままの私の詳細を見る
ありのままの自分を受け入れる。マスコミからの暴力を受けつつも東京大学という職場の揺るぎない学問への信頼は性同一性障害の壁を乗り越える。
 
 
『嫌われる勇気』岸見一郎
嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教えの詳細を見る
アドラーが提唱する心理学を基に書かれた本書。嫌われるかどうかは他人が決めること。他人ではなく、自分が選ぶライフスタイルに勇気を持つことで自らを決定しよう。
 
 
『自分の人生”生きてますか』レオ・バスカリア
生きていくうえで誰もが抱える悩みに優しく語りかける本書。人生の岐路に立たされたとき、きっと本あなたらしさを取り戻し、あなたの人生を導いてくれる。
 
 
『ハゴロモ』よしもとばなな
ハゴロモ (新潮文庫)の詳細を見る
無理をして元気にならなくてもいい。周囲からのはごろものような暖かい言葉に包まれて傷ついた彼女の心は溶けてゆく。よしもとばなな的ヒーリングファンタジーの世界。
 
 
『セラピスト』最相葉月
セラピストの詳細を見る
臨床心理学やセラピストの歴史を丹念な取材によって専門的な内容まで奥深く踏み込んだ読みごたえのある一冊。本書を読むことで自分の抱える問題にも向き合うこととなる。
 
 
『執着しないこと』アルボムッレ・スマナサーラ
執着しないことの詳細を見る
過去に起きた不愉快な出来事を心に置き溜めておくと、やがて「負」のエネルギーとしてあなたを悩ませることになる。執着しないことで人生をより豊かに生きようと仏教の教えは説く。
 
 
加筆、訂正等受け付けております。気軽にご連絡を頂けると嬉しいです。
 

第1回(11/14) 考える横浜読書会『夜と霧』

『夜と霧』ヴィクトール・E・フランクル

夜と霧――ドイツ強制収容所の体験記録の詳細を見る

夜と霧 新版の詳細を見る

サイレントマジョリティの原理が成立しない「考える読書会」。13人の意見が自由に飛び交う『夜と霧』のフリーディスカッションが始まりました。

 

「強制収容所の体験」、その様態は無数に存在し、記憶を綴った書籍も多数出版されています。そんな中『夜と霧』が名著と言われ読み継がれる理由はどこにあるのでしょうか。スゴ本・DAINさん、横浜読書会にご参加いただいている読書の賢人・Tさんからいただいた感想も交え「第1回考える読書会」の様子をお伝えします。

 

▶▶▶まずは皆さんに、心に刺さった文章をあげてもらいました。

【自然に触れる】

 “そしてわたしたちは、暗く燃えあがる雲におおわれた西の空をながめ、地平線いっぱいに、鉄色から血のように輝く赤まで、この世のものとも思えない色合いでたえずさまざまに幻想的な形をかえていく雲をながめた。その下には、それとは対照的に、収容所の殺伐とした灰色の棟の群れとぬかるんだ点呼場が広がり、水たまりは燃えるような天空を映していた。わたしたちは数分間、言葉もなく心を奪われていたが、だれかが言った。「世界はどうしてこんなに美しいんだ!」“

※印象深いシーン、自然によって潜在意識が浄化される瞬間です。どんな状況下においても、人は美しいものに触れずに生きていけない、そしてその美しさを感じる心が生きる強さになるのだと思わずにはいられません。キリストの言葉「人はパンのみにて生きるにあらず」でしょうか。

【内面を奪われることはない】

 “もともと精神的な生活をいとなんでいた感受性の強い人びとが、その感じやすさとはうらはらに、収容所生活という困難な外的状況に苦しみながらも、精神にそれほどダメージを受けないことがままあったのだ。そうした人びとには、おぞましい世界から遠ざかり、精神の自由の国、豊かな内面へと立ちもどる道が開けていた。”

※反アパルトヘイト運動に尽力をつくした南アフリカ共和国の元大統領、ネルソン・マンデラは、27年間における獄中生活の中、ウィリアム・アーネスト・ヘンリーの詩「インビクタス」の一節を唱え(最後の2行I am the master of my fate,/I am the captain of my soul.)どんな運命にも負けない不屈の精神を持ち続けました。たとえ囚われの身であっても、他人に自分の心まで奪われることは決してないのです。

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【ホロコーストから学ぶ「人間」とは】

“わたしたちは、おそらくこれまでどの時代の人間も知らなかった「人間」を知った。では、この人間とはなにものか。人間とは、人間とはなにかをつねに決定する存在だ。人間とは、ガス室を発明した存在だ。しかし同時に、ガス室に入っても毅然として祈りのことばを口にする存在でもあるのだ。”

※それぞれの立場を超えて存在する人間の内側に潜む「善と悪」。自分のなかにも混在する「善と悪」も自分(人間)なのです。 ルドルフ・ヘスは収容所の所長という加害者の立場で『アウシュビッツ収容所』を書いており、興味深いところです。

そして抑制された人はどこまで残虐になれるのか、その考えに深く踏み込み世論と戦ったハンナ・アレント、そして「アイヒマン実験」の話題も出ました。アイヒマン実験とは、閉鎖的な環境下における権威者の指示に従う人間の心理状況を実験したものです。アイヒマン裁判で見せた彼の人間像は人格異常者ではなく、真摯に職務に励む一労働者の姿だったという事実を、私達はどうとらえるべきなのでしょうか。変身する能力『群衆と権力』エリアス・カネッティもあわせて読みたいところです。

【生きる意味】

“医長によると、この収容所は1944年のクリスマスと1945年の新年の間の週にかつてないほど大量の死者を出したのだ。これは、医長の見解によると、過酷さを増した労働条件からも、悪化した食糧事情からも、気候の変化からも、あるいは新たにひろまった伝染性の疾患からも説明がつかない。むしろこの大量死の原因は、多くの被収容者が、クリスマスには家に帰れるという、ありきたりの素朴な希望にすがっていたことに求められる、というのだ。”

 “ここで必要なのは、生きる意味についての問いを百八十度方向転換することだ。わたしたちが生きることからなにを期待するかではなく、むしろひたすら、生きることがわたしたちからなにを期待しているのかが問題なのだ、ということを学び、絶望している人間に伝えねばならない。”

※閉ざされた収容所内で飢えと戦い、殴られながら嘲られ、感情が消滅するくらいの苦悩の連続に意味があるのか、苦しみ尽くし虫けら同然に扱われる命に生きる意味があるのか、ということです。希望を失った人間の行動はクリスマスを過ぎた時期に大量の死者を出す結果となりました。生きる意味への問いはフランクルの最後の作品『それでも人生にイエスという』に詳しく書かれています。フランクルが生涯を通して最も考えぬいた問いは「生きる意味とは」かも知れません。

また、著者を知る上で山田邦夫氏は外せません。日本人でフランクルの第一研究者として知られる山田邦男氏は京都大学の流れを受け、西田幾多郎氏に精通した「禅の哲学」を学んできた人物です。虚無主義(ニヒリズム)と対峙してきた彼がフランクルの実存分析(ロゴセラピー)に到達するまでの過程は興味深く感じます。

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▶▶▶英訳本を読んできた方もいらっしゃいました。新版と旧版について触れてみたいと思います。

皆さん、圧倒的に新版の方が読みやすいとの意見でした。旧版は歴史的事実を軸に書かれているため、収容所の悲惨さがただただ重く伝わってしまう気がします。比べて新版は実存分析(ロゴセラピー)の解釈まで読み手が到達するように書かれていて、追体験として読み込められる強みがあるように思います。今回の読書会で本書の感想を表現力豊かに発言できた方は新版を読んだ方が多かったという理由もうなずけるところです。

また、果たして本書はすべて事実なのか、多少美しく誇張したストーリー仕立ての物語ではないか、との意見も出ました。フランクルが俯瞰的に書き上げるだけの穏やかな精神状態を保てるような体験だったとはとても思えない、との理由からです。生存者の体験記としては日本の戦艦大和の例が挙げられ、『戦艦大和ノ最期』を読むことでなにかヒントがあるかもしれません。

 

▶▶▶最後に読み比べをしてみたい本のご紹介です。

『生きがいについて』神谷美恵子

『なぜ私だけが苦しむのか』クシュナー

『夜の鼓動にふれる 戦争論講義』西谷修

『夜と霧の隅で』北杜夫

『困難な自由』エマニエル・レヴィナス

 

参加者のみなさま、DAINさん、Tさんありがとうございました。

 

皆さんの話に興奮してメモも取らずに夢中になってしまい、大いに反省しております。加筆、訂正等受け付けております。気軽にご連絡を頂きたくお願い申し上げます。

※(12/5)『本を読む人だけが手にするもの』藤原和博さん

本を読む人だけが手にするものの詳細を見る

『本を読む人だけが手にするもの』を手で触れてみる。

適度な厚さと重みは手に馴染み、ふわりとした手触りを感じる。表紙のタイトルは上品さを感じるサイズとフォントで仕上げていて、背表紙も主張が少なく本棚のどこでも収まりが良さそうだ。

ページをめくり、目を通すと、各章は程よく刻まれ、少しの空いた時間でも切りよく読み進められる。すっきりとした文章は無駄をそぎ落として記されており、ポイントとなる部分を図解で解りやすくまとめられているように思う。

著者は「藤原和博」さん。過去に義務教育初の民間校長として杉並区立和田中学校校長先生になられた方と言えばおわかりになるだろうか。書籍もたくさん出版しており『35歳の教科書』で知られる人生の教科書シリーズなど累計123万部を超える。

そんな著者のお薦めの本が巻末に余すことなく紹介されていて、高揚感が止まらなくなった。

 

これが、本書を初めて手にした時のインスピレーション。人の出会いは第一印象が大切というが、本も同じでは?と思う。

 

本書のお蔭でご縁が生まれ、株式会社日本実業出版社の川上さんと桑田さんにお会いする運びとなった。

株式会社日本実業出版社は1950年創業、大阪に本社を構える出版社だ。現在東京を中心に活動しており、主にビジネス書や一般書を多く発行している。わかる事典シリーズや学術的な書籍はロングセラーとして人気が高く、長く読み継がれる書籍を残していきたいと考える「職人魂の香りが漂う会社」と言う印象を持った。待ち合わせは、互いに座って待てるようにとカフェにしたが、お二人は秋の夜風が肌寒さを感じるお店の前で直立不動のまま佇んでいた。

礼儀正しくまじめなお二人に、早速『本を読む人だけが手にするもの』のお話をお伺いしてみよう。

 

佐藤:今日は宜しくお願いいたします。『本を読む人だけが手にするもの』の表紙は寄藤文平さんがイラストを描かれたのですね。人気急上昇の彼の絵は私も大好きです。

川上さん:解りやすく「絵だからセーフ」と言うぎりぎりの表現が上手い方です。寄藤さんはフリーペーパー『R25』の表紙のイラストを担当していたこともあり、若いビジネスマンに人気があります。本書も素敵なイラストに仕上がりました。

佐藤:となると、この本の対象は若いビジネスマンでしょうか。

桑田さん:巻末には子どもといっしょに読みたい本を紹介していますので、小中学生から高校生のお子さんを持つ親御さんも一緒に楽しめると思います。また、時間に余裕が生まれるミドルエイジの方にも馴染みやすい本かと思います。著者自身のエピソードをたくさん載せていますから、同じ時代を生きた方には腑に落ちる話がたくさん盛り込まれているのではないでしょうか。年齢、性別に関係なく、幅広い層に受け入れてもらえると思います。

佐藤:本書は「なぜ本を読むといいのか」といった読書のすすめが一冊になった本ですね。

川上さん:はい、現代社会のラフスタイルに沿った読書のすすめを提案していると思います。今後の成熟社会は本を読む習慣のある人とない人に二分される階層社会になり、本を読まない人は生き残れないとも書いています。情報処理力・ジグソーパズル型思考から情報編集力・レゴ型思考への転換が必要で、そのためには読書が最適と述べています。そして著者は別の著書『藤原和博の必ず食える1%の人になる方法』にも書いていましたが、携帯電話のゲームやパチンコでは時間管理や教養は身につかない、との考えです。情報編集力や時間管理能力、教養は21世紀型の成熟社会が象徴する「個人で決断する時代」には必要不可欠なスキルでしょう。

佐藤:そうですね。意外なことに著者は小さい頃は、本を読まない子だったと書いています。その後の人生で良き本との出会いがたくさんあり、実体験と絡み合って「本を読む習慣」が身についたようです。

桑田さん:私は『本を読む人だけが手にするもの』を読み終えてあらためて純文学が読みたくなりました。社会人として働いているとついつい自分の考えをおざなりにしたまま、日々が過ぎてしまいます。そうした基本的な人の感情、「悩み、怒り、憤り、喜び」など物語の登場人物と共に感じたいと思います。学生時代に読まずに終わった名著にもう一度チャレンジしようかなと思っています。

佐藤:その名著を読み終えたら、感想を聞かせてください。読書会へのご参加をお待ちしております。(笑)

川上さん:佐藤さんが主宰されている読書会はまさに本書が言っている「他人の脳のかけら」を自分につなげる行為ですよね。参加者の方たちの脳が作家の考える思考回路と繋がり、様々な知識や思考が蓄積され多様性が生まれます。あらゆるシーンで未来を予測するのに考察力が磨かれ、知恵として生きるでしょう。

佐藤:ありがとうございます。読書会に参加している方たちにもぜひ読んで欲しい一冊です。そして「かけら」と言う表現は、的を射る言葉だなと思いました。私は幼少期に空き地で拾ったガラスのかけらをポケットに忍ばせて持ち帰り、お菓子箱に入れて集めていました。きらきらして綺麗だったのです。今考えると割れたガラス収集なんて危険な行為ですし、変な子供ですが、当時は楽しかったことを覚えています。そんな幼かった頃の想い出とリンクしました。本をたくさん読んで偉人達の輝かしい知性の「かけら」を自分の脳に納めたいなと思います。

 

とりとめのない話はまだまだ続く。結局のところ『本を読む人だけが手にするもの』の核心に触れたかは解りかねるところだ。しかし本書を読んだ3人だからこそ楽しい場が生まれた。それは本文の「書籍を自分と相手を位置づける道具として使う」という行為そのものだった。本が年齢も職業も違う初対面の川上さんと桑田さんの心中を忖度するのに必要な道具になっていたことには間違いない。

本を読もう。本を読んで泣いたり笑ったりして楽しもう。

そして、刺激的な知的好奇心をくすぐる本と出合ったらたくさんの人に薦めよう。

本を読む人だけが手にするもの、それは良書を後世に語り継ぐバトンだと私は思う。

第1回(10/10)女子限定・横浜読書会

■参加者数6名、初参加の方は3名でした。

今回は「ダイエットに関する本」を課題の本として紹介しました。

ダイエットと言うと一般的にスリムな体を手に入れることでしょう。今回ご参加いただいた方たちは、痩せたいという気持ち以上に健康的な体を維持したいと考える方がほとんどでした。紹介された本も「ダイエット」より「食」に関する本が多く、日頃の食生活をただす上で大変参考になりました。

『粗食のすすめ』のプレゼンテーションをしながら贅沢なランチを食べる(笑)、これぞ女子の醍醐味かなと思った今回の読書会スタートです。

【紹介本】

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『粗食のすすめ』 幕内秀夫

粗食のすすめ (新潮文庫)の詳細を見る

お米を主食に日々の食事をいただく。おかずは先祖代々食べ続けてきた季節の野菜を中心に献立を考えるのが良い。日本人の体には日本の風土が培った和食が一番であり、素朴な食事が健康やダイエットにつながる。

 

『スープジャーのお弁当』奥薗壽子

奥薗壽子のスープジャーのお弁当 手づくりスープはカラダにやさしい!の詳細を見る

「具材を切って軽く調理をしてあとはスープジャーにお任せ。」そんな手軽でおしゃれなお弁当が作れるレシピ集。少ない量でも満腹感を味わえるから嬉しい。バラエティに富んだ具だくさんのスープは心も体も温まる。

 

『体幹トレーニング20』長友佑都

長友佑都体幹トレーニング20の詳細を見る

体幹トレーニングは道具を使わずに自分の重さ・自重で行うため、場所を選ばずにコツコツ続けられる。体の部位を20のパターンで鍛え上げて、筆者のような整った体系を手に入れよう。

 

『文士の料理店』嵐山光三郎

文士の料理店 (新潮文庫)の詳細を見る

22人の文士が愛した22の料理店が紹介されている。美味しい料理は文士達を唸らせ、作品を作るエネルギーの基となる。文豪が愛したレストランへ足を運び、時の流れを感じてみよう。

 

『沢村貞子の献立日記』高橋みどり、山田太一、笹本恒子、黒柳徹子

沢村貞子の献立日記 (とんぼの本)の詳細を見る

美しすぎる女優「沢村貞子」の美しすぎる「献立日記」のレシピを紹介しながら、実際に料理を再現した一冊。沢村貞子さんにご縁のある方達のエッセイも印象深い。

 

『ダイエット依存症』水島広子

ダイエット依存症 (こころライブラリー)の詳細を見る

日々の食生活を「ダイエット」に縛られてはいないだろうか。「やせたい」と思わせるような情報を自然に取り込んではいないだろううか。健康な心が健康な体を作る。

 

『ときどきベジタリアン食のすすめ』蒲原聖可

ときどきベジタリアン食のすすめ ビーガン、マクロビオテックから総合栄養学までの詳細を見る

動物性食品を避け、穀物、豆類、野菜、果物などの植物性食品を中心に摂る人びとがベジタリアン。タンパク質不足になることもない。本書を読んで正しい知識を学び、本当の健康を手に入れよう。

 

『やせる旅』都築響一

やせる旅の詳細を見る

中年男子がアジアのリゾート地を中心に「やせる旅」を紹介する。辛い断食道場の旅から始まり、いつのまにかおじさんがエステの快楽に溺れる豪華トラベルに変わっているという、脱力系読本。

 

『食べても太らない世界一美しくやせるダイエット』王尉青

食べても太らない世界一美しくやせるダイエットの詳細を見る

中国式鍼治療院の院長である筆者がストイック満載のダイエットを紹介する。先ずは胃腸の中の老廃物を取り除き、体質改善を行うというもの。実践は難しいかもしれないが大変参考になる一冊だ。

 

参加者の皆さま、ありがとうございました。

加筆、訂正など受け付けております。気軽にご連絡をいただけると嬉しいです。