REPORT
これまでの読書会
第2回(3/17)ミステリ横浜読書会『クビキリサイクル』『満願』
第一回の誕生時とはまた違う、続いていくことへの喜びを感じます。
第二回横浜ミステリ読書会を開催いたしました。
第一回で生まれた謎「ミステリ読書会は女性参加者が多い」は、今回も継続です。
桜の開花を待たずとも、華やかで春らしい雰囲気の中スタートです。
今回のお題はライトノベルと一般文芸の境界領域を開拓した「西尾維新と米澤穂信」。課題本はそれぞれ『クビキリサイクル』『満願』です。YONEの手作り資料を使って、80年代の新本格ミステリ&ライトノベルの誕生、2000年代の2人のデビュー、そして現在の境界領域への発展や2人の今を紐解きました。
今回の資料や課題本を通じて、西尾維新がミステリ作家であること、米澤穂信が青春ミステリを書いていることを知らなかった参加者もおり、作者らの現在のイメージとは異なる一面を知ることができたとの声を頂けました。
その後、参加者の方々に課題本の感想をいただきました。
西尾維新『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い』については、
・これまで表紙から読まず嫌いをしていたけれども、閉ざされた孤島に、連続殺人、警察は介入せずに、探偵が解決する。こんなにも典型的な本格ミステリを書いていただなんて驚きだ。
・エピローグの後日談が物語として面白かったという意見に対して、ミステリとして説明不十分であり、必要ないのではないか。
・戯言シリーズは小学生の時から共にあった作品で、細かい内容は薄れても、いまだに強烈に面白かったという感情が湧いてくる作品だ。
米澤穂信『満願 』については、
・バングラディッシュの背景情報などがとても詳しく、本当に体験した話のようで、入り込んでしまった。
・どの短編も、ざらざらとした後味が良くも悪くも残っており、すごい作家だと思った。
・米澤穂信の原点である青春ミステリ<古典部シリーズ><小市民シリーズ>も読んでほしい。その中で探偵たちの悩める心情は『満願』にも通ずるものがある。
など、全てを紹介することは分量的に出来ませんが、今回も沢山のコメントがありました。初めて二人の作品に触れる参加者や、傾倒している参加者もおり、多種多様な視点の読書会だからこと互いに新たな気づきがあった様子が印象的でした。
YONE