第5回(9/8)ミステリ横浜読書会『11枚のとらんぷ』

■参加者13名(男性7名、女性6名)初参加者は1名でした。

第五回のテーマは「トリックの世界 ミステリからマジックまで」とし、本格ミステリとマジックが見事に融合した泡坂妻夫の名著『11枚のとらんぷ』を課題本として読み解きました。

 

なんとそれだけではなく、今回は特別ゲストとしてプロマジシャンのYOSSIEさんをお招きしてマジックも披露していただきました。

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会は贅沢にもYOSSIEさんのマジックからスタート。音楽とともに現れたYOSSIEさんの左手には、風船。

そこへペンを持った右手を思いっきり振り下ろす。破裂音と共に目に入ったのは左手に握られたワインボトル!

そんな驚きから始まった今回のミステリ読書会でした。続けてYOSSIEさんがマジックを披露してくれます。

作中のアマチュアマジシャンクラブ・マジキクラブの面々が披露したマジックに関連したマジックをやっていただけました。紐、リング、トランプと、作中失敗ばかりのマジキクラブとは異なり、次々と成功させていきます。

巧みで愉快なコミュニケーションも心地良く、マジックの持つ魅力を堪能しました。

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続いて、自己紹介とともに本の感想をいただきました。下に記します。

・泡坂妻夫の別作品(湖底のまつり)を読んで、『11枚のとらんぷ』と全く異なる文体に驚いた。

・紋章上絵師、マジシャン、ミステリ作家と多くの異なる顔が、様々な作風を生み出し、ベストランキングでも複数作ランクインするのだろう

・泡坂妻夫という作家を初めて知った。作中に出てくる電話や電報などのアイテムこそ今では古いものとなっているが、ミステリ小説として色褪せない魅力があった。

・作中作を含んだ三部作構成が、他の小説では見たことがなく、大変ユニークだった。

・マジシャンクラブや、世界大会といった馴染みのないマジシャンの世界を知ることが出来て良かった。

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さらにYOSSIEさんからは、作中のマジシャンあるあるに共感した。加えて作中描かれたマジシャン業界の課題も本が発行された数十年前から現在まで大きく変わっておらず、今後考えていかなければならないと実感した。などマジシャンの視点でも良い本であったとコメントいただけました。

その後、YONEの作った資料で、泡坂妻夫の略歴やおすすめの本を紹介しました。

最後にYOSSIEさんからマジシャン泡坂妻夫についての解説とともに、泡坂考案のマジックを書籍から蘇らせて披露くださいました。曰く、マジシャン泡坂妻夫は非常に論理的にマジックに取り組んでいるとともに、観客から見た時に同じ結果に見えるマジックであってもあえて複雑で難しい方法で挑む、マジシャンとしての誇りと美しさを追求した人だった。と印象的な説明がありました。これは意欲的な作品を多く残したミステリ作家としての泡坂妻夫にも通ずる点だなと感じました。

さて、いつもとは趣向を変えたミステリ読書会を開催しました。様々な形の読書会で、今後も皆さまを楽しませる企画が出来たらと思います。ぜひ今後もお越しください。

※YONEさん、感想をありがとうございました。

第14回(8/25)考える横浜読書会『モモ』

■参加者18名(男性6名、女性12名)での読書会でした。

8月開催の読書会ということで、夏の課題図書のようなイメージでミヒャエル・エンデの『モモ』を課題本に選びました。いつもより人数の多い会となりましたが、いろいろな意見を聞きたかったのでグループに分けることはせず、ひとつのテーブルを囲んで全員で話をしました。

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■著者経歴
・1929年、バイエルン州に画家の息子として生まれる。第二次世界大戦末期には召集令状を破り捨てて逃亡し、反ナチス地下抵抗組織の伝令となって働いた。
・1960年、友人の勧めで書いた『ジム・ボタンの機関車大旅行』で作家デビューしドイツ児童文学賞を受賞。
・1971年にイタリアのローマに移住し『モモ』の執筆を開始、1973年に刊行。
・1979年に刊行された『はてしない物語』が大ベストセラーとなった。
・1995年、胃がんにより65歳で死去。

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■『モモ』について
ちいさな女の子モモが、灰色の男たちから人々が盗まれた「時間」を取り戻す話です。1973年に刊行されてからじわじわと評判を高め、30以上の言語に訳される世界的なベストセラーとなりました。なお表紙や挿絵はすべて、エンデ自身が描いています。

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■参加者の感想

**ちいさい「おはなし」について

「時間どろぼうがなかなか出てこないのが前半ずっと気になっていた」という意見もある通り、物語の前半は登場人物の紹介などにページが割かれています。その中でも存在感を放つのが、本筋のストーリーとは別に書かれた「おはなし」です。今回の読書会では、参加者の皆様に、事前にどの「おはなし」が特に印象深かったかを考えてきてもらうようお願いしていました。自己紹介の時に教えていただいた結果は以下の通りです。

・暴風雨ごっこ、研究船<アルゴ号>のぼうけん(第3章):7名
・女帝の金魚(第5章):3名
・マルクセンティウス・コムヌスの新しい地球(第5章):2名
・モモ姫とジロラモ王子の魔法の鏡(第5章):4名

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暴風雨ごっこのお話が最も人気が高い結果となりました。子どもの頃、時間を忘れて遊んだ記憶が蘇った、冒険にわくわくする気持ちを思い出させてくれた、等の感想が出ました。また魔法の鏡のおはなしは女性の参加者に人気がありました。モモは普段ぼろぼろの服を着ているけれどお姫様に憧れるあたりがやはり女の子だと思った、ジローラモが本当にモモを大事にしているのが良くわかる、という感想が出ました。

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**時間の倹約と灰色の男たちについて

時間を盗まれた人々が、次第に時間に追い立てられるような生活をするようになることや、灰色の男たちの正体について、さまざまな意見が出ました。

・人間は、「肉体と魂」ではなく「肉体と魂と時間」でできているのだと思った。
・効率よく仕事を済ませることで所要時間を短縮することも大事なことだと思う。
・盗まれた時間を人々に返すために、一時間という制限時間が設けられて いるのが面白い。制限時間内に事を成すには効率よく動かなくてはならないが このときの「時間を無駄にする」「効率よく動く」の意味が、時間を盗まれた 人々がやってきた「時間の倹約」とは異なっている。
・「効率が良い」ことが悪いわけではないことはエンデ自身もわかっていると思われる。忙しさに心が荒んでいくことが良くない。
・幸福を感じられる時間は無駄ではない。「時間の倹約」の結果、好きなことをするのが楽しくなくなっていくのがつらい

・時間どろぼうがどんどん増えていくのに比べて、死ぬ時のあっけなさが印象的だった。
・灰色の男たちは死者なのか?ナチスの収容所という説もある。
・時間を盗まれないモモの中には、灰色の男の部分があるのでは?

また灰色の男たちが吸い続ける「葉巻」に代わるアイテムはあるか?という話題で盛り上がりました。飴などの意見も出ましたが、「人々から盗んだ時間を消費して消える煙に変えてしまう」ところが灰色の男たちにとてもよく合っていて、葉巻に勝るアイテムはないとの結論に至りました。

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**モモという主人公について

エンデはなぜモモのような女の子を主人公にしたのか?という話が出ました。

・かわいらしいわけでもない、お金もない無力な女の子を主人公にもってきた のはなぜなのか?
・人の話を聴くだけというのは難しい。人の話を聴くのが上手というのはすごいこと。
・モモはひとりでは無力。まわりにともだちがいないときのモモの一日はとても長い。
・モモは「無用の用」のような存在で、そこにいるだけでなぜか人が寄ってくる。
・話を聴くだけで話をした相手の悩みが解決するというのは、コーチングのようだ。

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物語の最後では、モモの活躍によって盗まれた時間が人々に返されます。しかしこれからも同じように、人々の時間は灰色の男たちによって盗まれてしまう可能性は残っています。『モモ』は時代によって捉え方が異なり、読む年齢によって感じることが変わるとしても、その時々に新しい発見があり、何度も繰り返し読むことができる物語だと思います。

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※KINOさん、感想をありがとうございます。

第4回(8/1)リベンジ!ミステリ横浜読書会『どちらかが彼女を殺した』

第四回のテーマは「東野圭吾祭り」、課題本として『どちらかが彼女を殺した』を紐解きました。

しかし読書会を予定していた7月28日に台風が襲来し、残念ながら一度は中止となりました。が、溢れる東野圭吾愛は止められませんでした。ぜひ皆さんと語りたいと思い、日を改めて開催させていただきました。

なんと!そのリベンジ読書会は4日後の、8月1日の平日夜に突然お誘いしたにもかかわらず、参加者10名(男性5名、女性5名)初参加1名の方が集まりました。

ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございます!

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まずは著者の東野圭吾についてデビューから現在までを振り返りました。売れている印象が強いためデビュー後10年間の不遇の時代に「信じられない」といった声が多く挙がりました。その当時をよく知る参加者の方からは社会派から新本格に至るまで、当時のミステリ界の潮流について貴重なお話もあり大変有意義でした。

 

続いて課題本について感想を皆で発表しました。課題本は解決編が存在しないという意欲作で、犯人が二人のうちどちらかであることは明示されていますが、肝心の答えが作中に書かれていません。普段ミステリを推理せずに最後まで読む方、一度読んだ後二度目に熟考される方が殆どで、答えが書いていないことにフラストレーションが溜まったようです。作者の目論見通りでしょうか。初めて真剣にメモを取り、犯人がどちらかを考えこんだようです。また近年の作品を中心に読まれている方からは、こんなにも謎解きに特化した作品を書いていたことが新鮮だったようでした。

 

さて最後は、日本一愛されている作家であろう東野圭吾だからこそ何らかの作品に触れているということで、参加者の皆さんに課題本以外でおすすめの1作品を紹介いただき、とことん語り合いました。

 

<紹介いただいたおすすめの1作品>

・夜明けの街で

・赤い指

・容疑者Xの献身

・眠りの森

・レイクサイド

・手紙

・夢幻花

・さまよう刃

・むかし僕が死んだ家

・歪笑小説

 

ミステリ色が強い作品だけでなく、社会派作品やユーモア溢れる作品、卓越した人物描写に舌を巻く作品など、どんな切り口からも愛される東野圭吾の素晴らしさを改めて感じた素晴らしい読書会でした。

今後も新たな発見と喜びを提供できる読書会にしていきたいと思います。ご興味ある方はぜひいらしてください。

 

※YONEさん、感想をありがとうございます!

第13回(6/28)考える横浜読書会『リア王』

■参加者12名( 男性3名、女性9名、うち見学者1名)での読書会でした。

シェイクスピア四大悲劇の一作『リア王』が今回の課題本でした。 娘に裏切られ嵐の中をさまようリア王の描写が有名なシェイクスピ の代表作として世界中で読まれている古典作品です。

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■著者経歴

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1564年にイングランド中西部のストラトフォード・アポン・エイヴォン(現ウォリックシャー州)に生まれる。 父親は皮手袋商人で、裕福な家庭で育つ。18歳で8歳年上のアン・ハサウェイと結婚。このとき新婦は妊娠3か月だった。
23歳ごろロンドンに上京、早い段階から運を掴み、順調に売れっ子と なり、劇作家としても劇団の所有者としても成功していた。 晩年は故郷に戻り、1616年に52歳で死去。

■『リア王』について

シェイクスピア四大悲劇(『ハムレット』『オセロー』『マクベス 『リア王』)のひとつ。1604年~1606年頃の作と言われています。

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▽あらすじ
ブリテンの老王リアが退位し3人の娘に領土を分配するにあたって 親を想う気持ちが最も多いものに最大の贈り物を与えると告げる。 長女と次女は甘言を用いてリア王を喜ばせるが、末娘は誠実さ ゆえに率直で飾り気のない言葉を述べてリア王を激怒させ、勘当される。 実際に長女と次女に領土や財産を譲ると、二人の娘はリアを冷たく
あしらうようになり、城を追われたリアは嵐の中をさまよい狂気に おかされていく。

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▽成立
シェイクスピアの戯曲にはいずれも元ネタとなる先行作品が存在します。 『リア王』の元ネタとなる種本は『リア王と三人の娘たちの年代史劇』という作者不詳の古い劇と言われています。しかし種本を改変して『シェイクスピアのリア王』に仕立て直している ので、逆に種本と比較することでシェイクスピア独自の『リア王』浮き彫りになります。シェイクスピアのオリジナル部分として大きな点は以下です。

・グロスター親子の存在
・道化の存在
・コーディリア、リア王の死(悲劇的結末)
・嵐にさまようリア王の狂気

種本ではコーディリアがフランス軍とともに姉二人を打ち負かし、リアは王位に返り咲き、父娘ともに幸せに暮らすというハッピーエンド でした。しかしシェイクスピアはコーディリア、リアともに死ぬという悲劇的な結末として仕上げています。

悲劇として書かれたからこそ『リア王』は名作となったとも言える思いますが、あまりにも不条理な結末を迎えるシェイクルピアの『リア王』は当時の民衆にも受け入れがたかったようで、1681年に テイトによってハッピーエンドに改作された『リア王』が書かれ、 長らく『テイト版リア王』のほうが舞台で演じられていました。 悲劇としての『リア王』は1838年までずっと封印されたままだった という過去があります。

▽邦訳リスト

・坪内逍遥 中央公論社(1934年)
・齋藤勇 岩波文庫(1948年)
・福田恒存 新潮文庫(1962年)
・三神勲 角川文庫(1973年)
木下順二 講談社(1974年)
・小田島雄志 白水Uブックス(1983年)
・松岡和子 ちくま文庫(1997年)
・野島秀勝 岩波文庫(2000年)
・安西徹雄 光文社古典新訳文庫(2006年)

・大場建治 研究社(2005年)

※確認できたのは上記です。ほかにもあるかも知れません。

■参加者の感想

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 久しぶりに読むという人、シェイクスピアは好きだがリア王は初めてという人、シェイクスピア自体初めて読む人など、いろんな人が集まった読書会でした。

シェイクスピアが好きという方、ストーリーとしての面白さや意外性を堪能する方がいる一方、戯曲という形式に読みづらさを感じた方もいました。

・シェイクスピアは喜劇のほうが好きなので『リア王』は初めて読んだ。
・『リア王』は初めてだったが、面白くて一気に読んだ。
・話の流れとしてフランス王が勝つと思っていたので、まさかこんなにあっけなく負けるとは思わずびっくりした。
・悪人のたくらみがうまくいきつつ、最後はみんな死ぬのを読んで、そういえば悲劇だったと思い出した。
・内容に救いがなく、読んでいるのがつらかった。
・戯曲はとっつきにくい印象があった。
・戯曲はすべて台詞なのに、それぞれ独白部分と会話部分が混在しているのが読みにくいと感じた。
・情景の描写がないために台詞のひとつひとつの意味を自分で考えて補足していく必要があり、難しかった。

読みにくいと感じたのは、戯曲という慣れない形式だけではなく、文化的背景の違いも影響していたようです。

・道化の存在になじみがなく、どういう立場なのかよくわからなかった。
・当時のヨーロッパでは、裕福な屋敷に勝手にやってきて 住み着く人たちがいた。かれらは道化として屋敷に滞在し、主人に好き勝手なことを言って構わない立場だった。ペットのような存在だったのかもしれない。
・道化は日本の幇間とは違って、お世辞をいって主人をいい気分にさせるのではなく、かなり際どいからかいの言葉も口にする。

特に道化は『リア王』でのキーマンであったこともあり、いろいろな感想が出ました。

・道化の歌が意味が分からなかった。
・道化の歌については、原語ではおそらく韻を踏んでいるはず。
・言葉遊びのような部分もあると思われるので、原語で読まないと理解できないところがありそう。
・『リア王』の道化は狂言回しの役割。『ロミオとジュリエット』での乳母の役割に相当する。
・シェイクスピアは貴族ではないので、王家に対するコンプレックや憧れがあったのだろうと思う。道化はシェイクスピアの分身ではないか。

道化以外の登場人物についても多くの感想で盛り上がりました。

・リアが姉の悪口で10行程度使っているのがすごい。イギリス的ブラックユーモアを感じる。
・シェイクスピアの女性嫌悪を感じた。
・姉二人は悪人のように描かれているが、新しい時代の人なのであって、彼女たちから見ればリアこそわがままばかりの前時代的な存在なのだと思う。
・エドマンドは野心のある新しい時代の人という感じで、方法はよくなかったが悪印象はない。
・エドマンドの最期のやりきった感が良い。
・グロスター父子の親子愛にぐっとくる。
・話のところどころに出ていた目に関する記述は、グロスターが盲目になる伏線ではないか。
・コーディリアはいい子ではあるのだが、重みがないように感じた
・ケントの生き方に違和感があった。なぜそこまでリアについていのか?戦国時代のような忠臣ぶり。
・ケントは最終的に生き残ったように見えるが、旅に出るというのリア王に殉じて死ににいくということだろうか?
・服を脱ぎ捨てていくリアが印象的。これまで何でも持っていた王 どんどん捨てていく。
・お手製の冠を作って被るリアに笑ってしまう。
・嵐の中で狂気におかされていくリアの迫力がすごい。
・すべてを持っている王の満たされなさを感じた。
・権力のある人が役を降りた後の姿を目の当たりにした気持ちになった。
・年を重ねるとお世辞しか受け付けなくなるものだなと感じた。

さまざまな感想が飛び交いましたが、皆さんシェイクスピアの悲劇『リア王』を存分に味わっていただいたようでした。

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

※KINOさん、感想をありがとうございます!

第3回(5/26)ミステリ横浜読書会『ミレニアム』(上・下)

■参加者12名(男性6名、女性6名でした。見学者・初参加は0名です。

 

第三回のお題は「映画化されたミステリ小説」、課題本として『ミレニアム1 ドラゴンタトゥーの女』を読み解きました。

[スティーグ・ラーソン, ヘレンハルメ 美穂, 岩澤 雅利]のミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女(上・下合本版) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 まず、自己紹介とともに見たことのあるミステリ映画を伺ったのですが、「羊たちの沈黙」が年代性別を問わず多く挙げられました。レクター博士の強烈な印象は小説/映画ともに忘れられないですよね。

 次にYONE資料を用いて、スティーグ・ラーソンやミレニアム三部作について、またミステリにおける小説/映画の違いと楽しみ方をお話ししました。

社会批判を含む北欧ミステリというジャンルに興味をもっていただけたようです。

その後は、参加者の方々に課題本の感想や、印象に残るシーン、映画(スウェーデン版orハリウッド版)の感想をお聞きしました。いくつか紹介させていただきます。

 

・たくさんの登場人物がいたので、ノートに名前を書いて整理しながら読み進めた。

・スウェーデン版の映画のミカエルがどうしても受け入れられない。

ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女 [DVD]

・リスベットが格好良い女性で大ファンになった。

・上巻は冗長に感じたが、下巻の盛り上がりは素晴らしく一気に読み進めた。

・ミレニアム2、3とどんどん面白くなるので読んで欲しい。

・ミステリ要素がスパイスになっており、最高のエンターテイメント作品だと思う。

・真犯人の豹変が魅力的で引き付けられた。

・社会性を含んだ物語がこうも読みごたえあるものだとは考えていなかった。

・ハリウッド版映画のラストシーンときたら、胸が締め付けられる思いだ。

ドラゴン・タトゥーの女 [DVD]

などなど、たくさんの感想を頂けました。会の中ではネタバレありでした。積極的な意見が交わされて自分では気付くことのできなかった発見も多く、新鮮な気持ちで読み説くことができました。

今回は初めての翻訳作品、そして上下巻と長い作品を選びましたが、参加者の人々が満足たる読書体験ができたとのことで嬉しい限りです。

 今後も色々なテーマ・作品にチャレンジしていきたいと思います。皆さまの参加をお待ちしております。

※YONEさん、感想をありがとうございます!

第12回(4/28)考える横浜読書会『忘れられた日本人』

■参加者15名(男性7名、女性8名、うち見学者3名)でした。

「歩く学者」と言われた宮本常一の代表作『忘れられた日本人』が今回の課題本でした。主に西日本の農村に暮らす庶民や旅人たちの話をまとめたもので、彼ら自身の人生に裏打ちされた重みのある言葉が随所に出てくるのが印象的な作品です。

■著者経歴

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1907(明治40)年、山口県周防大島に生まれる。農家に生まれ、家を継ぐつもりでいたが、学校の成績が優秀だったために大阪に上京。小学校に赴任するが、1930(昭和5)年に肺結核を患い、郷里に戻る。療養生活を終えて教職に復帰したのち、1934(昭和9)年には柳田国男に、1935(昭和10)年には渋沢敬三に出会う。それまでも民俗学に興味を持ち独自に民話の収集等を行っていたが、ついに教職を辞して各地を旅し民話を採集する生活に入る。戦後には農業指導の傍ら全国の農村を歩くなど、生涯にわたってフィールドワークを続けた。ノートや録音機を持たずにただ話を聞き、宿に帰ってから文字に起こしたという。1981(昭和56)年、胃がんにより73歳で没。

■『忘れられた日本人』について

忘れられた日本人 (岩波文庫)

1960(昭和35)年に刊行された、宮本常一の代表作のひとつ。「民話の会」の機関誌『民話』に「年寄たち」と題して連載されたものに他の雑誌に載せたものや新たに書き下ろした文章を加えて一冊にまとめたもの。主に西日本の農村で収集した民話が収められている。

■参加者の感想

『忘れられた日本人』で語られるのは昭和の西日本の農村での人々の暮らしですが、現代日本との生活の違いにカルチャーショックを受けたという声が上がりました。印象に残った箇所を皆さんに聞いてみたところ、「土佐源氏」「女の世間」
を挙げた方が多くいらっしゃいました。性生活の違いやあけっぴろげな語りが印象深かったようです。

※坂本長利の一人芝居「土佐源氏」が有名

 

・「女の世間」の最後の一文が心に残った。

 引用)「女たちのはなしをきいていてエロ話がいけないのではなく、エロ話をゆがめている何ものかがいけないのだとしみじみ思うのである。」

・「土佐源氏」に人間の悲哀を感じた。

・「土佐源氏」を読んで、あまりの自由さにカルチャーショックを受けた。

・「女の世間」や「土佐源氏」で語られる夜這いの話に衝撃を受けた。夜這いは合意の上でのものだったことを知った。

・自分にはとても夜這いはできないので、この時代に生まれなくて良かったと思った。

・昭和の農村の話であり、現代からみてもそこまで時代が違うわけでもないのに、現代とはずいぶん暮らし方が違うことに驚いた。

・四国出身のため、語られている農村の暮らしが地続きの郷土史のように感じられ、ざわざわした気持ちになった。

また個々の話や全体については、以下のような意見が出ました。

・「村の寄りあい」を読んで、閉じた社会である村の暮らしでは話し合って互いに納得するプロセスが大切なのだと感じた。

・「名倉談義」を読んで、流通の変化が人々の生活に及ぼした影響が大きかったことを改めて感じた。

・「名倉談義」を読んで、年寄が大切にされているのは、年寄だけが握っている情報があったからなのだなと納得した。

・「子供をさがす」で、村全体で子どもを育てていた話を読んで、自分も親だけでなく、同じ通りの人全体に育てられていたことを思い出した。

・「梶田富五郎翁」に出てくる「メシモライ」というのは面白いシステムだと思った。

・「私の祖父」で語られる蟹の話やお葬式の話が、穏やかな雰囲気で和んだ。

・「世間師(2)」で素性がわかってもらえると親切にされたという話を読んで、海外を旅行するときと同じだと思った。

・「文字をもつ伝承者(1)」の田中翁は非常に立派な人。このような人に政治家になってほしい。

・当時の村の生活は、快適ではなかったかもしれないが、豊かではあったのだろうと思った。

・血縁、地縁というのが重視された社会だったのだと感じた。

・農業には定年がないので生涯働くことになる。本書を読んでも驚くほどよく働いているが、社会的な居場所があって人の役に立てる仕事があるのはいいことだと感じた。

・生活のことが学問になるとは思っていなかったが、研究の手法を知って民俗学とは学問なのだと理解できた。

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また考える横浜読書会で過去に課題本となった『楢山節考』との違いについても話題に上りました。『楢山節考』の舞台は信州の農村であり、西日本の農村の話を集めた本書とは暮らし方が異なっているため、『楢山節考』ほどピリピリした雰囲気ではないことが話されました。

上記以外にもさまざまな感想や、参加者自身の体験などをお聞きすることができ、充実した時間となりました。

※KINOさん、感想をありがとうございます!

第2回(3/17)ミステリ横浜読書会『クビキリサイクル』『満願』

第一回の誕生時とはまた違う、続いていくことへの喜びを感じます。

第二回横浜ミステリ読書会を開催いたしました。

第一回で生まれた謎「ミステリ読書会は女性参加者が多い」は、今回も継続です。

桜の開花を待たずとも、華やかで春らしい雰囲気の中スタートです。

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今回のお題はライトノベルと一般文芸の境界領域を開拓した「西尾維新と米澤穂信」。課題本はそれぞれ『クビキリサイクル』『満願』です。YONEの手作り資料を使って、80年代の新本格ミステリ&ライトノベルの誕生、2000年代の2人のデビュー、そして現在の境界領域への発展や2人の今を紐解きました。

今回の資料や課題本を通じて、西尾維新がミステリ作家であること、米澤穂信が青春ミステリを書いていることを知らなかった参加者もおり、作者らの現在のイメージとは異なる一面を知ることができたとの声を頂けました。

 

その後、参加者の方々に課題本の感想をいただきました。

 

西尾維新『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い』については、

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社文庫)の詳細を見る

・これまで表紙から読まず嫌いをしていたけれども、閉ざされた孤島に、連続殺人、警察は介入せずに、探偵が解決する。こんなにも典型的な本格ミステリを書いていただなんて驚きだ。

・エピローグの後日談が物語として面白かったという意見に対して、ミステリとして説明不十分であり、必要ないのではないか。

・戯言シリーズは小学生の時から共にあった作品で、細かい内容は薄れても、いまだに強烈に面白かったという感情が湧いてくる作品だ。

 

米澤穂信『満願 』については、

満願 (新潮文庫)の詳細を見る

・バングラディッシュの背景情報などがとても詳しく、本当に体験した話のようで、入り込んでしまった。

・どの短編も、ざらざらとした後味が良くも悪くも残っており、すごい作家だと思った。

・米澤穂信の原点である青春ミステリ<古典部シリーズ><小市民シリーズ>も読んでほしい。その中で探偵たちの悩める心情は『満願』にも通ずるものがある。

 

など、全てを紹介することは分量的に出来ませんが、今回も沢山のコメントがありました。初めて二人の作品に触れる参加者や、傾倒している参加者もおり、多種多様な視点の読書会だからこと互いに新たな気づきがあった様子が印象的でした。

YONE

第11回(2/3)考える横浜読書会『蠅の王』

■参加者は男性9名、女性6名でした。

***おそらく人間じゃない(笑)と思います。半端ない読書量と教養をお持ちの異星人KINOさんの紹介文です。一緒に考える読書会を盛り上げてくれているKINOさんありがとうございます。***

 

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ノーベル賞作家ゴールディングの代表作、『蠅の王』が今回の課題本でした。
独特の読後感と随所にちりばめられた象徴的なアイテムが特徴的な長編小説です。

■著者経歴

1911年、イングランド南西端のコーンウォール州に生まれる。父親は科学教師をしていた。貧しい家だったが、オックスフォード大に進学。はじめは自然科学専攻だったが、のちに英文学に転籍。大学卒業後は父と同じく公立学校の教師となる。第二次世界大戦では海軍に入り、ノルマンディー上陸作戦にも参加。ナチスのホロコーストやアメリカの原爆に衝撃を受ける。戦争が終わると教職に戻り、1954年に『蠅の王』を発表。1980年にブッカー賞、1983年にノーベル文学賞を受賞。1993年没。

■『蠅の王』あらすじ

不時着した飛行機で生き残ったイギリスの少年たち。楽園のような南の島で大人のいない自由な生活を謳歌するが、夜の闇や正体不明の<獣>への恐怖が忍び寄り、少年たちは次第に分裂していく。

■参加者の感想

※以下、作品の結末に触れていますのでご注意ください。
※登場人物や単語の表記は黒原訳に倣っています。

登場人物についてはさまざまな意見が飛び交いました。

・ラルフは未来志向で、ジャックは現実志向。
 どちらもそれぞれゴールが異なるので、分裂は不可避。
・ラルフもジャックもそれぞれ立場が違うだけで、どちらが悪くどちらが正しいというものでもない。
ジャックは狩りに夢中になり自分の王国を作り上げるところがガキ大将のようだけど、悪い奴ではない。
・みんなが恐怖を見ないふりしようとするなか、サイモンは知ろうとしたところが、他の子たちと違う。
・ジャックは出世するタイプ
・ロジャーは一番危ない奴
・ラルフがピギーの賢さにもう少し早く気づいていたら…

それぞれ個性的な登場人物たちですが、ジャックの「部族」に入って原始的衝動に駆られると、彼らは名前を呼ばれなくなる点についても話がでました。

・顔にペイントをして自分が自分じゃなくなる感覚を得ると、個々の人物ではなく、名前のない「部族」のひとりになる
・原始的な欲求が高まり、踊ったり歌ったりドーパミンが出ている状態になると、誰が誰だか区別されなくなる
・最後の場面でジャックは容貌だけで表現され、名前を呼ばれなくなっている
・個体名が消えることで敵になる。敵方に名前がなくなるのは、戦争と同じ心理状態ではないか

また作品の随所にちりばめられたアイテムやキーワードの解釈でも盛り上がりました。

・煙-希望-ラルフ、豚-欲望-ジャック、というように、象徴的なアイテムがそれぞれの登場人物に対応しているのではないか。
・蠅の王はジャックの原始的な欲望なのか?
-> すべての少年(そして読者)の心にある闇ではないか。
・近視の眼鏡で火はおこせない。
 -> ピギーは実は見えていたけど見えないふりをしていた?
 -> 単純なミスではないか
・「イギリスの少年」とわざわざ限定することで西洋批判をしていると思う

また参加者全員に「結末についてどう思うか?」を聞いてみたところ、圧倒的な多さで「すっきりしないとの感想を頂きました。

・最終的に誰が助かったのかがわからないのが怖い
・助かるまでの期間がどれくらいだったのかもわからない
・取ってつけたような終わり方のように感じた
・後味の悪さがいい
・唐突にアクション映画風になったので戸惑った
・あえてすっきりしない終わり方にして、読者に結末を委ねている
・「大人」がくるとみんな我に返ったようになった。少年たちはずっと長い夢を見ていたような状態で、「大人」の登場で目が覚めたのではないか?サイモンは少年たちの中で唯一ずっと「目が覚めていた状態」だったのではないか?
・ラルフがずっとこだわっていた「助けを呼ぶ煙」が、自分を殺そうとする火の煙でようやく届いたというのは皮肉な結果。

上記以外にもさまざまな感想を聞くことができ、充実した時間となりました。
参加者の皆様、ありがとうございました。

第1回(1/20)ミステリ横浜読書会『ハサミ男』

■参加者は男性3名、女性11名でした。

 ***圧倒的な読書量と分析力が冴えるYONEさんの紹介文です。一緒にミステリ読書会を盛り上げてくれているYONEさん!ありがとうございます。***

 

『ハサミ男』殊能将之(著)

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 とうとうこの日がやってまいりました。第1 ミステリ横浜読書会の開催です。初心者も読み慣れている人も、よりミステリを好きになれるとよいな、という想いでスタートしました。

 まずは、参加者の皆さんに自己紹介していただきます。見渡すと、あれ? なんだかとても華やかで、眩しい。それもそのはず、YONEの予想を裏切り、集まった参加者はほぼ女性。男性は主催者を含め、、、3名のみ。

冒頭最大のミステリー()に出くわしました。

閑話休題、自己紹介では殺人事件などが語られることが多いミステリにおいて、「小説や映像、どの程度まで残虐な描写を許すのか」ということについて伺ってみました。映像については様々な意見が出ましたが、小説についてはおおよそ皆さんは許すし必要だという意見でした。なるほど。

続いて、YONEの手作りの資料を使って、今回のお題「叙述ミステリ」と課題本の『ハサミ男』殊能将之(著)について簡単な解説とご紹介しました。大いに議論は盛り上がり、「叙述って言葉を初めて聞いた」「そもそもミステリーとミステリって違うの?」「本格ミステリって、ルールの中で読み込むとこうも面白いのね」と、特に普段ミステリを読まない参加者からは、読書の新しい視点ができたと嬉しいコメントを頂けました。

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最後に『ハサミ男』についての感想を皆さんからいただきます。

普段ミステリを読む方々からは、

・10ページで違和感が募り、トリックが想定できた。

・『殺戮にいたる病』我孫子武丸(著)や『葉桜の季節に君を思うこと』歌野晶午(著)との比較。

・クリスティの『アクロイド殺し』を読んだ時の悔しさが蘇ってきた。

等々。

ミステリになじみがない方からは、

・非常に淡々とした物語で、客観的で冷静な作者が見えてきた。

・思いっきり騙され、最後は怒涛の展開で圧倒された。

・面白いって聞いていたのに心理描写があまりにもなくて拍子抜けした、でも次はミステリの読み方で再読してみたい。

と、たくさんのコメントを頂けて、進行そっちのけで楽しんでしまいました。

 

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。今後も参加者の皆さんと様々な切り口からミステリを紐解き、楽しく好きになっていける読書会にしていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

YONE

 

第9回(10/28)考える横浜読書会『カルメン』

■参加者は男性8名、女性5名でした。

 

***おそらく人間じゃない(笑)と思います。半端ない読書量と教養をお持ちの異星人KINOさんの紹介文です。一緒に考える読書会を盛り上げてくれているKINOさんありがとうございます。***

赤いドレスを着て赤い薔薇をくわえ情熱的に踊るイメージの強い”カルメン”。
そんなオペラ・カルメンのイメージが強いですが、小説版は少し印象が違います。

■メリメの『カルメン』

カルメン (岩波文庫 赤 534-3)の詳細を見る

小説『カルメン』は1845年、フランス人の作家で考古学者でもあるプロスペル・メリメによって発表されました。メリメ自身がスペインを旅行し、マドリードで伯爵夫人から聞いた実話を元にして書いた小説です。主人公の盗賊ホセに形見の銀メダルを託される考古学者は著者の分身でしょう。ジプシーに関する学術的な考察に最終章を割いているのも特徴のひとつです。

■ビゼーの『カルメン』

ビゼー・カルメン (オペラ対訳ライブラリー)の詳細を見る

メリメの『カルメン』をもとに、フランス人の作曲家ビゼーがオペラとして作曲した『カルメン』です。1874年初演。考古学者はおらず、ホセの婚約者というキャラクタが増えているなど、小説とはストーリーも異なります。いわゆる情熱の女カルメンは、オペラのイメージが強そうです。

大学時代にオケをやっていたKくんにご協力いただき、オペラ版カルメンをyoutubeで視聴しました。

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※Kくん作成「独断と偏見による『カルメン』解説」。驚きの完成度!永久保存版の資料です。ありがとうございます!

 

■参加者の感想

参加者の方々に印象に残った場面を聞くと、以下の場面が挙げられました。

・コルドヴァで考古学者がカルメンと出会う場面
・考古学者がカルメンの容姿を描写する場面
・ホセが煙草工場の横で初めてカルメンと出会う場面
・考古学者の前で、カルメンとホセがバスク語でやりとりする場面
・連行されるカルメンがホセにバスク語で話しかける場面
セヴィーリャの街でお菓子を買い込んで一日中食べたり飲んだりして遊ぶ場面
・ジブラルタルで、カルメンがゴージャスな衣装で士官の横に立っている場面
・ホセがカルメンに、アメリカでまじめに暮らそうと嘆願する場面
・最終章の、ボヘミア人に対する細かい考察

カルメンは悪女というよりも、頭のいい女性として男女ともに好意的な意見が多かったです。

・カルメンは相手によって服装や言葉を使い分け、最も効果的な方法で誘惑する頭のいい女性だと思った
・一人で仕事を見つけ、采配をして、人員を確保し、遂行する段取りをつけることができる有能な女性。実業家として成功しそう。
自分の知識や能力をフルに使って相手を落とすことをゲームのように楽しんでいるように見える。ホセはカルメンが思い通りにできなかった初めての男だったのではないか。
・自由を愛するカルメンにとって、アメリカで地道に暮らすなんてありえない選択肢だったのだろう。
・貴族出身のホセとは育ってきた環境も価値観も違うので、いずれはうまくいかなくなることを、カルメンはわかっていたように思う。

一方、ホセに対しては悪人説が飛び交い、批判が集中しました。

・カルメンが自由を愛することを理解していない。
・ガルシアとの決闘など、節々で卑怯なところがあるように思う。
・自分に甘く、カルメンのことよりも自分のことを優先している。

 

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※参加者Hさんがカルメン事件の時系列をまとめた年表とスペインの地図を資料として作ってきてくださいました。ありがとうございます!

なお参加者の男性には、カルメン的な女性に会ったことはあるか、または会いたいか、
女性にはカルメン的な女性になりたいかを聞いてみました。

男性)
・カルメン的な女性に何人か会ったことがある
・会ったことはない。できれば会いたくない。
・会ったことはないが、会ってみたい気はする。
・台風のような女性なので、会ってしまったら巻き込まれると思う。

女性)
・自立した頭のいい女性。できるならなってみたい。
・カルメンのように自由に生きてみたい。
・カルメン的な女性にはちょっと憧れる。

またカルメンはホセより年上か年下か、カルメンはホセをどの程度本気で好きだったのか等、いろいろと意見が飛び交い、盛り上がりました。

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参加いただいた方々、ありがとうございました。

 

加筆、訂正承ります。ご連絡をお待ちしております。

第15回(12/3)女子限定・横浜読書会

■参加者8名、初参加は2名でした。

 

***ご参加いただいた知的女子Kさんの紹介文です。Kさんありがとうございます!***

 

おだやかに晴れた初冬の日曜日、おいしいランチを囲んで「第15回女子限定!横浜読書会」の開催です。

今年もあっという間に12月を迎えました。どうしようもなく落ち込む日もあれば、小さな幸せに心がほっこりした日もあったのではないでしょうか。

自己紹介ではこの一年を振り返っていただきました。年始に立てた目標を達成できた頼もしいお話、就職活動に向けて準備しているという話題、読書会が元気の源となり充実した一年だったとの声も上がりました。

今回のお題は「自分へのクリスマスプレゼント本」です。辛いこともたくさんあったけれど、そのたびに頑張って乗り越えた自分へのご褒美。読みたかった一冊や疲れを癒す本、元気になる本をお持ちいただきました。

美しい装いの大型本(でも内容はビジネス本!)、ブックフェアで出会えた愛しの女流作家本、癒される写真集、ジャケ買いの一冊、心打たれた作品、帯の文言に挑まれた小説、この季節に読みたくなる絵本、こんな女性になりたい!と思わせる本、文字の実験をしている一冊など、今回もバラエティーに富んだ内容でした。そして、その一冊にたどり着くまでのみなさんのエピソードが読書への愛に溢れています。どの本も心が満たされること間違いなしですね。

今宵はスーパームーン。夜空も私たちを凛と照らしてくれています。

今年最後の女子限定!横浜読書会スタートです。

【ご紹介いただいた本】

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『KINFOLK ENTREPRENEUR』NATHAN WILLIAMS

KINFOLK ENTREPRENEUR(アントレプレナー)の詳細を見る
 

『吹上奇譚 』吉本ばなな

吹上奇譚 第一話 ミミとこだちの詳細を見る
 

『デッドエンドの思い出』よしもとばなな

デッドエンドの思い出 (文春文庫)の詳細を見る
 

『シェルシーカーズ〈上〉』ロザムンド・ピルチャー

シェルシーカーズ〈上〉の詳細を見る

 

『シェルシーカーズ〈下〉』ロザムンド・ピルチャー

シェルシーカーズ〈下〉の詳細を見る

 

『20072017』ヨネダ・コウ

20072017 (H&C Comics ihr HertZシリーズ)の詳細を見る
 
『Babaghuri』ヨーガンレール
Babaghuriの詳細を見る
 
『ベッドルームで群論を』ブライアン・ヘイズ
ベッドルームで群論を――数学的思考の愉しみ方の詳細を見る
 
『クリスマス人形のねがい』ルーマー・ゴッデン
クリスマス人形のねがい (大型絵本)の詳細を見る
 
『おちゃめな老後』田村セツコ
おちゃめな老後の詳細を見る
 
『りぽぐら! 』西尾維新
りぽぐら! (講談社ノベルス)の詳細を見る
 
『未来のだるまちゃんへ 』かこさとし
未来のだるまちゃんへ (文春文庫)の詳細を見る
 
『鈍感な世界に生きる 敏感な人たち』イルセ・サン
鈍感な世界に生きる 敏感な人たちの詳細を見る
 
『とにかくうちに帰ります』津村記久子
とにかくうちに帰ります(新潮文庫)の詳細を見る
 
『新しい分かり方』佐藤雅彦
新しい分かり方の詳細を見る
 
参加者の皆さま、ありがとうございました。加筆、訂正がありましたらご連絡ください。
 
 

2017年11月11日開催!横浜読書百貨展「読書会体験会」

横浜市読書活動推進ネットワークフォーラムにて読書会体験会を行いました。

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お題は「つながり」です。
人とのつながり、世界とのつながり、本のつながり…
皆さんそれぞれの感性でバラエティー豊かな本が集まりました。自己紹介も含めてわずかな時間でしたが、新たな本に出合える素敵なひとときでした。以下ご紹介いただいた本になります。

『ハーモニー』伊藤計劃

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)の詳細を見る
日本SF史に欠かせない作者の遺作。前作とのつながりが感じられる。アニメ映画化された話題作。

 

『ウィリーとともだち』アンソニー・ブラウン

ウィリーとともだちの詳細を見る

ひとりぼっちだったウィリーが、からだが大きくて強いヒューと出会う。お互いの欠けているところを補える友情に心温まる。

『ゴリオとヒメちゃん』アンソニー・ブラウン

ゴリオとヒメちゃん (児童図書館・絵本の部屋)の詳細を見る

ゴリオとヒメちゃんの2人の友情、友達の機転とやさしさにじんとくる一冊。癒される絵にお気に入りの一冊になること間違いなし。

『面白いほど成功するツキの大原則』西田文郎

面白いほど成功するツキの大原則―ツイてツイてツキまくる頭の使い方教えますの詳細を見る
ツキが成功を決める。そのツキをもってくるのは人。人とつながるノウハウを脳の機能を含め科学的に解説。

 

『BEFORE THEY PASS AWAY彼らがいなくなる前に』ジミー・ネルソン

BEFORE THEY PASS AWAY -彼らがいなくなる前に-の詳細を見る
失われつつある民族の姿をとらえた写真集。部族の脈々たる伝統の美しさに目を奪われる。著者の熱い思いが伝わるあとがきも印象的。

『時の流れのなかで』吉田秀和

時の流れのなかで (中公文庫)の詳細を見る
「芸術は生活の飾りではない。生活の中にあるもの」という言葉が印象的。やわらかく論理的な文章で、芸術について綴ったエッセイ。

 

『擬 MODOKI: 「世」あるいは別様の可能性』松岡正剛

擬 MODOKI: 「世」あるいは別様の可能性の詳細を見る
世の中はちぐはぐなもの。世界について広く鋭く論じる。身のまわりを見る目が変わること間違いなしの一冊。

『「タテ社会」の人間関係:単一社会の理論』中根千枝

タテ社会の力学 (1978年) (講談社現代新書)の詳細を見る

感情が人間関係の基礎になり、タテのつながりが根強い日本。刊行から50年を迎える本書だが、その理論は今も色褪せない。

『大人の友情』河合隼雄

大人の友情 (朝日文庫 か 23-8)の詳細を見る

友人の裏切りや男女の友情、友の死など、大人ならではの友情について考えさせられる。軽妙な著者の言葉と考え方が心地よい。

『世界をまどわせた地図 伝説と誤解が生んだ冒険の物語』エドワード・ブルック=ヒッチング

世界をまどわせた地図 伝説と誤解が生んだ冒険の物語の詳細を見る

実在すると信じられていた島や川、種族や怪物などを古地図や写真とともに紹介した一冊。グーグルマップに載っていた島もあるという。

『差分』佐藤雅彦 

差分の詳細を見る

連続した絵の中にストーリーを読みとる人間の不思議さ。『ピタゴラスイッチ』を監修した佐藤雅彦と茂木健一郎の対談も必読。

『世界のはじまり』バッジュ・シャーム

世界のはじまりの詳細を見る

中央インドのゴンド民族に伝わる神話とその生活を描いた手漉きの紙でできている絵本。作者の思いが伝わる宝物のような一冊。

『絵巻とマンダラで解く生命誌』中村桂子

絵巻とマンダラで解く生命誌の詳細を見る

美しい表紙が目を引く絵物語。いのちのはじまりから進化と絶滅まで、めくるめく世界に引き込まれる。

『生命誌とは何か』中村桂子

生命誌とは何か (講談社学術文庫)の詳細を見る
生命科学の歴史をひもときながら、新しいいのちの物語を著者ならではの視点で語る。読み応えたっぷりの一冊。

『いのちのひろがり 月刊たくさんのふしぎ2015年4月号』中村桂子

いのちのひろがり (たくさんのふしぎ傑作集)の詳細を見る
すべての生き物は、38億年前のたったひとつの細胞からはじまった。壮大な世界とやさしい絵にわくわくさせられる一冊。

『晴れ着のゆくえ』中川なをみ

晴れ着のゆくえの詳細を見る

紫根染めの晴れ着をめぐる連作短編集。何十年という時の中で、さまざまな人の人生に寄り添う晴れ着。美しい装丁も心に残る。

『幕末維新懐古談』高村光雲

幕末維新懐古談 (岩波文庫)の詳細を見る

著者自身の生い立ちから木彫家として立身するまでを語る。ひとつの偶然によってひらかれていく人生が印象的。

『京都の平熱―哲学者の都市案内』鷲田清一

京都の平熱――哲学者の都市案内 (講談社学術文庫)の詳細を見る

京都市内のバスから見えたものをつらつらと綴る。ここで生まれ育った著者ならではの視点で、東西南北それぞれの京都を描き出す。

ありがとうございました!

第7回(10/16)女子限定・横浜読書会

■参加者10名、初参加は1名でした。

 

読書の秋です。

本に関する様々なイベントが行われるこの季節、読書家たちの「本の爆買い事件」が勃発します。斯く言う私もそのひとり。参加者の方からも、各地で行われているブックフェアに参加したというお話や、スタッフとして福島の古本市に出店した!など驚きのエピソードをいただきました。

 

食欲の秋です。

カフェの料理もすっかりハロウィンを意識した飾りつけで、季節感ある南瓜などのメニューが勢ぞろいでした。味覚も楽しめるこの季節はついつい散財しがちです。そんな10月のお題は「お金」でした。お金のプロフェッショナルが語る世界の金融動向に関する話や、最先端の資産運用や貯蓄方法も魅力的ですが、横浜読書会では、より人間臭く、より幅広い「お金」の話を、本を通じて語りあえたら幸いと思います。

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※プレゼンテーションの様子

お金ってなんでしょうか?使いようによってはどうにでもなるお金。そんなお金を語るには身を持った実体験に勝るものはないでしょう。西原理恵子さんの『この世でいちばん大切な「カネ」の話』はお二人からご紹介をいただく人気ぶりでした。貧乏は札束ほどにリアルだったと語る本書に全員頷くばかり。お金に翻弄される笑いと涙の人生劇場を味わえる一冊です。視点を変えて、ふるさと納税から寄附や税金という制度について考えたり、時代小説の帳簿から江戸時代の金銭感覚を知り、ブロックチェーンや評価経済社会といったお金の概念を変える近未来まで話が及んだことに大変深みを感じました。

「カネ」の谺が聞こえた今回の読書会、魔物を味方につけ人生をエンジョイしましょう!

女子限定!横浜読書会スタートです。

 

【ご紹介いただいた本】

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『会社に頼らず生きるために知っておくべきお金のこと』泉正人

会社に頼らず生きるために知っておくべきお金のこと (Sanctuary books)の詳細を見る
 
『この世でいちばん大事な「カネ」の話 』西原理恵子
この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ)の詳細を見る
 
『花のれん』山崎豊子
花のれん (新潮文庫)の詳細を見る
 
『カレーライスの唄 』阿川弘之
カレーライスの唄 (ちくま文庫)の詳細を見る
 
『ふるさと納税生活』金森重樹
完全ガイド 100%得をする「ふるさと納税」生活の詳細を見る
 
『これから始める人のふるさと納税らくらくガイド』叶温
これから始める人のふるさと納税らくらくガイドの詳細を見る
 
 
『正しい家計管理』林總
正しい家計管理の詳細を見る
 
 
『浮世女房洒落日記 』木内昇
浮世女房洒落日記 (中公文庫)の詳細を見る
 
『「お買いもの」のいいわけ』堀井和子
「お買いもの」のいいわけ (幻冬舎文庫)の詳細を見る
 
『評価と贈与の経済学』内田樹
評価と贈与の経済学 (徳間文庫カレッジ)の詳細を見る
 
『 禅、「お金」の作法』枡野俊明
人生の流れが美しくなる 禅、「お金」の作法の詳細を見る
 
『さよなら下流社会』松本哉
さよなら下流社会の詳細を見る
 
 
参加者のみなさま、ありがとうございました。
 
加筆、訂正承ります。気軽にご連絡を頂きたくお願い申しあげます。
 
 

緊急企画!(10/18)小谷さんと読書会

「小谷さんをお呼びして横浜読書会」緊急開催です。

 

小谷さんはなんと!2時間の大遅刻でした。

クロージング間際に登場です。(笑)

 

次の予定も入っているとのことで、簡単な挨拶のあと飲んで食べてあっという間にお時間となり、30分程度でお別れをしました。読書会のミッションを果たしたかというと微妙な感じです。参加者の方にはひたすら謝るしかないです、ごめんなさい。そんな僅かな時間でしたが小谷さんにお会いできて本当に良かった!得たものは大きかったと思います。

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皆さんは小谷さんをご存知ですか?

小谷さんは一日50円で労働力を売り、泊めてくれる方の家を泊まり歩く住所不定の謎だらけの人間で、お金と時間に縛られない自由な生活をしている元芸人さんです。「草食系・男はつらいよ」現代バージョンのイメージでしょうか。

 

経緯の詳細は自伝書『笑うホームレス』に書いてあると言うのでその場で本を購入しました。芸人という肩書を捨ててホームレスとなり、50円の依頼がきっかけでかわいい嫁をもらったり、突然フィリピンのボランティア活動に参加する等々、ひたすらあり得ないエピソードが綴られています。巻末には「ゴーストライター:西野亮廣」とはっきり記述されているところも、期待を裏切らない感じで笑えます。

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SNSを利用してたくさんの人と出会い、つながりを糧に暮らす小谷さんのコミュニケーション能力は、秀でた才能としか言いようがないです。依頼主との待ち合わせの遅刻など日常のようで(笑)人気商売なのに評判が落ちないというのは彼のお人柄のなせる業。この生活を3年間続けていられる小谷さんはコミュニケーションの天才だと思います。

 

最後に最寄りの駅までご一緒したのですが、歩き始めたら突然!頭の回転が速くなってオーラが出てきました。キャラクターが際立ち、会話がいちいち面白いという、キュートなゼンマイ仕掛けのお人形のようでかわいらしかったです。

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「なんやこの店、オサレやな。えー、骨壺売っとるらしいわ~。」

「いやいや、骨董ですから。」

「あれー?ほんまや。」

 

そんなたわいもない会話を重ねながら、横浜の夜を去っていった小谷さん。きっとまたどこかでお会いすることがあるかと思います。その際はおもろいトークを期待していますね。ありがとうございました!

第6回(9/18)女子限定・横浜読書会

■参加者8名、初参加は1名でした。

 

今回は「ジェインオースティンの読書会」を開催しました。彼女を知らない方、興味のない方は置き去りの会となりました、ごめんなさい。

参加者はもちろん全員ジェイン・オースティンの大ファンです。19世紀イギリスの恋愛小説に夢中になったことのある女子ばかり。

祖母から薦められた本を持ってきたという方がいて驚きました。おばあちゃんのセンスの良さに脱帽です!是非お会いしてみたいと全員一致の声でした。

 

「人生の解毒剤」と言われる彼女の作品は、41歳という短すぎる人生を物語るかのように、主要6作品の恋愛小説しか残されていません。生涯独身を貫いた彼女の人生を思うと切なさを感じます。

 

1.分別と多感 Sense and Sensibility

2.高慢と偏見 Pride and Prejudice

3.マンスフィールド・パーク Mansfield Park

4.エマ Emma

5.ノーサンガー・アビー Northanger Abbey

6.説得(説きふせられて)Persuasion

 

どの作品もハッピーエンドで終わるストーリーは一貫して「金持ち・イケメン男性」をゲットするドタバタ恋愛物語です。全世界共通、時代を越えてもなお、女性の狩猟本能を駆り立てるターゲットは同じなのだなと、実感します。そんな彼女の普遍的な文学は、噂話や証言をベースに展開します。近所のご婦人や母親、親戚などおせっかいな人々が登場し、若い娘たちの結婚相手として誰がふさわしいかをあれこれ語ったり口を出したり、ざわつき加減が半端ない人びとの集合体の物語でもあります。若い娘たちは娘たちで、眼球からレーザー光線を発しながら舞踏会へとくり出し、力の限りお金持ちとイケメンゲットに尽力をつくすというパワフルで元気が出るお話なので、これはぜひ女子限定読書会で取り上げなければと思い、企画しました。

 

古典小説として読み継がれるにはどうかなと思える痴話ばなしばかりですが、実際読んでみると、その物語の深さに、そしてその言葉の誠実さに、心奪われます。人間に対する冷静な観察と細やかな表現によって、噂好きなご婦人も悪意は存在せず個性として彩られるあたりがオースティン作品の真骨頂ではないでしょうか。文学は偉大である必要はありません。名著は時として読者に寄り添うものです。

 

また、関連作品が多いのも特徴。最近では映画「高慢と偏見とゾンビ」が公開されるなどオースティン作品の話題が尽きません。お集まりいただいた方たちの一番人気は、今回の読書会のタイトルと同じの映画「ジェーンオースティンの読書会」でした。DVDをお持ちいただいた参加者の方もいて大変盛り上がりました。

 

ジェイン・オースティンの読書会 [DVD] -映画

ジェイン・オースティンの読書会 コレクターズ・エディション [DVD]

※女子はこの手の作品が大好きなのです。

 

それでは「ジェインオースティンの読書会」のスタートです!

 

【ご紹介いただいた本】

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『エマ (上) 』ジェイン・オースティン

エマ (上) (ちくま文庫)の詳細を見る
 
『エマ (下)』ジェイン・オースティン
エマ (下) (ちくま文庫)の詳細を見る
 
 
『自負と偏見 』ジェイン・オースティン
自負と偏見 (新潮文庫)の詳細を見る
※巻末の年表が便利のようです。
 
『高慢と偏見』はモームの『世界の十大小説』で紹介されています。
 
『説きふせられて』ジェーン・オースティン
説きふせられて (岩波文庫)の詳細を見る
 
『説得 』ジェイン・オースティン
説得 (中公文庫)の詳細を見る
 
『いつか晴れた日に』ジェーン・オースティン
いつか晴れた日に―分別と多感の詳細を見る
 
『ジェイン・オースティンの手紙 』ジェイン・オースティン
ジェイン・オースティンの手紙 (岩波文庫)の詳細を見る
 
『Der Jane Austen Club』Karen Joy Fowler
Der Jane Austen Clubの詳細を見る
 
 
※今回ご紹介のなかった『マンスフィールド・パーク』はナボコフの『文学講義』にて取り上げています。
 
 
参加者のみなさま、ありがとうございました。
 
加筆、訂正等承ります。気軽にご連絡を頂きたくお願い申し上げます。
 
 
 

第2回(9/3)ブランチ横浜読書会

■参加者8名(男性2名、女性6名)初参加3名でした。

 

第2回となるブランチ読書会は、新たな試みとして付箋に感想を書くことに挑戦してみました。

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※軽んじる様子はなく、大真面目に書いています。

 

「ブランチを食べながら本の感想を聞き、紹介者あてにメッセージを書く。」を人数分繰り返す作業は、単純なだけに一旦躓くと言葉が出てこなくなり、焦ります。より上手く表現したいエゴを抑えて、グーグル先生にも頼らず、次々と適格な表現を絞り出す言葉選びの作業は刺激的でした。それにしても皆さんの手際の良さに驚きです。まったりと付箋を選んでのんびり食事を取っていたら、まんまと時間が無くなり夢中で過ぎた2時間でした。今後も続けていきたいと思います。

それでは読書会スタートです!

 

【ご紹介いただいた本】

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『生まれつき美人に見せる』吉川康雄

生まれつき美人に見せるの詳細を見る
 
『成功している男の服選びの秘訣40』宮崎俊一
9割の人が間違った買い物をしている 成功している男の服選びの秘訣40 (講談社の実用BOOK)の詳細を見る
 
『ビッグデータと人工知能』西垣通
ビッグデータと人工知能 - 可能性と罠を見極める (中公新書)の詳細を見る
 
『シークレット・レース』タイラー・ハミルトン
シークレット・レース―ツール・ド・フランスの知られざる内幕 (小学館文庫)の詳細を見る
 
『小澤征爾さんと、音楽について話をする』小澤征爾
小澤征爾さんと、音楽について話をする (新潮文庫)の詳細を見る
 
『辞書になった男』佐々木健一
辞書になった男 ケンボー先生と山田先生の詳細を見る
 
『赤毛のアン』ルーシー・モード・モンゴメリ
赤毛のアン (集英社文庫)の詳細を見る
 
『西の魔女が死んだ』梨木香歩
西の魔女が死んだ (新潮文庫)の詳細を見る
 
『イスラム世界の人生相談』西野 正巳
イスラム世界の人生相談―ニュースの裏側がよくわかるの詳細を見る
 
『天使も踏むを恐れるところ』E.M.フォースター
天使も踏むを恐れるところ (白水Uブックス―海外小説の誘惑)の詳細を見る
 
参加者のみなさま、ありがとうございました。
 
加筆、訂正等承ります。気軽にご連絡頂きたくお願い申し上げます。

第5回(8/21)女子限定・横浜読書会

■参加者11名、初参加は3名でした。

 

今回は特別企画として「立川談慶」師匠をお招きしてお茶会を開催しました。

男性のみなさま、女性限定でごめんなさい。

 

『「めんどうくさい人」の接し方、かわし方』(PHP文庫)の新刊イベントになります。

「めんどうくさい人」の接し方、かわし方 (PHP文庫)の詳細を見る

本書は、あなたにとって「うざい人」と忌み嫌う人たちを「めんどうくさい人」と思うことによって軽やかにかわしていこうという指南書です。談慶師匠のご経験をふんだんに盛り込み、笑って泣いてためになる一冊。めんどうくさい人の定義からその対処法まで贅沢に書き綴った本書を軸にして、ご本人の口からどのようなエピソードが飛び出すのでしょうか、大変楽しみです。

 

【立川談慶師匠の自己紹介】

まずは、古典落語という大海に真向から向き合う人生を選択した「立川談慶」師匠のプロフィールを簡単にご紹介しました。参加者の皆さまの大きな拍手とともにお迎えします。

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1965年長野県のお生まれで佐久市の観光大使を務めています。慶応義塾大学経済学部を卒業後、㈱ワコールに入社。3年間のサラリーマン生活を経て、91年立川談志18番目の弟子として入門。(ちなみに前座名は「立川ワコール」でした。)前座9年半という長い道のりを経て、05年真打に昇進します。

さすがお話のプロです。落語家になるきっかけや、テレビ「Qさま」に高学歴タレントとして出演したエピソードを笑いを交えてお話していただきました。

また、鍛え抜かれたからだは日々のウエイトトレーニングの賜物です。全国各地を飛び回る多忙なスケジュールに耐える体調管理としてのプロのお姿でもあります。

 

【参加者全員の自己紹介】

次に参加者全員の簡単な自己紹介を行いました。参加者の皆さんもだいぶ「場」に慣れてきたようです。ケーキは「山梨県産白桃とシャンパンのヴェリエーヌ」が一番人気でした。甘さ控えめの「ストロベリーショートケーキ」も絶品です。

ケーキ

 

【フリートーク『「めんどうくさい人」の接し方、かわし方』】

ここからは、座談会です。読む楽しみを奪わないように本文の内容を数か所ほど掘り下げて意見交換をおこないました。とは言えサービス満点の裏話大公開!あらゆる角度から談慶師匠の魅力に迫ります。

 

■P59 ”人は「めんどうくさい」からしか磨かれない。”

本書でも談慶師匠にとって人生で一番めんどうくさかった時期・前座時代が一番色濃く、そして面白く描かれています。立川談志師匠に夜中の3時に呼び出されて一晩中ほうれん草をゆでた話は読む側にとっては絶品エピソードでしょう。

 

■P289 ”女性に嫌われてしまったらそれは「死刑判決」を意味します。とにかく女性は一度嫌いになったらおしまいです。”

■P299 ”もてる秘けつ、それは男女問わず「安心感」なのでしょう。”

女子だらけです。盛り上がらないわけがない話題です。「安心感??男性は危険な女性に惹かれるものでは??」との質問に談慶師匠もタジタジでした。談慶師匠の好みの女性の話や甘い香り漂う話題がたくさん出ましたがそこはご想像にお任せします。

 

間の取り方が絶妙に上手く、相手を尊重しながら周囲を包み込むように会話を進める談慶師匠。ご本人は落ち着きのない性格とおっしゃっていましたが、誠実な人となりを感じました。”微に入り細を穿つ”ですね。

 

【質問コーナーと写真撮影】

最後の質問コーナーでは「落語」を中心に、写真撮影は華やかに行われました。談慶師匠を落語の道へと導いた演目「らくだ」はおすすめとのことです。寄席が身近に感じられるきっかけとなりました。

女子会

 

【宴もたけなわではございますが、そろそろお開きの時間でございます】

あっという間の2時間で本当に楽しかったです。勢いが止まらず全員が2次会へ参加するという盛り上がりぶりでした。立川談慶師匠!参加者のみなさま本当にありがとうございました!

参加者のみなさま、読後にまたお会いしましょう!

 

加筆、訂正等承ります。気軽にご連絡を頂きたくお願い申し上げます。

 

第1回(7/31)ブランチ横浜読書会

■参加者7名(男性1名、女性6名)、初参加は1名でした。

 

お待たせしました!第1回ブランチ読書会、フリートーク中心の読書会としてスタートしました。利便性の高い、みなとみらい線「馬車道駅」直結、JR線・地下鉄「桜木町駅」徒歩5分。周辺のみなとみらい地区も堪能できるYCCヨコハマ創造都市センターが今回の会場です。歴史的構造物を用いた建物は天井が高く開放感があり、白を基調にしたお洒落な店内は満足度の高い空間です。

YCC

11時開催という比較的余裕のある設定はストレスも少なく皆さんに好評でした。しかもブランチ&読書会とお得感のある時間の使い方をしても、まだ午後のスケジュールがたっぷり取れるほど一日に余裕があります。

今後はメッセージカードを送ったり、本の交換会など参加者同士のコミュニケーションを中心に盛り上げていきたいと考えております。よろしくお願いします!

 

そして今回は「あなたはこの状態に耐えられますか?」と問いたくなるくらいな男性一人の参加でした。ハーレムと思うか、ひとりぼっちと思うかはあなた次第です!いろいろな意味で記念すべき会となりました。

 

それでは読書会スタートです。

【ご紹介の本】

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※『旅をする木』が2冊…

 

『かくれた次元』エドワード・T・ホール

かくれた次元の詳細を見る
「空間」をテーマにした一冊。空間が人間にとってどのような影響を及ぼすのか文化人類学の観点から考察する。文化の違いから五感で感じ取る内容も変わる。こうしたかくれた次元の違いに気付かせてくれる一冊。
 
 
『実りを待つ季節』光野桃
実りを待つ季節 (新潮文庫)の詳細を見る
 著者の父への想いは深い。素直に言えない気持ちだからこそ一冊の本に纏められている言葉ひとつひとつが読む者の心を奮い立たせる。父の最期のシーンは涙なしでは語れない。
 
 
『すべてはモテるためである』二村ヒトシ
すべてはモテるためである (文庫ぎんが堂)の詳細を見る
キュートな表紙にだまされてはいけない。まして、軽い文章につられて読み進めると、深みにはまる。本書は傷つくことから始まる。そして、考え、自分自身と向き合い悩み、行動に出ようと説く。
 
『モリー先生との火曜日 』ミッチ・アルボム
 

モリー先生との火曜日の詳細を見る

死を間近にひかえたモーリー先生とかつての教え子ミッチとのふれあいを描く。授業は毎週火曜日、テーマは「人生の意味について」。動かなくなった体でモーリー先生は幸せそうに人と触れあう。今この瞬間を大切に生きよう。
 
 
『プラネタリウムを作りました。』大平貴之
プラネタリウムを作りました。 7畳間で生まれた410万の星、そしてその後の詳細を見る
幼少期、紙に塗った夜光塗料を部屋の壁に貼り付けて夜空を再現した著者。そんな手作りのプラネタリウムから息をのむ美しさを体験し、プラネタリウム製作の世界最高まで上り詰めた。夢中になることの奇跡に迫る。
 
 
『プラネタリウム男』大平貴之
プラネタリウム男 (講談社現代新書)の詳細を見る
著者が魅せられ今なお追い続けるプラネタリウムは彼にとって何であろうか?本書はより美しい星空を求めてプラネタリウム作りに取り組んできた記録であり、その心を書き記したものでもある。
 
 
『植物は<知性>をもっている』ステファノ・マンクーゾ
植物は<知性>をもっている―20の感覚で思考する生命システムの詳細を見る
地球上の全生命の99%を占める植物の複雑な生命システムを説く。「知性」の定義を柔軟に考え、かつ伸びやかな発想で考察してみると、植物は五感で感じ脳で考え行動しているかのように振る舞っていることに気付く。
 
 『旅をする木 』星野道夫
旅をする木 (文春文庫)の詳細を見る
※第24回横浜読書会 でご紹介頂いております。   
アラスカの広さと静けさ。そのなかで天と地と人が織りなす物語を、暖かく語りかけてくるエッセイ群。
 
 
『要点で学ぶ、デザインの法則150』William Lidwell
要点で学ぶ、デザインの法則150 -Design Rule Indexの詳細を見る
デザインの価値は日常に溶け込まれ見過ごされる傾向にある。そんな時代を超えてもなお錆びることのない必読のデザインの要点を150の法則から学び取ろう。ビジネスパーソン必読の書。
 
 
参加者のみなさま、ありがとうございました。
 
加筆、訂正受け付けております。気軽にご連絡を頂けると嬉しいです。 

第4回(6/26)女子限定・横浜読書会

■参加者5名、初参加は2名でした。

 

今回は当日キャンセルも数名おり、少なめの5人の参加。さみしい?と思いきや、いえいえ、全く問題ありませんでした。皆さんのコミュニケション力の高さに脱帽です。おかげさまで見事なまでに盛り上がりました。各人の「香りある個性の華」のバランスとして5人が丁度よいと感じ、日常の話題と読書の話が織り交ざり、程良く過ぎた2時間でした。

さて、本のお題は「女性作家」。「アゴタ・クリフストフが女性?!木内昇も女性?!」という衝撃の事実に「女性作家なのだけれど男らしい作風の本」のような読書会になってしまいました。そんな偶然を楽しんだ第4回女子限定横浜読書会KURIBOOKSスタートです。

 

【ご紹介いただいた本】

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『悪童日記』 アゴタ・クリストフ

悪童日記

ハンガリー生まれの女性亡命家の衝撃の処女作。戦時下の混乱をしたたかに生き抜く双子の兄弟。淡々と綴られる彼らの物語は傑作と呼ぶにふさわしい。

 

『花宵道中』宮木あや子

花宵道中 (新潮文庫)の詳細を見る
江戸を生きた遊女たちの儚くも美しい恋愛短編集。絡み合う物語を繊細な文章と美しい内容で仕上げる優美さは、さすが女性作家。
 
 
『こちらあみ子 』今村夏子
こちらあみ子 (ちくま文庫)の詳細を見る
家族や学校から取り残された少女「あみ子」の日常を描いたストーリー。罪の意識のない純情は自らにないものに対する憧憬と憎悪の対象。
 
 
『春になったら苺を摘みに 』梨木香歩
春になったら苺を摘みに (新潮文庫)の詳細を見る
日本人の著者が英国、米国、カナダにおいて様々な人と出会い、その土地の文化に触れたエッセイ集。透明感のある言葉の源泉が本書には存在する。
 
 
『富士日記〈下〉 』武田百合子
富士日記〈下〉 (中公文庫)の詳細を見る
独創的で自由な感性の持ち主の著者。下巻は夫の武田泰淳の死を通して夫婦の絶妙な心理描写を秀逸に描く。  
 
『精霊の守り人』上橋菜穂子
精霊の守り人 (新潮文庫)の詳細を見る
ファンタジックな異世界を描く児童文学書。文化人類学研究者の冒険物語は、大人が読んでも充分に納得のいく世界観だ。
 
 
『新選組 幕末の青嵐』木内昇
新選組 幕末の青嵐 (集英社文庫)の詳細を見る
 「新選組」に纏わる歴史小説。それぞれの登場人物の考え方や視点が絡み合い、時間軸によってまとまり、歴史の流れが動き出す。
 
 
『地虫鳴く』木内昇
地虫鳴く―新選組裏表録 (集英社文庫)の詳細を見る
同じ新選組でも泡沫隊士を主人公にした物語。その時代のイデオロギーに翻弄されつつ人としてどう生きるのか。本書を読んで深めて欲しい。
 
 
『夢見つつ深く植えよ』メイ・サートン
夢見つつ深く植えよの詳細を見る
生の神髄を惜しみなくさらけ出し、人生の意味を問いかける著者。小さな一軒家に住み、大自然と闘い、自らと対峙する。本文の実りある言葉を摘み取ろう。
 
 
参加者の皆さま、ありがとうございました。
 
加筆、訂正受け付けております。気軽にご連絡を頂けると嬉しいです。
 
 

第4回(4/30)考える横浜読書会『幸福論』

■参加者15名(男性6名、女性9名)

初参加の方は5名でした。

 

今回の課題の本はアラン『幸福論』です。

身近な題材を使い、日常に例えた「幸福」についての内容です。プロポ(断章)と呼ばれる便せん2枚程度の短くて独立したコラム的な形式で書かれているため気軽に読めたかなと思っていたのですが、ほとんどの方が読み進めるのに辛かったとの意見でした。説教じみて辛くなるとのお話もありました。哲学書は体系的な論述式の方が読みやすいのかも知れません。

翻訳者によって意味の解釈が違って伝わっていました。「読んでいてビジネス書のようだった」と感想を述べた方の本は、ビジネス書の翻訳を多く手掛ける村井章子さん翻訳の『幸福論』でした。

ラッセル『幸福論』を熟読してきた方がいました。高度なギャグセンスをお持ちだなと思ったら、本気のようでアラン『幸福論』は読んでいないとのこと。それでも皆さんの意見と対比させて、冴えわたる考察と鋭い質問は圧巻でした。さすがです。

【ご紹介いただいた本】

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※ラッセル『幸福論』を探してみてね。

 

また、たくさん意見の出た「情念」。「情動」の方が適切ではないかとの意見も出ました。「情念」は気持ちを念じる怨念のようなイメージが強く、マイナスに捉えがちとの理由です。

そこで哲学者のご回答をいただいております。

”心と身体を分けて考える近代の二元論的な思考形式においては、人間の心の動きは、動機や情動(エモーション)という擬似力学的なカテゴリーでスタンドアローンに説明されます。これらの新しいカテゴリー(18世紀以後に登場)に対して、情念(パッション、パトス)というのは、身体から心への因果作用の素朴な肯定に基づく、古代以来の古いカテゴリーです。アランは、行動や習慣を変えることで心をコントロールしようとするので、近代のカテゴリーに乗っからずにあえて「情念」を語っているのだと思います。”

なるほど!難しい~!

 

以下、アラン『幸福論』の深みに迫ります。

▶おすすめのプロポ

93のプロポの中から皆さんが選んだ栄誉あるプロポをご紹介します。(岩波文庫)

1.名馬ブケファラス

2.いらだつこと

4.ノイローゼ

10.アルガン

12.ほほ笑みたまえ

13.事故

15.死について

19.あくびの技術

20.気分

21.性格について

22.宿命

27.欲すること

28.人はみな、己が欲するものを得る

35.家庭の平和

36.私生活について

37.夫婦

47.アリストテレス

48.楽しい農夫

51.遠くを見よ

52.旅行

53.短剣の舞

61.死者のための祭儀

73.上機嫌

78.決断拒否

80.新年おめでとう

82.礼儀正しさ

91.幸福になる方法

93.誓わねばならない

あくびとリラックス効果、フランスのお年玉の風習、上機嫌であること、意志と行動等、様々な意見と感想が述べられました。参加者のみなさま、ありがとうございました!

 

▶アランとは?

アランとはペンネーム。本名はエミール・シャルチエ。1868年3月3日、フランス帝国ノルマンディー地方に生まれます。獣医であった父親の生態学的経験知を体で学び、パリやフランスの各地の高校で、哲学の1教師として生涯を貫いた人物です。

芸術をこよなく愛する高校教師でありながら社会的な事件に対して積極的に発言しメディアとも積極的に関わります。リベラルな共和派として政治活動や講演活動にも参加。新聞への寄稿も精力的に行います。40代後半で従軍したこと、晩年まで独身であったことも付け加えたいと思います。

1951年6月2日(83歳)に亡くなるまで執筆活動を続けました。

 

▶『幸福論』とは

第1次世界大戦前後に執筆した新聞の投稿記事のなかから、「幸福」をテーマとしたものを集めた書です。プロポで書かれているため拾い読みできる気軽な「幸福論」。今なお世界の人々に読み継がれています。

 

▶「世界三大幸福論」

スイスのカール・ヒルティ、イギリスのバートランド・ラッセルと並んで「世界三大幸福論」の一つと称されるのが、アランの『幸福論』です。

 

▶アランは幸福であったか

この問いに対して、アラン本人は”「幸福」というものはあるものではない。あるのは「幸福」であろうとする意志と活動と責務だけ。”と説いています。

 

ありがとうございました!またお会いしましょう。

加筆、訂正等受け付けております。気軽にご連絡を頂きたくお願い申しあげます。